食品のカラクリと暮らしの裏側

食品の安全・安心が総崩れ、また政治・社会の矛盾や理不尽さも増大
暮らしの裏側の酷さやまやかし、危険性・不健全さに迫る!

日比谷・銀座・秋葉原・浅草を通る東京オリンピックのマラソンコースは冷せない/東京五輪の危うさR5-2

2021年04月23日 | 東京五輪の危うさ
Oiympictp2 少数派シリーズ/東京オリンピックの危うさVOL.50
ROUND5 猛暑マラソン編 2 <選手や観客に熱中症死の危険>
日比谷・銀座・秋葉原・浅草を通る東京オリンピックのマラソンコースは冷せない

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ブログを移転したため、投稿日と記事の日時・状況と整合性がありません。記事は2014年8月、旧ブログに投稿したものです。アスリートファーストの尊重は微塵もなく、政治家・経済界・五輪関係者などは己の思惑・利益・保身のために、東京オリンピックの悪用が目に余ります。年月が経過しても、ブログにてその検証や事実を残しておく必要があると考えます。

■選手は言葉はではなく本当に「命を懸けて」、走破しなければならない
FIFA(国際サッカー連盟)ブラッター会長(当時)は、「スタジアムは冷せても国全体は冷せない」とのコメントを出しました。日中40度℃以上にもなるW杯カタール開催の時期を、冬にすることが決定(2015.3/追記修正) されました。投稿者は、会長コメントに引っ掛け「室内競技場は冷せても、東京オリンピックのマラソンコースは冷せない」と言いたかったのです。気温が上がりにくい塗装をした舗道、コースの大半にミストのシャワー装置を置く対策をするとしていますが、いやいや東京の暑さはそんな次元ではないのです。

選手は新国立競技場から1歩出た途端、炎天下のマラソンコースが待ち受けています。新国立競技場⇒東京ドーム⇒皇居⇒日比谷⇒銀座⇒秋葉原⇒そして浅草で折り返すコースです。女子が2020.8.2(日)、男子が最終日の8.9(日)にレースが行われます。スタートは朝7時半(2019.4修正 6時に変更)とはいえ、最悪、女子は9時頃まで灼熱の中で、言葉の“命懸け”ではなく、本当に「命を懸けて」、走破しなければなりません。熱中症どころか、死ぬ恐れがあります。

■暑さはもちろんのこと突然のゲリラ豪雨・猛烈な台風が来たらどうするのか
この時期は午前中でも実際に35℃を越えることも多く、アスファルトが暑さを増幅させます。一方、猛烈な台風・突然のゲリラ豪雨が来たらどうするのでしょうか?男子のレースは最終日なので、閉会式(8.9、21時~)を終えて、翌日に順延でしょうか?日本独特の気候がある以上、無視すべきではありません。皆様も毎年、8月、2・9日が来たならば、午前中の暑さを体感し、「真夏の東京オリンピック」に意義があるのだろうか?と、お考え下さい。


時事川柳  【2018.8.8放送分】
川柳は、TBSラジオ「荒川強啓デイ・キャッチ!」で放送されたリスナーからの内容
説明部分は、投稿者による見解です。

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二時間じゃ なくて二か月 ずらしゃいい
森大会組織委員長は、東京オリンピックの期間中(2019年も)に限り
暑さ回避の対策として、時計を2時間早める「サマータイム」の導入を安倍首相に要請した
森会長は時計のネジを回せば簡単に済むご様子だったが、全く感覚がずれている

句の「二か月」とは、前回1964年と同じく10月に開けば涼しく
選手も観客もベストコンディション 時計もずらさなくてよい

航空・鉄道ダイヤ、電気・ガス・水道、民間企業など、もはやコンピューターによって制御されている
切り替え時にトラブルが起これば、
ライフラインのストップなど市民生活が滅茶苦茶になり、将来の危機にも及ぶ

不慣れなことから観客が時刻を間違え見られなかったり、選手は遅刻して失格になるかも?
森会長は、何サマー(様)と思っているんだろ!

