サイコロジスト101

旧J&PホットラインSIG101opMr.髭が運営。
健康心理学、生理心理学、ストマネを学びましょう!

PPI体験デモ装置の実力

2009-10-24 06:01:14 | Weblog
PPIとは、反射を誘発する刺激の直前に微弱な刺激を先行付加することによって、反射量が減弱する現象です。

PPIはたいへん強固な現象で、100ミリ秒の先行時間条件だと、ほぼ100%の人でPPI現象が現れます。

ところが統合失調症の患者さんでは抑制効果が小さい。あるいは消失します。

そこで、PPIは統合失調症のバイオマーカだということで、多くの精神医学の専門家や向精神薬開発チームの効果評価担当は重用しています。

でも、なかなか話を聞くだけではPPI効果出現の様子を実感できません。

そこで、今回のSPR発表にあたって、体験的にPPIを実感する装置を作ってもらいました。

効果は覿面。ポスターにきてくれた人の多くは、PPIを実感してもらいまいsた。

100ミリ秒では抑制は起こりそうだが300ミリ秒だとプレパルスと反射誘発刺激の2つが分離していて抑制されにくそうだという評価を得ました。

一昔前の携帯電話の大きさのこの装置、大成功でした。

便利な時代になりました。

2009/10/24・記


ヴント資料室inライプチヒ大学

2009-10-23 09:17:15 | Weblog
10月22日は新幹線を使ってベルリンからライプチヒに詣でました。

そのわけは今回の旅の目的の一つ、ライプチヒ大学のヴントの築いた心理学研究室を訪ねること。

残念ながら生理心理学の専門家たちはSPRに来ていて不在でしたが、資料室担当の女性が対応してくれました。

この写真は、ヴントが愛用していた机。

椅子に座し、研究室訪問者記録にも記帳させてもらいました。

Zimmerman社製実験器具は今でも作動するようにメンテ十分。

懐かしい写真やら、古い書籍類、そしてそれらの資料をまとめたCDを買わせてもらいました。

いろんな資料や雑誌などもいただき、本学研究室でも利用できるような教材にしたてたいとおもいました。

授業の関係で、およそ30分ほどの訪問時間であありましたが、とても丁寧に愛想してもらい、気持ちよく研究室を後にした次第。

それにしても、心理学研究棟に辿り着くまでライプチヒ大学校内を歩き回り、行き交う学生に尋ねてもなかなか埒があかず苦労しました。

地図を広げて歩いていると、あの建物ですよと気軽に声をかけてくれた自転車の女性には感謝しなくてはなりません。

いい出逢いの旅となりました。

2009/10/22・記








SPRで発表

2009-10-23 09:04:15 | Weblog
10月21日夜、SPR開催。

オープニングセレモニーの中、会場となった会議場地下フロアにポスター展示。

20年来の研究者仲間たちとレセプションで出会いました。

Wake Forest大学のTerry Blumenthalとその一行さんとも挨拶。

夜の8時から開始されたポスターセッションにも来てくれて、研究談義。

写真はそのときに、連れてきたドイツ人医師にシャッターをおしてもらいました。

そのあと、何名もの共同研究者と名乗る人々を連れてきては紹介してくれました。

なかでも、今回の発表テーマである青色LEDを先行刺激として使ったプレパルス抑制効果(PPI)の実験に興味を抱いてくれたのが、このスナップを撮ってくれたドイツ医師。

彼は果敢に議論も挑んできてくれました。

なぜ青色LEDは赤色LEDよりもPPIが強く表れるのか、視覚ー脳のメカニズムから解明しましょうということで今後もメールなどで意見交換してくれるそうです。

今回SPRでもPPI研究は多く、ざっと数えただけで20件ほど。

そのうち、視覚刺激を先行刺激として扱った実験は私だけでしたが、オーストラリアのLipsさんをはじめ、Grahamの後継者たちが強い関心をもってポスターまで足を運んでくれました。

PPI研究を開始した1976年には、世界で5本の指にはいっていた私でしたが、今日SPRを中心として数百名を超える研究者がPPIを道具として研究するに至っていることを考えると、嬉しいやらこそばいやら。

