その映写が終わったアト
当時
若かった三人の
わたしたち兄弟を
自分の前に呼び
「おまえたち、しっかり喧嘩しておけ」
と言い放ちました
何を言うのか、と思っていると
「結婚すると
皆分れ分かれになって
喧嘩も出来んようになる」
との意味でして
後々
なるほどと思った次第です
帰り
近くの
駅ホームまで
見送りに行きましたが
伯父さんは
わたしたち三人の手を
一人ひとり順に取っては
「がんばれ!」
と力強い声で言ってくれました
そこへ電車が入ってきました
伯父さんの手は
ごつくて鍛え上げられた感触でした
あの時「がんばれ!」
と言って頂いた言葉に
その後の人生
応えられたのかどうか
この文章を進めながら
迷う心しきりであります