<追記2018.8.10> ある試算によるとシステム作りに官民で1兆円規模、体調が慣れるのにも2~3週間掛かる。慣れた途端に大会が終わり、同じことの繰り返し。イギリスの例では事故が10%増加・ロシアでは救急患者が増加、寝不足・体調不良によるもの。そもそもオリンピックのためにサマータイムを設けるのは、動機が不純。百害あって一利なし。

*その後サマータイムは撤回されたが、悪い癖の思い付き発言は無責任

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唖然!2020東京五輪期間中は温暖で選手に理想的とIOCへの計画書に/東京五輪の危うさR5-1

2021年04月23日 | 東京五輪の危うさ
Oiympictp2 少数派シリーズ/東京オリンピックの危うさVOL.49
ROUND5 猛暑マラソン編 1 <選手や観客に熱中症死の危険>
唖然!2020東京五輪期間中は温暖で選手に理想的とIOCへの計画書に

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オリンピック募金切手のご案内・第5次(自転車) 1963年発行

ブログを移転したため、投稿日と記事の日時・状況と整合性がありません。記事は2014年7月、旧ブログに投稿したものです。アスリートファーストの尊重は微塵もなく、政治家・経済界・五輪関係者などは己の思惑・利益・保身のために、東京オリンピックの悪用が目に余ります。年月が経過しても、ブログにてその検証や事実を残しておく必要があると考えます。

■2010-2020年まで大会期間中の気温をチェック!図表化する暑い?作業敢行
このカテゴリ「猛暑マラソン編」は、東京オリンピック開催期間中の猛暑の酷さについてお伝え致します。気象庁観測(大手町→北の丸公園へ移設)のデータを参考に、“観測史上最も暑い夏”と言われている2010年から開催年の2020年までの11年間、期間中の7/24~8/9の温度(最高・最低)・湿度をピックアップ・図表化していきます。いやはや、生活するだけでも大変な温度・湿度です。「アスリートファースト」(選手第一主義)を掲げる東京オリンピックなのに、全く選手のコンディションを考えていないことが分かります。非常に重要なことですが、ある市民団体が、招致委員会がIOC委員会に提出した開催計画書に、「この時期は晴れる日が多く、かつ温暖でアスリートに理想的な気候」と記してあることをスッパ抜きました。何でこれが“温暖”・「理想的」と言えるのでしょうか! 東京五輪の危うさシリーズ第2のポイントです。

■マラソンは早朝7時スタートでも午前中に35℃に達する予想
投稿者の温度計測はもう1つ、8/2女子マラソン・8/9男子マラソンに当たる日の午前中の温度(1時間単位)を追跡します。コースは、あえて銀座や浅草のど真ん中を走らせるため、ビルが密集しビル熱・高熱のアスファルト上では、気象庁の温度より10~15度以上アップすると思われます。8月上旬からお盆に掛けて、最も猛暑に差し掛かる時期です。たとえ早朝のスタートでも、東京はこの時期、朝から30℃になっており、午前中でも35℃を超えており、湿度も高いので厳しいコンディションです。かつて8月後半の北海道マラソンでは、湿気が少なく30℃程度(もちろんマラソンでは厳しい)でも、300人以上のランナーが熱中症で搬送されました。オリンピック選手と素人ランナーでは、走る能力は雲泥の差でも耐え得る気温はいっしょです。東京オリンピックのマラソンレースは、懸念されます。

環境省熱中症予防情報サイトの「暑さ指数」に照らすと、期間中の6~7割に当たる日が運動中止(原則運動中止・厳重警戒)が警告される日でした。どうみても、アスリートファースト・観客ファーストとは思えません。オリンピック本来の主旨は二の次・三の次で、国も都も経済オンリー・政治権力の維持拡大の目的が東京オリンピックの招致だったことが見て取れます。マラソンは、観客数が100万人以上と言われています。混み合う中で応援する観客は夢中になり、熱中症者が続出すると見られます。レース中は、場所柄、素早く救急車が救助に向えない大欠陥が存在します。東京大会の招致に歓喜した方も、今では冷静になってマラソンに危惧する人が急増しています。過酷な猛暑マラソンは、冗談ではなく選手を始め観客も熱中症死が予想されます。

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新国立競技場建設作業の若者を過労自殺に追い込んだオリンピック悪を糾す/東京五輪の危うさR4-10

2021年04月22日 | 東京五輪の危うさ
Oiympictp2 少数派シリーズ/東京オリンピックの危うさVOL.48
ROUND4 新国立競技場 (白紙撤回後の変更デザイン)編 10
新国立競技場建設作業の若者を過労自殺に追い込んだオリンピック悪を糾す

