誰も知らない南の島

いつか南の島にいきたい

バトル・ロワイヤルで見たコウの眼差し

2006年02月05日 | 夜明けには早すぎる
バトル・ロワイヤルで見た柴咲コウの眼差しが忘れられない。

菅原紋太を見出し仁義なき戦いを撮った深作監督が選んだ、この女優には何かがあった。紋太を知らないひとには、この夏の傑作、妖怪大戦争の主人公麒麟送子のおじいちゃん役で赤飯を食べていた人だといえばわかるだろう。

バトルをみていた時には、コウが持っているものが何であるかわからなかった。
それがわかったのはメゾン・ド・ヒミコでのヒミコの娘役を演じるコウを見たときだ。

すっぴんのコウは、けなげで、はかなく、まちがいなくかわいい。バニーガールにはなれなかったけれど。

そのコウが手塚治虫のどろろに出演する。役は、もちろん、どろろだ。



映画は戦場だ 深作欣二in「バトル・ロワイアル」

ジェネオン エンタテインメント

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ベニスの商人

2006年02月05日 | 夜明けには早すぎる
この指輪を誰にも渡さないでとポーシャは念を押した。
それなのに夫は年若いローマの法学士に指輪を渡してしまう。
夫には法学士に借りがあった。

正義と慈悲の天秤はどちらに傾くこともできない。
まして、法学士にとって正義は絶対である。
そして正義とは契約を守らせることだ。

法廷には公証人立会いの契約書があった。
商業都市ベニスにおいてユダヤ人は金融面で大きな役割をはたしていた。
だからこそ、なによりも契約を守る都市でなければならなかった。
その契約が、人肉一ポンドであろうとも。

しかし、法廷に訴えたのは異教徒であった。
そこに、法学士の勝機がありえた。

裁判から帰ってきた夫に、妻は指輪の行方を尋ねる。
指輪は、人が最初に作った円環であり、終わりなき時、永遠を意味した。
指輪を失うことは、恋の終わり、心変わりを意味する。

しかし、もちろん、指輪はポーシャの手元にあったのだ。
そして、シャイロックの娘もまた、母から父へ渡された由緒ある指輪を大切にしていた。

映画のなかのシャイロックの娘は、決して父を見捨てていなかった。
いや、心は父とともにあった。




演劇でのベニスの商人は下のDVDで見ることができる。
Merchant of Venice (2001) (Ws Dol)



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