砂 電 車 の 冒 険 ( 2-8)
“ザァブーン、ザァブーン”打ち寄せる波音に誘われるように、海人君が浜辺に目をやると、砂電車をつくっていた砂浜に白兎駅のホームが現れ、アヒルのくちばしのような形をした砂のミニ新幹線700系の先頭車両が、屋根に黒く光る太陽電池パネルを載せて停まっていました。
「お爺さんの話は本当だったんだ!」
海人君が新幹線に向かって一目散に走り出すと、奈美ちゃん、渚君そしてチロも後を追ってきました。
「ワ~スゴイ!」
みんなは目を丸くして砂の新幹線を見つめました。
「奈美、渚、乗ってみようか?」
海人君はチロを脇に抱えると、さっそく新幹線に乗り込みました。
運転席に座った海人君の前には、操作レバー、モニター画面、計器類などがたくさん並んでいます。
「これが発進レバーとブレーキ、これはスピードメーター?」
一つ一つ興味深そうに確かめていきます。
「お兄ちゃん、早く出発しようよ!」
渚君は待ちきれない様子で海人君にせがみます。
「お兄ちゃん、運転大丈夫?」
奈美ちゃんは少し心配そうに言いました。
「大丈夫、大丈夫」
海人君は奈美ちゃんの不安を振り払うように“ニッコリ”答えました。
「奈美、遊び道具も持って行こうよ!」
海人君はスコップやバケツなどを積み込むと、渚君と奈美ちゃんを補助席に座らせました。
「奈美、渚、何処に行こうか?」
「鳥取砂丘に行ってみたい!」
奈美ちゃんは遠くに見える砂丘を指差しながら言いました。
「砂電車(砂の新幹線700系)砂丘に向かって出発します」
発進レバーを引こうと海人君が前方を見ると線路がありません。
海人君はズボンのポケットから砂時計を出すと、両手で握りしめ
「鳥取砂丘まで行かせてください。お願いします」
目を閉じ静かに砂時計を3度振りました。
海人君が目を開くと前方に砂の線路が現れ、砂丘に向かって遠くかすんで延びていました。
海人君は砂時計を運転席の前にセットし発進レバーを静かに引きました。すると砂電車は滑るように白兎駅のホームを離れ砂丘に向かって静かに走り出しました。

“ザァブーン、ザァブーン”打ち寄せる波音に誘われるように、海人君が浜辺に目をやると、砂電車をつくっていた砂浜に白兎駅のホームが現れ、アヒルのくちばしのような形をした砂のミニ新幹線700系の先頭車両が、屋根に黒く光る太陽電池パネルを載せて停まっていました。
「お爺さんの話は本当だったんだ!」
海人君が新幹線に向かって一目散に走り出すと、奈美ちゃん、渚君そしてチロも後を追ってきました。
「ワ~スゴイ!」
みんなは目を丸くして砂の新幹線を見つめました。
「奈美、渚、乗ってみようか?」
海人君はチロを脇に抱えると、さっそく新幹線に乗り込みました。
運転席に座った海人君の前には、操作レバー、モニター画面、計器類などがたくさん並んでいます。
「これが発進レバーとブレーキ、これはスピードメーター?」
一つ一つ興味深そうに確かめていきます。
「お兄ちゃん、早く出発しようよ!」
渚君は待ちきれない様子で海人君にせがみます。
「お兄ちゃん、運転大丈夫?」
奈美ちゃんは少し心配そうに言いました。
「大丈夫、大丈夫」
海人君は奈美ちゃんの不安を振り払うように“ニッコリ”答えました。
「奈美、遊び道具も持って行こうよ!」
海人君はスコップやバケツなどを積み込むと、渚君と奈美ちゃんを補助席に座らせました。
「奈美、渚、何処に行こうか?」
「鳥取砂丘に行ってみたい!」
奈美ちゃんは遠くに見える砂丘を指差しながら言いました。
「砂電車(砂の新幹線700系)砂丘に向かって出発します」
発進レバーを引こうと海人君が前方を見ると線路がありません。
海人君はズボンのポケットから砂時計を出すと、両手で握りしめ
「鳥取砂丘まで行かせてください。お願いします」
目を閉じ静かに砂時計を3度振りました。
海人君が目を開くと前方に砂の線路が現れ、砂丘に向かって遠くかすんで延びていました。
海人君は砂時計を運転席の前にセットし発進レバーを静かに引きました。すると砂電車は滑るように白兎駅のホームを離れ砂丘に向かって静かに走り出しました。