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ブログを移転したため、投稿日と記事の日時・状況と整合性がありません。記事は2017年3月、旧ブログに投稿したものです。アスリートファーストの尊重は微塵もなく、政治家・経済界・五輪関係者などは己の思惑・利益・保身のために、東京オリンピックの悪用が目に余ります。年月が経過しても、ブログにてその検証や事実を残しておく必要があると考えます。

■国家的行事でも労働者の命と健康が犠牲になることはあってはならぬ
東京オリンピックメイン会場の新国立競技場建設作業を行っていた、大成建設下請け会社の男性(23歳)が2017年3月に自殺しました。直前の残業が月200時間を超え、2か月前も143時間(数値は残業過少申告の可能性あり)、実態はより酷い状態による過労自殺が原因です。男性は前年に入社したばかりにも関わらず、現場監督を任されました。加重労働の他に、現場責任者として厳しい管理を要求され、工事遅れのストレス、さらにはベテラン先輩から「死ね」 「使えねー(奴)」など大声で罵声・罵倒され続けました。騒がしい工事現場でも、離れた場所の別会社作業員にも聞こえるほどだったそうです。男性はその後、行方不明になり、長野県で遺体が発見されました。近くに遺書が残され、「身も心も限界な私はこのような結果しか思い浮かびませんでした。家族、友人、会社の方、本当にすみませんでした。私をどうかお許しください。」

新国立競技場は、杜撰な計画が白紙撤回されたため、当初計画より1年余遅れで着工し、急ピッチで工事が進められています。男性のご両親は「工期の遅れを取り戻そうとして、厳しい管理を要求されていたのだと思います。同じように、過労で命を落とすような人を出したくない。」とのコメントをされました。ご両親は、どれだけ無念だったでしょうか。この背景に、あえて昔の言い方をすれば、「世紀の祭典」~東京オリンピック開催に、工事現場では多くの労働者が長時間労働を余儀なくされています。国家的行事だからといって労働者の命と健康が犠牲になることはあってはなりません。また建設業界そのものがブラック企業化し、作業員の使い捨てが顕著です。また入社1年目から過剰な責任を負わす、最初からベテラン社員並みの仕事を新人に要求することは、電通女性が自殺した状況と全く同じです。人間を人間と思わぬ行為・ブラック化が、日本中に蔓延しているのです。

■前回1964年のオリンピック工事では100人以上の作業者が亡くなった
担当の川人弁護士は言葉を強め、次の見解を示しました。「人間の生理的限界をはるかに超えた、常軌を逸した時間外労働だ。男性が死亡した後も、業者や関係機関が痛苦な反省の上に改善措置をとっているとは言いがたい。使用業者はもとより、元請け、発注者、さらに東京オリンピック・パラリンピックの組織委員会、東京都、政府関係機関は、この労働者の深刻な実態を直視すべきだ。労働者が犠牲になることは、断じてあってはならない。また、会社をはじめ、この工事に関与しているすべての皆様方が、働く者の命と健康を守るために力を尽くして頂きたいと思います。」 ここからは、投稿者の感想です。亡くなった彼は、2020年を楽しみにしていたかもしれません。でもご両親は、3年後に新国立競技場で開かれる開会式をどう思うのでしょうか。

投稿者として、かつて読んだ書籍「オリンピックの身代金」 著者:奥田英朗 をご紹介します。TVでもドラマ化され、主役の刑事を竹野内豊、テロリストを松山ケンイチが演じています。前回1964年の東京オリンピック直前のストーリーで、開会式の最中に国立競技場を爆破しようとする犯行予告が届き、警察組織・刑事達とオリンピック妨害犯行を実行しようとする犯人との攻防です。痛烈なテーマがあり、①国家行事をお題目に工事作業者への過酷な要求(虫けら状態) ②オリンピック開催に沸く東京と搾取され貧困にあえぐ深刻な地域格差や貧富の差 ③東京だけが富と繁栄を享受するのは断じて許されない ④日本にオリンピックを開催する資格はない~と犯人は疑問と憤りを抱き、国立競技場の爆破に挑みます。当時も突貫工事の連続で、分かっているだけで100人以上の作業者が亡くなっています。考えれば、半世紀たったにも関わらず、背景は少しも変わっていません。投稿者自身は“爆破行為はしません”が、共感するところは多々あります。

