「これぞ春・・」と思わせるような今日一日の終わりが近づいてきた。
「ひなまつり」「梅まつり」という言葉に誘われるようにポカポカ陽気の中、
近く(3㎞程)の「大宮第二公園梅まつり」を見に行ってきた。
埼玉県にも梅の名所は数多くあり、いずれも3月上旬が見頃と言われて
いるので少し遠くまで足を延ばそうかとも考えたのだが、長時間の
乗車を嫌う千恵子選手の体調のことも考え、リハビリ終了後にでもすぐに
行けるところということで大宮第二公園にしたのだがここも500本の梅が
あり、観るには充分なのだ。
紅梅白梅、それぞれこじんまりとしたものから大木までさまざまで
見ごたえ充分であった。
観てる間にも開花が進んでいるのではないかと思うほどの見事な
咲きっぷりでまさしく見頃だった。
枝垂れ梅も紅、白、ともにたくさんあり、ほぼ満開に近いものも・・・
梅の木の種類が多いことは聞いていたがその種類は300種類にも及ぶという。
先ほど検索してみたがその名も綺麗で厳かな感じのするものが多いことが
わかった。
歴史を感じるようなもの、気品や崇高、高貴などをイメージさせるもの
なども多く、梅についてよく使われる「凛とした姿かたち」「矜持」などの
イメージを感じるような名前のものも・・・
梅も桜も甲乙つけがたいところがあるが、少し長い期間を楽しめると
いうところでは僅差で梅に軍配が上がるのかもしれない。
梅には男女を問わず多くの人たちがそれぞれいろんな思い出を持って
いるようだ。
楽しく、嬉しかった思い出にかぎらず、寂しい、悲しい、或いは辛い
などという思い出もあることだろう。
これはもちろん梅に限ったことではない・・・
しかし、その負の思い出をマイナスと考えず気持ちの切り替えや
ターニングポイントとして活かしている人もいる。
そしてその影響を受けた私も・・・
私の無二の親友で私の息子「将太郎」の名付け親でもある高松さんが
梅の花も木も大好きで自宅の庭でも自慢の梅を育てていたが惜しくも
68歳で亡くなった。
入社歴は私が2年先輩で、2歳年上の彼は大卒で入社したので入社は
私より2年あとだった。
そのころ、年齢は下でも入社歴が古いと先輩風を吹かす同期の仲間もいたが、
私は年下でもあり、彼の人間性にも惹かれていたので入社歴の差に関係なく
彼を尊敬し、言葉遣いにも気をつけていた。
そしてその後、私たちは親交を重ね彼は「逆境を活かす」ことを私に
教えてくれた恩人でもあったのだ。
家族ぐるみでつきあってもいたので毎年、梅の時季には息子とも
彼の思い出を話すようにしているのだが・・・
彼と私は歴史小説、時代小説が好きで、彼が私の息子に「将太郎」という
名前を・・そして彼は自分の息子に「龍一郎」と名付けたのもそれが由来
なのである。
彼は私の夢の中にもしょっちゅう現れるのだ。
梨木香歩の「家守奇譚」の主人公、征四郎の前に亡くなった友人高堂が
現れるように彼(高松さん)は夢で私に会いに来ている。
「高松」という名前が「高堂」という名前に結び付き、この家守奇譚の
物語や続編の「冬虫夏草」のように友人の夢を見るのかもしれない
何しろ毎日にようにたくさんの忘れない夢を見る私なのだから・・・
夢を見た後やふと思いだした時には図書館から借りて何度も繰り返して
読んでいたが、最近購入してすぐそばに置き、いつでも会えるように
している。
夢の中でしか会えないが他の友人と一緒にこの時季に4人で九州へ車で
旅行したことが鮮明に浮かんでくる。
そのころは社員全員が交代で年に2回、10日間以上の連休を取得できたので
思い切って九州への車による旅を計画したのだった。
姫路城から離れ難かったことや熊本城での思い出、芝生の枯れた水前寺公園で
遊んだり九州各地の温泉巡りをしたり・・・
回ったのは大分、福岡、熊本、鹿児島、宮崎、・・・本当に懐かしい。
その彼(高松さん)は既に「遥かな人」になったが今もすぐそばにいるような気がする。
内容は違うが
この曲のタイトルも『遥かな人へ』
高橋真梨子