とてもきもちよい2時間のプレゼンを10時に終え、ホテルに帰ったときには11時をまわっていました。

心地よい疲れとともに、昨夜はぐっすり6時間眠ることが出来ました。

2009/10/22記



出張はSPR-49

2009-10-18 16:24:05 | Weblog
今回のベルリン出張の目的は、SPR-49回大会に参加し、ポスター発表をすることです。

SPRとは、Society for Psychophysiological Researchといって、精神生理学/心理生理学という学問の研究団体としては老舗格の学会。


米国を中心に、ヨーロッパ(ドイツ、イギリスが中心で旧ソビエト、現ロシアを含む)、アジア(日本、中国、韓国など)の心理学・精神医学・神経生理学・ブレインサイエンスを専門とするメンバーが中心。

IOP(International Organization of Psychophysiology)などが後から出来ましたが、SPRが最も古く権威ある学会とされています。

日本語に直せば、「心理生理学会」。米国・カナダで毎年大会が開催されるとともに、4年に一度はヨーロッパで開催。

1960年に第一回大会が開催されました。

私は20年前の1989年にニューオリンズで開催された第39回大会がデビューです。

ワシントン大学セントルイス校のJ.Stern先生から招聘していただいて、シンポジウム「医学・心理学における瞬目研究」で日本の研究の現状を約20分間しゃべりました。

今でも想い出します。ニューオリンズの学会に行くために、サンフランシスコで2泊し、Joh Kamiya先生宅を訪問。

時差ボケまなこでベイブリッジを見学し、ドジャーズ球場や行き交う路面電車をながめ、ごちそうに舌鼓をうった二日間。

で、その翌日。ニューオリンズに向かう飛行機が飛び立ったとたん、サンフランシスコで大地震が発生。

1時間あとの便だったら、飛行機が飛ばないという大変な事態。

でも、その地震に気づいたのは飛行機が飛び立ってしばらくたってから。何やらスチュワーデスがしゃべてる。男の声も何か叫んでいる。

早口の英語で、何がなんだかわからない。ドジャーズスタジアムがどうのこの、空港がどうのこうのというフレーズだけが耳に残っていました。てっきり、ワールドシリーズの結果を言ってるんだ・・・などとおもっていたんですが、それが地震発生と空港閉鎖の連絡だったことが後で判明。

ニューオリンズ空港からホテルに深夜辿り着いて、出前ピザの到着を待ちながら、いっしょに行った仲間(片山君、中山君、中川さん)とバーボンとビールでわいわいテレビを観ていて、、

「あ、地震が起こったんだ。昨日行ったベイブリッジがこけてる」

などと深夜までテレビに見入った次第。

学会では初めてなのでビデオカメラを持参して、有名なスター級研究者の講演やシンポを録画。

そして自分のシンポの前日、ウェイクフォレスト大学のTerry Blumenthalが企画した眼輪筋EMG測定法のワークショップで日本の現状などをしゃべらされ、F.K.Graham教授一門の(当時)若手研究者と親しくなりました。

Stern先生も参加して、EOG(眼電図)記録にのる筋電図の意味をOHPを使って解説されました。

あとで、どうだ、おれの英語、ドイツなまりはなかったかな?と私に質問されました。私に分かるわけもないので、素晴らしいお話でしたと伝えました。

そしてシンポ当日。朝早く食事会を設けてもらい、ボストンカレッジのJoh Tecce教授と、デラウェア大学の精神科医C.N.Karson教授と発顔会わせ。えらい緊張したのを覚えています。添付の写真は、3年前の学会で久しぶりに会ったカールソンとのワンショット。