■ザハ案のまま進めば突貫工事事故による多くの作業者が死ぬことに
Web上には、当初決定の「ザハ案なら今回の若者は死なずに済んだ」は、全くの間違いです。厳密に言えば、当該男性は死ななかったかもしれませんが。言わんとすることは、ザハ案では建築難易度が高く、到底、“開会式に間に合わず”、別の多くの作業者のストレス過労死、無理な突貫工事によって重大事故がおき多数の死者が発生したと推察されます。ザハ案は建築物ではなく、ひと言で言えば長さ300m級の大型橋梁です。一般的にこの規模の橋は、10年前後掛かります。巨額もさることながら、数年では無理なので白紙になったのです。今回亡くなった若者は、元凶をたどれば文科省や下部組織が建築不可なザハ案を選定、森五輪組織委員会長の一連の不手際の影響です。これらによって、建設予定が遅れに遅れたしわ寄せです。オリンピックを政治の道具にしか考えない連中、ゼネコンは自分達の言いなりの金額で受注するも下請けには余分な金は回さずただただ儲ける姿勢。結局、下請け企業、とりわけ若者・弱者にしわ寄せが及ぶのです。過労自殺はやるせない・・・

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新国立競技場は五輪後どんな競技目的にするのかの方向もなしに建て始めた/東京五輪の危うさR4-9

2021年04月22日 | 東京五輪の危うさ
Oiympictp2 少数派シリーズ/東京オリンピックの危うさVOL.47
ROUND4 新国立競技場 (白紙撤回後の変更デザイン)編 9
新国立競技場は五輪後どんな競技目的にするのかの方向もなしに建て始めた

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ブログを移転したため、投稿日と記事の日時・状況と整合性がありません。記事は2016年2月、旧ブログに投稿したものです。アスリートファーストの尊重は微塵もなく、政治家・経済界・五輪関係者などは己の思惑・利益・保身のために、東京オリンピックの悪用が目に余ります。年月が経過しても、ブログにてその検証や事実を残しておく必要があると考えます。

新国立競技場、最後の検証です。新国立競技場デザインコンペは、決定した隈研吾氏のA案には大成建設+梓設計、B案は竹中工務店・清水建設・大林組+日本設計の構成でした。本来は設計と施工は別々に分離させるのが正規でも、工期が短いことを理由に、最初から両者をタッグ(一括)させた入札です。そのため優秀な建築デザイン者であっても、施工会社と組まなければ応募できない、建設会社ありきのインチキな入札だったのです。言わば、「談合」に近い決め方でした。遠藤五輪担当大臣は1,500億円を切る総工費に絶賛したが、感覚がずれています。騙されては、いけません。2グループの大手建設会社のみの入札から競争原理が働かず、政府の要求水準に従っただけの、辻褄合わせの入札に過ぎません。

新国立競技場は、開会式と主に陸上競技に使われます。しかし将来、どんな使い方をするかを全く決めないまま、建設に入ってしまいました。世界のすう勢は、陸上競技は陸上専用競技場、サッカー・ラグビーなどは球技専用球場と別々のスタイルの競技場で行っています。陸上競技場でサッカー・ラグビーを行うと、トラックの影響で選手やプレーを間近で見られず不評なのです。そのくせ陸上競技を主体にと言いながら、肝心な練習用サブトラックがありません(オリンピック時は数億円掛けて仮設する)。常設サブトラックがないため既に旧国立の頃から、そして今後も世界陸上や日本陸上選手権などの大きな大会は新国立競技場では開けないのです。何を考えているのか、極めて矛盾しています。

芝1つを取っても、陸上競技はハンマー投げ・槍投げの着地点を明確にするため、天然芝が義務付けられています。一方、サッカーなどは芝生のコンディションで勝敗が決する・選手の怪我防止・天然芝の養生が大変な観点から、天然芝と樹脂の人工芝を混合した「ハイブリッド芝」が多くなっています(1本1本・人工のやや長い芝に天然芝を巻き付かせたもの)。競技場の形状や芝などの問題から使いにくく、東京オリンピック後に大改造しなくてはならなくなるでしょう。無駄の連鎖です。本来なら、最初から陸上競技専用にするのか(サブトラックの常設)、サッカーやラグビーの専用球場にするかを決めておくべきだったのです。2012年から3年間の右往左往のツケが、将来、回ってきます。

