ロシア軍、千島・北方領土周辺にレーダー基地配備 軍備増強進む
僕自身は北方領土どころか、日本としては南樺太も千島列島全体もソ連に不法に略取された領土だと考えているものですが。
現実的に見て、多分、ロシアは北方領土を返すつもり全然ないんだろうなぁと。彼らの論理はこちら参照。ロシアにとっては全くもって議論の余地なく合法的に獲得した領土です。
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ロシアから見た北方領土―日本から見れば不法でも、ロシアにとっては合法 (光人社NF文庫) |
| 岡田 和裕 | |
| 潮書房光人社 |
今更ですが、領土と経済は別とソ連・ロシアとの商業活動を始めてしまった上に、返還交渉の対象を最初から四島に限ってしまったのは取り返しのつかない失態。
ロシアから見た場合、日本に北方領土を返すメリットは何もなくなりましたから。
デメリットはそりゃもう、アメリカの対露情報収集拠点になるのは１００％確実で、米軍基地が置かれる可能性すらある。オホーツク海というロシア海軍にとっての聖域がなくなるわけで、安全保障上容認できない事態です。
ロシアが北方領土と引き換えに得られるものは日本との対立要因が全くなくなることだけで、日本が独力でロシアと事を構える意思も能力もない以上、現状が続いてもロシアとしては一向にかまわない。
ええ、ロイヤルストレートフラッシュを持っている事が明らかな相手に、こちらの手が絵札なしのノーペアだと見透かされているようなものです。おまけにこちらはブラフがド下手、あちらはポーカーの世界選手権チャンピオン。勝てる要素がどこにあるという状況。
河野外相が訪露するという報道もありましたが、交渉しようにも日本にはどんなカードがあるんでしょうね。私には巨額の現金を積む以外のカードが思い浮かびません。
他の、ロシアと周辺諸国の間の、WW2が絡まない国境紛争については大体面積等分で解決しているようですが、この場合はムリなんじゃないかなぁ。
帰ってくる可能性は第2次日露戰爭で日本が勝利した場合くらい。
２島なりとも返す可能性をプーチン大統領がほのめかしている理由は、日本を交渉のテーブルに着かせるための撒き餌に過ぎず、返還の意図は皆無と見たほうが妥当だと思います。日ソ共同宣言で約束してしまっているという理由で、歯舞・色丹だけは帰ってくるかもしれませんが、ロシア外相の発言ではそれすら返還の意図がなさそうです。
