昨年の12月に神戸の姉が亡くなってから既に5回神戸へ
往復しているが、残された家をはじめ諸々の手続きや整理が
終盤に近づいてきた。
この間、神戸でいろんなことを経験、体験(?)してきたが
行く度に多少なりとも文化の違い(?)の様なものも感じたし、
いろんな場面で関西の人たちの温かい人情に触れ、心が
「ほっこり」や「おだやか」になったことも屡・・・・
今回はそんな話を・・・
姉の家は神戸市須磨区の東落合・・・
新幹線の新神戸駅から地下鉄西神山手線に乗り、名谷駅
(新神戸から22分程度)下車、バス停では二つ目なのだが、
その往復時はキャリーケース等、大きい荷物が多くなるので
ほとんどの場合、タクシーを利用しているが滞在中食事などの
ため名谷駅までの往復時などは時々バスを利用することもある。
以前このバスを確かめて乗ったつもりだったが確認のため
乗客の一人(年配のご婦人)に須磨東高校前へ行きますか?・・と
と聞いたところ、そのご婦人はわざわざ運転手さんに聞きに行き、
私に「大丈夫・・」との返事をしてくださったのだ。
三宮で道を尋ねるためにコンビニに入った時も店長(名札で判明)が
私と一緒に店外へ出て交差点まで同行し、詳しく案内をしてくれたり、
食事や買い物の時の店員さんの丁寧で愛想のいい応対・・・
諸々の問い合わせに対する駅員さんの笑顔での対応・・・
電車内でもそれは見られた。
優先席が広く空いていても近くにいる若者たちは座ろうとしない。
珍しく座っている場合でも高齢者が乗ってくるとすっくと立ちあがり、
すかさず高齢者に座席を薦めるという姿にも仄々とするものが・・・
そういうマナーがある程度浸透しているからなのだろうか・・・
ある時、私が優先席付近にいると小学1~2年生ぐらいの女の子を
連れたお母さんとその友達らしき人たちが乗ってきた。
一般席には空席が少なかったが、片側の優先席は広く開いていた。
しかしそのお母さんたちは優先席に掛ける様子もなかった。
しばらくするともじもじしながら疲れた様子で通路に膝を曲げてしゃがんだ
その女の子に向かってお母さんが、『疲れたのならそこの空いている席に
掛けさせてもらいなさい』と話すと、その女の子は『ここは優先席だから・・』と
繰り返し、決して座ろうとしなかった。
以前にも同じような光景を見たが・・子供たちにも徹底しているのだろうか。
その後も女の子はしゃがみ込むことはあっても決して優先席には
座ろうとしなかったのだ。
神戸では地下鉄に乗った時の小話(小咄)のようなものも・・・
神戸へ5回も行ったのにその地下鉄(西神山手線)で同じような
失敗を過去に2度もやってしまい、今回も危うく繰り返しそうになった。
それは・・・
ホームに入ってきた電車の扉が開いたので乗り込んだところそれが
「女性専用車両」だったこと。
一度は自分が下りるまで分からず、もう一度はすぐに気づき、
次の駅で他の車両に移動して精神的な難(?)を逃れたという事件・・・
そして今回は乗った途端に後ろから声がかかり、女性専用車両だと
わかったのだが・・・
私自身、女性専用車両があることは承知していてもどこへ行くにも・・
それが都内の渋滞する場所であっても車で行く私は久しく電車に
乗っていない。
昨年来の何回かの神戸行きで久しぶりに電車に乗ったのだ。
後ろから声をかけてくださったのは70代位のご夫婦・・・
ご主人は頭髪が真っ白で表情も穏やかな方・・・
奥さんは元バレーボールかバスケットボールの選手だったのであろうかと
思われるような高身長で眼鏡の奥の目もキリッとした美人・・・
はて?・・と佐田寅子のように思った私はあるブログ友のご夫婦を
思いだしたのだ・・・(お互いに会ったことはないが記事で承知済みのご夫婦。)
東京から来たというそのご夫婦と一緒に隣の車両に乗り、新神戸までの
会話も楽しかった。
東京ではあちこちの路線でこの女性専用車両内でのトラブルなども
多く発生しているようだ。
混雑時に女性の安心安全のために・・と設けられたこの制度を
踏みにじられたと怒りに満ち、キレた女性が男性客に暴力を振るったり、
足蹴にしたり、その逆もあるという。
帰宅してから調べてみると都内ではかなりのトラブルが発生していた。
この女性専用車両については平等性に欠けるなどという意見もあり、
賛否両論のようだが私自身は反対する理由もなく、むしろ女性を
護るために作られたいいものだとも思う。
私の過去の2回の失敗時には女性たちは全く無反応だった。
『キャリーケースを持った遠くから来た老人だからわからないのだろう・・』と
優しく大目に見てくれていたのか、それともスキンヘッドで口髭を
はやした怪しい人物には関わりたくないとでも思っていたのか・・・
いずれにしても目くじらを立てて相手を叱責するようなことは
しない・・というこれも関西(近畿)地方ならではのおおらかさの
ようなものの表れなのかもしれないと思ったのである。
電車内で見かけるこのような様々な好感の持てる行動は関東でも
見られるのだろうと思うが、東京や埼玉では見知らぬ人に容易に
声をかけることは少ないように思う。
これも「文化」と言っていいのかどうかはわからないが、今後も
神戸へ行く度に・・来週は大阪へも立ち寄ることになっているので
関西(近畿)地方のおおらかな人間性に触れられる機会があれば・・と
期待したくもなる。
これを機会に「関西」「近畿」「畿内」などということばの意味や
違いについても知っていきたいと思う。
【西神・山手線】 2000形 接近放送~到着~発車 三宮駅 / 神戸市営地下鉄