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公認心理師のカリキュラム

2016-12-02 03:38:55 | Weblog
東京で、M先生と食事会をもつことができました。
長く心理職の国家資格を実現するために苦労してこられたM先生のこと、どのような心境か尋ねました。

おそらく感無量といったところかと思いきや、いや、まだまだこれからが正念場との感想。
カリキュラムがどのような方向に向かうのかという私の不安とも一致したようです。

これまで医療現場で心理職が働いてきた長い歴史をみると、色々な苦労がみえてきます。
M先生も然り。N大学病院精神科で心理職として働いてこられました。
大学の教員列に就かれてからしか私は知らなかったのだけれど、それまでは大変だったようです。
国家資格のない身分で、病院臨床の場で医療職に就くというのは並大抵のことではありません。
おそらくどこの病院でも、心理職といえば事務職、補助業務としての扱いだったとおもいます。

私のことを言えば、大学院に合格が決まってからの2年弱、兵庫県にある某精神科病院の心理士として末席を汚していました。
1970年代半ばのことで、そのときの報酬は1日5000円ほどだったと記憶しています。
週1度精神病の患者さんと接することができ、ロールシャッハテストやバウムテスト、クレペリン検査や知能検査など、あらゆる心理検査ができる実習の場。
お金を払うのではなく、お給料がもらえるというので、とても充実した病院勤務を過ごすことができました。
バイト感覚と言ってしまえばそれまでですが、家庭教師が1日5000円程度だった時代。奨学金をもらいながらの優雅な院生ライフ。
就職先にしようとは思わなかったけれど、看護師や栄養士の方と話をすれば、ああこんな毎日も悪くはないかなと思っていたものでした。

医局では同年配の研修医と仕事の話やら研究の話で楽しく過ごしていました。
大学院での研究テーマは精神生理学。眼輪筋反射の実験を始めたところだったので、医学部生理学教室や神経内科教室で研究生をしているドクターとは話が合いました。脳波筋電図学会(当時)では、医師も心理職も分け隔てなく、学術研究者として扱ってもらえました。
なので病院でも同じような感覚で、他職種と話をしていた私でした。ところが給料はというと夜勤するドクターの日給は5万円。ナンと私の10倍というのには驚きました。国家資格というのは凄い、というか、病院では医師はアルバイトでも凄い待遇であることを知った次第。

M先生は大学以来ずっと大学病院精神科で勤務されていたとか。おそらく待遇についてはご不満も多かったのではとおもいます。
そんな彼も大学准教授に昇進されたというので祝杯を捧げました。
医学部病院で心理職が准教授になるというのはまず日本では希有なこと。一般教養の教員ならまだしも、臨床講座ですからね。

国家資格公認心理師の法律はできました。M先生などの苦労があっての成果です。
後は制度として本格的に稼働し、立法の精神の下に運用がなされる話を祝杯の肴にしたことはいうまでもありません。
多くの病院心理職のみなさん、公認心理師制度をしっかりしたものにしていきたいものです。

2016/12/02







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