シンポジウムでは、スライドプロジェクタをスターン先生が自ら操作してくださり、逆さのスライドを戻してもらったりしつつ、なんとか役目を終えたのでした。

あれから20年がたつんだとしみじみおもいつつ、旅の準備です。

今回は地震も台風もテロもない平和な旅になりますように。

2009/10/18・記

生理心理学3回目:脳の働きを測る

2009-10-18 15:18:02 | Weblog
10月16日の生理心理学は、「脳の働きを測る」と題してお話をしました。

3つのキーワードを覚えてくださいと言いましたね。

アルファーブロッキング(α-blocking )、エフエムシータ(Fmθ)、そしてピー300(P300)の3つね。

まず、心の働きは脳の働きと考えることにしましょう。

心理学の目的は、心の働きを予測し、制御すること。

心の働きを知るには、脳の働きをみればいいとなりますね。

では、脳の働きはどのようにして測定することができるのでしょうか。

生理心理学では、生体反応を測定する技術をもちいて、心の働きをみようとします。

いろんな生体反応の中でも、中枢神経系の働きをリアルタイムで観察できればいいでしょう。

脳波測定の歴史をふりかえってみましょう。

19世紀後半の身体の科学的究明の流れに乗って、生体電気現象を観察した多くの研究がなされました。

ハンス・ベルガーがはじめて人間の脳波を記録することに成功したのは1929年のこと。今から80年前です。

ベルガーは、人の脳波は8-10Hzの周波数をもつ波が主たるものだということで、α波と名付けました。

目を閉じていると後頭部から記録される脳波はα波なんですが、目をあけると周波数の高い、振幅の小さな波に変わりました。

これを、αブロッキングと呼んだんのです。

脳の神経細胞が、働いているときにはα波は観察しにくいことがわかりました。

脳波をたくさん頭皮上から計測すると、どの部位にα波が出て、どの部位からα波が観察されないかなどをみると、今現在、その人の脳では、どの部位が活発に働いているかが分かりますよね。

側頭部からα波が消えれば、聴覚が活動している。左半球だったら、言語昨日が活発である。

後頭部からα波が消えれば、視覚処理が活発に行われている。

頭頂部の後ろからα波が消えれば、体性感覚が発生している・・・、といった具合。

こうして脳波のマッピングをとる例を、Fmθという特別な脳波律動を例に説明しました。

Fmθとは、前頭正中線部から観察される、周波数6-7Hzのθ律動で、計算作業などの課題に没頭し集中ている最中にしばしば観察される脳波律動です。

13枚目の図は、脳波を12チャンネル測定しながら、小学生の男の子にテレビゲームで遊んでもらっているときの10秒間の記録です。

4つめの脳波記録(青色の網がかかった部位)が、Fzという部位からの脳波。

10秒間、ずっと、振幅50-100μVのθ律動が出現しつづけているのがわかります。

14枚目の図は、この10秒間の脳波記録を高速フーリエ変換して、周波数分析したものです。

右下には、脳を上からみた12の電極位置に、周波数分析の結果をパワースペクトラムとして布置しました。

丸で囲んだのがFzの領域。6-7Hz成分が鋭く高いパワー値を示しています。

左上の図は、周波数帯域ごとのパワー値を12の部位ごとにプロットし、等高線を描く要領で等電位分布図を作成したもの。

いわゆる、脳波の周波数マッピングというものです。二重丸で示した上中の図(θ帯域)をみると、前頭部にθ律動がかたまって出現している様子がわかりますね。

このようなFmθは、クレペリン検査中にも、バイオリン演奏中にも観察されます。

15枚目の図がそれです。大学生がクレペリン検査をしている最中が左、バイオリン演奏をしている最中が右。

赤く線をひいた箇所が、Fmθ出現部位。いずれもFzでたくさん出現していますね。

16枚目の図は、10名の大学生がバイオリンを演奏している最中、楽譜のどの場所でFmθが出現するかを黒いバーで示しました。技巧が必要な箇所、楽音で酔うような箇所で多くの演奏家の脳波にFmθが出現している様子がみえます。

このように、脳波のある成分を観察しつつけていると、今現在、その脳波を出している人は、どのような状況なのかが推測できますよね。これが脳波を計測する生理心理学の真骨頂です。

さいごのキーワードが、P300.

