清原果耶さんネタ続きですが。
この映画で清原さんは若き天才水墨画家・篠田千瑛(しのだちあき)を演じます。技術はすごいが祖父であり師匠でもある巨匠・篠田湖山から認められていないと思っている、という設定。
『ちはやふる』の小泉徳宏監督が撮った、方向はおおよそそれと同じかな?という映画です。ただ、テーマの違いで恐ろしく渋い映画になった感はあります。
横浜流星さんがきちんと練習して描いたという水墨画、小生絵心はありませんが素人目にも見事でした。
横浜さん演じる主人公・青山蒼介の没頭ぶりが何とも。がらんどうに近い自室を練習用の画仙紙で埋め尽くすというのはただごとではありません。
(以下、ネタバレ注意)
原作は交通事故で両親とも・・・・・を、水害で両親・妹が・・・・・・に改変。彼のスマホには妹からの助けを求める留守電が残されています。そりゃ、心も凍りつくというべきか、進めなくなるというか。
色々凍りついていた彼の心を動かしたのが篠田千瑛描く水墨画。多賀大社で開かれた水墨画の展覧会、その設営のバイトで彼女の絵を見て涙を流したところを見た斯界の第一人者・篠田湖山に見出されて彼の弟子になり、一心不乱に水墨画の練習を始めます。
三浦友和さんが篠田湖山を演じています。百恵・友和コンビの「赤い」シリーズを覚えていたりしますので、いつの間にやらこういう大物の役が似合うお年に、と思うと時代の流れを感じたり。
江口洋介さん演じる西濱湖峰は湖山先生(と、孫娘の千瑛)の身の回りの世話をする高弟、という役どころでしたが、ただのお世話役かと思いきや、湖山先生の代役で揮毫に臨んだときのド迫力が印象的でした。ある意味、この映画で一番の見所をさらっていったかもしれません。残念ながら横浜さんはもちろん、清原さんにもここで説得力のある代役は演じられなかったでしょう。
色めいた方面で言えば千瑛サン、蒼介と夜行バスで彼の実家跡地まで同行した上で、それでも付き合わないのがミソかもしれません。
お互いの絵は好きだと言い合っていますが、お互いが好きとは言っていない距離感。
まずは同門の士なのでしょうね。
蒼介くんの将来が若干心配ではありますが、篠田湖山最後の直弟子で湖山会新人賞の気鋭の画家、と話題になればこのままでもある程度水墨画でご飯を食べられるかな?
世間的にはあまり話題になってないようですが、いい作品だと思うんですけれどね。
横浜流星ファンは必見かも。
横浜さんについてはこちらのブログもご覧ください。