脳波の事象関連電位、EPRsの一つでs。

測定原理を18枚目の図で示しました。

刺激を与えてから500ミリ秒間の脳波を256回加算する様子が示されています。

刺激時点でそろえて、脳波を加算処理して得られた波形は、刺激によって誘発された加算平均波形なので、平均誘発電位と呼ばれます。

誘発電位は、刺激の認知や注意の出現などといった事象と関連していると推察可能です。

そこで、事象関連電位(ERPs: Event Related Potentials)と呼ばれるようになりました。

ERPsには、刺激の有無や刺激属性(強さや大きさ、長さなど)に対応して出現する外因性成分と、注意や比較判断などの内的事象を反映した内因性成分とに分類されます。

19枚目の図は、オッドボール課題とよばれる課題で観察されたP300と呼ばれるERP成分です。

2種の音刺激を1-2秒間隔で提示します。例えば0.1秒持続する1000Hzと800Hzの純音。提示比率を2:8にすると、高頻度刺激には出現せず、低頻度刺激にだけ出現する成分がこのP300.

ポジティブ(プラス)の電位で、刺激提示から300msあとに現れるのでP300の名がつきました。

注意の集中に関連した電位だとかんがえられています。

21枚目の図はCNV。よーいドンでスタートする陸上競技選手の脳では、このように、よーいからドンまでの間に、ネガティブ(マイナス)電位が発達しています。これを、随伴性陰性変動(contingent negative variation)と呼んでいます。

期待波、注意波とも呼ばれています。

αブロッキング、Fmθ、P300などの特徴ある脳波成分やERPを観察すると、どのような心の働き・脳の働きをリアルタイムにかつ連続的、非侵襲的に観察できると考えますか?

今週金曜日は生理心理学の授業はありません。その間、そんなことを考えて過ごしてください。

では。

2009/10/18・記




いよいよ明日からベルリン入りです

2009-10-18 13:31:08 | Weblog
10月19日(月)からベルリンに出張させていただきます。帰国は25日(日)。

この間、授業等を休ませていただきますので、よろしく。

旅程ですが、明日のうちにベルリンに着きます。

10/19月 11:50 関空発 パリ、チャールズドゴール空港 17:15着(現地時間)にてパリへ。
10/19月 19:00 パリチャールズドゴール空港発、20:40ベルリン、テゲール空港着。

帰りは
10/24土 9:55 ベルリン、テゲール空港発、パリ、チャールズドゴール空港 11:40着。
10/24土 13:55 パリチャールズドゴール空港発、10/25日 8:25関空着

ということです。
座席もオンラインで指定しました。
荷物も一応入れ終わりました。

残った仕事を仕上げて、早々に寝て、明日は10時までに関空入り。

宿泊先ホテルは、ベルリン市内のクラウンプラザ。
インターネット完備というので、ありがたいことです。
blog更新もできることおもいます。

携帯も持参しますので、何か連絡があれば、メールをください。

ではとりあえず。

2009/10/18・記

秋です。インフルです。

2009-10-15 03:04:52 | Weblog
昨日あたりから急に秋らしくなってきました。インフルエンザ本格流行必至です。

青空に秋の草花が映える風景に出くわします。

こんな時に汚い話ですが、今日、柏原の某大学に寄ったら、鼻がむずむず。そのうち鼻水がたらり。

秋の花粉症なんでしょうか。くしゃみも。

熱はないのでインフルエンザじゃないようですが、そういえばここ数年、季節の変わり目にクシャミがでやすくなってきた。

年のせいかもしれませんが、みなさんお気をつけください。

来週月曜日からベルリン出張なんですが、どうも気温は10度前後と薄ら寒い日和とか。

服装がむつかしいですね。

ちなみに、新型インフルエンザ罹患者数は相当なものとなってきています。厚労省発表資料(定点)をみると、先週は日本全国で33万人がインフルエンザとして病院を受診したと推計されています。
多くの死者も報告されています。

外出時のマスク着用、帰宅時の手洗いうがいは慣行したいものです。

2009/10/15・記







PGS-101懇親会で

2009-10-11 13:24:29 | Weblog
PGS-101のあとの懇親会でも服部先生を中心として、円卓囲んで楽しく時が過ぎました。

中華もたっぷり美味しいものでしたが、食べ物がほぼ胃袋に入り尽くしたあたりから、飲み放題のワインへ伸びる手がはやくなるのが不思議。

お隣の席との話だけだったのが、じょじょに服部先生のお話に耳を傾けるようになったのも不思議。

とくに、1996-9年の間の臨教審、保健部会での出逢い、養護教諭が授業をはじめるに至る経緯、心のノート作りの経緯などなど、オフレコの話は秀逸。

懇親会から参加した私の妻も突っ込んだ質問。

楽し宴は、3時間を経てよやく閉幕となりました。

次回PGS102は11月14日土曜日、本学にて1時からの私の講演(社会人ニーズ事業)のあと3時から演習室にて開催。
さらにPGS103は12月12日(土)大野くんの講演(社会人ニーズ事業)のあとの忘年会です。



マーラの分離個体化

2009-10-11 13:14:35 | Weblog
PGS101での服部先生の講演で、M・マーラーの乳幼児発達理論を考察されました。

私はあまり知らない世界なので、興味をもって調べてみたら、服部先生の発達10段階説の初期段階を構成する考え方。

精神分析理論の中でも、エリック・エリクソンの発達理論を修正されたのが服部先生の10段階。

3歳までに子どもは母親から分離するのですが、その間の心の変化を体験することこそが、生涯にわたる発達の基礎になることが強調される理論のようです。

昨日のご講演でも、このあたりの話をたっぷり時間をかけて解説されました。

現代の心理学では、すでに精神分析の理論は古いものとみられがちなんですが、自己理論隆盛の今、深く人生を考える年になった私などはおやっと思う考え方ではあります。

服部先生らしい、とっても優しい理論。

でも、親との訣別は絶対必要よとおっしゃる精神科医服部祥子らしい取り上げ方とみました。

写真は、マーラーの発達理論について板書で解説される服部先生のお姿。

2009/10/11・記

PGS-101開催

2009-10-11 12:38:52 | Weblog
10月10日、PGS研究会の101回目の研究会を開催しました。

1時からたかつガーデンで開催。

服部先生の講演は、「不登校児の理解とサポート~不登校を明日への糧にして~」と題するもの。

まず、不登校の用語・概念を整理していただきまいた。

ついで、不登校の分類が、文科省によるタイプわけ、高木隆郎による症状と経過による分類が紹介されました。

服部先生がこれまで不登校児ととりくんでこられた歴史もたっぷり。

お得意の生涯発達の観点から、不登校児を理解するための基準や、対応のしかた話も。

葛藤群、未熟依存群、未熟攻撃群、学習困難群、精神疾患群の5分類も紹介されました。

大教大時代(1985ー1994)のLOVE作戦の考え方や成果はわくわくするものでした。

最後にPGS研究会にあわせて、不登校児童への対応についてストレスマネジメントとの関係図も紹介してもらいました。

休憩のあと、坪田先生、村上先生から指定討論。

坪田先生からは、各分類によって具体的にどのような対応が考えられるのかの質問。

村上先生からは養護教諭の立場からの意見が出されました。

さらに古角先生からは、事例が出され、どういった対応が可能かなどが議論された次第。

私はさらにすすんで、服部先生が関わられた中教審などで検討され1999年頃からはじまる「心の教育」を中心とした指導要領の成果について、今日の学校の様子への認識が必要ではないかと問いかけさせてもらいました。

心の教育、心のノート、学習内容の簡易化、スクールカウンセラー導入、養護教諭による授業などなど、ここ10年間の変化は、現在の子どもにどのような影響を与えたのか考えるよい機会となりました。

高元先生は用事があって議論には参加できませんでしたが、大野先生がそれに代わるように参加。

最後に記念写真を撮ってお開きとなりました。


2009/10/11・記



などの整理のあと、歴史

生理心理学03:2つの脳

2009-10-10 00:43:31 | Weblog
生理心理学3回目の今日は、2つの脳と題する脳の話でした。

つい先日、ノーベル生理学医学賞の受賞者が決まったばかりなので、そのあたりの話題から話を始めました。

今日の主役はスペリー先生。

てんかん患者が脳梁切除術によって、てんかん発作の反対側への波及を食い止めることに成功。

ところがトラブル続出。まるで脳に二人の人格が備わったような行動異常が現れる事例が・・・・

視覚の経路をみると、網膜の左右が反対側視野と一致し、しかも右網膜からの情報はすべて右半球視覚野へ行ってます。

スペリー先生とガザニガ先生は、こうした解剖学的な特徴を利用して、脳梁のない分離脳患者の右半球だけに情報を提示したときの様子を観察。

今日は言い忘れましたが、一瞬だけ視覚刺激を提示する装置は、タキストスコープといいます。

タキストスコープを使うと、50ミリ秒以内の短い提示時間が可能。目はそんなに早く動けないので、左視野に提示された刺激は確実に右網膜だけに照射され、右半球だけにはいっていくわけ。

こうして、スペリー先生は、ノーベル生理学医学賞を1981年にとる貴重な資料を幾重にも得ることができたのです。

神経心理学者ガザニガ先生は、いまも現役の教授として活躍されています。

みなさん、神経心理学っておもしろいとおもうでしょ。

で、最後のスライドは、今日使わなかったもので、課題の回答のような疑問を取り上げました。

では!

2009/10/10・記


台風接近

2009-10-07 19:44:02 | Weblog
台風18号が近畿に接近中です。

本学では、明日10月8日は、警報解除の有無にかかわらず、前面休校となりました。

明日は朝から一日閉鎖です。

絶対に大学に来ないでください。

自分の住んでいる地域で、安全を確保してください。

まともです。昨日の今頃の進路予測と比べてみてください。ほぼ、予測通りの展開です。

大阪、本学は進路上です。我が家も危険・・・

いや、こんなに強い台風の上陸は、久しぶりですね。

写真のような力強い仁王様に吹き飛ばしてもらいたいものです・・・

2009/10/07記





PGS-101のご案内

2009-10-06 22:05:34 | Weblog
来る10月10日の午後1時より、たかつガーデンにてPGS研究会の第101回研究会を開催します。

当日は、服部祥子先生による講演と、PGSメンバーによる討論が企画されています。

ふるってご参加ください。

案内ビラを添付します。

2009/10/6・記


虚偽検出とは何か?中山先生3年ゼミに

2009-10-06 08:29:23 | Weblog
虚偽検出とは何か?・・・・

10月2日金曜日の3年次生ゼミに、関西国際大学の中山誠教授が参加してくださいました。

研究の打ち合わせでみえたついでに、3年次生のゼミで話をしてもらいました。

中山先生は、この3月まで静岡県警察本部の科学警察研究所で精神生理学的虚偽検出の専門官として奉職しておられました。

実は私の長い研究仲間。PPI研究の初期のことです。

1980年の英文論文と、1983年の日本語論文(心理学研究)の共著もあるくらいです。

Yamada, F., Yamasaki, K., Nakayama, M., & Miyata, Y. Distribution of eyeblink amplitude recorded by an electrode hookup : Re-examination. Perceptual and Motor Skills, 1980, 51, (1), 1283-1287.

山田冨美雄・中山 誠・宮田 洋 反射喚起と先行刺激抑制効果の独立性:ヒトの驚愕性瞬目反射を指標として.心理学研究, 1983, 53, (6), 383-386.

また、平伸二・中山誠・桐生正幸・足立浩平(編)「ウソ発見:犯人と記憶のかけらを探して」(北大路書房、2000年)では、分担執筆させてもらいましたよね。

で、今回は、ポリグラフ検査の実際をお話いただきました。

A新聞社支所爆破事件や某殺人事件の容疑者の実例の話など、臨場感あふれるお話を交えた生理心理学の応用実例を熱くかたってもらいました。

SCR(皮膚電気伝導反応)や、脈波、血圧、呼吸をみているだけで、どのように真犯人しか知り得ない事実を発見することができるのか、よく勉強できたはずです。

3年ゼミ生諸君は、新生理心理学2巻の中山先生執筆原稿には目を通していたようで、理解している様子ではありましたが、どうでしたか?

卒論を来年に見据えて、これから論文読みに励んでもらうのですが、まずはポリグラフ検査に興味をもった人は、最新の生理心理学と精神生理学の特集号をみなさいというお話でしたね。

今週のゼミでは、各人に、論文を1つ渡す予定です。楽しみにしておいてください。

ぜひがんばって読み進めてください>T君!!

写真はその後、PPI研究で卒論を書くAさんなど研究仲間と岸辺のそばたつで懇親会をした後の記念写真でした。

2009/10/06・記