元はと言えば、失敗した2016年大会を東京に招致の際、東京湾岸エリアに都の予算で「メイン競技場」を建てる計画でした。それを踏襲しておけば、一連のこんな“新国立ドタバタ劇”は起こらなかったのです。例の森組識委会長が圧力を掛け、変更させたのでしょう!?なお東京オリンピック後は、新国立競技場は民間に移管するそうです。それによる新国立のネーミングライツ(企業の冠を付ける)を、進めるでしょう。味の素スタジアムの向こうを張って、ライバル調味料メーカーによって「ミツカンポンズスタジアム」になったらどうしよう?(笑) 将来、陸上競技あるいはサッカーやラグビーの球技専用に改修するかはともかく、スポーツの聖地なので、現在の正式名に近く・凛々しい「(企業名)+霞ヶ丘競技場」を残して欲しいですね。

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新国立競技場・杜のスタジアムでも山から切り出された純木を使っていない/東京五輪の危うさR4-8

2021年04月22日 | 東京五輪の危うさ
Oiympictp2 少数派シリーズ/東京オリンピックの危うさVOL.46
ROUND4 新国立競技場 (白紙撤回後の変更デザイン)編 8
新国立競技場・杜のスタジアムでも山から切り出された純木を使っていない

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ブログを移転したため、投稿日と記事の日時・状況と整合性がありません。記事は2016年2月、旧ブログに投稿したものです。アスリートファーストの尊重は微塵もなく、政治家・経済界・五輪関係者などは己の思惑・利益・保身のために、東京オリンピックの悪用が目に余ります。年月が経過しても、ブログにてその検証や事実を残しておく必要があると考えます。

新国立競技場の検証3回目は、「使用木材」です。杜のスタジアムとネーミングされ、決定デザインも、神宮の高い森に囲まれています。皆様は、山から切り出された木材をふんだんに使った競技場と思っているかも知れません。競技場の外郊(周辺)の木々は“本物の木”(純木)でしょうが、競技場の骨格を為す木々は、そうした木材ではないのです。木(気)になりますか?案外、皆様も日常でご覧になっていますよ。1つが、金属板と天然木を張り合わせた「燃えない木」(不燃材)です。2つめが小さな木片を集めて接着剤で固めた「集成材(しゅうせいざい)」です。もちろんどちらも、元を質せば山から切ってきた木材には違いないですが、純木をそのまま使うということではありません。

まず「不燃材」は表面が天然木を使っていても、染織質シートを介して3層になっており、深層は金属です。防火用・不燃材として、航空機・九州豪華列車「七つ星」・エレベータの内装、あるいはコンサートホールなどに使われています。木目の美しさ、厳粛な木造壁と思えども、内部は金属なのです。イメージが、崩れてしまったですかね。防火機能に加え鉄筋並みの強度があり、不特定多数が利用する場所には必ず使われます。もちろん新国立競技場の基礎骨格は鉄筋やコンクリートが主でも、内装や重厚さが必要な部屋・箇所にはこうした木が使われます。山から切り出されたばかりの木材ではないものの、強度・不燃・気持ちが落ち付く木目模様など、全てのバランスがとれた“木材”です。

次に「集成材」は、多数の小さな木材・間伐材を接着剤で再構成した木材です。ごくごく簡単に言えば、かつては王選手やメジャーリーグの選手が使っていた“圧縮バット”のようなものです。これも、コンクリートと同じぐらいの強度があります。現在では、一般住宅の柱や梁(はり)に使われています。それどころか、全国の神社・仏閣、城、中には東大寺・大仏殿にも採用されています。純木は歪みや腐食が心配されますが、集成材は強度はもちろん乾燥・劣化などの変形や割れを防ぎ、加工もしやすいのです。今や純木は費用も高く、実質の日本の住宅は集成材が多いのです。さて新国立競技場は、純木・不燃材・集成材などが混じり合った、「ミックス杜のスタジアム」です。

ここからは、「会場の構造」です。冷房設備は100億円以上を要すため、現時点では設置しないことです。そのため夏場の暑さ対策・芝生の養生から、客席が3層構造になっていることを利用して、階層の隙間から風が通り抜ける設計にしています。また屋根の最上部に大型の風取り込み口を設け、風速・風向きによってコントロールするそうです。ただ陸上選手の100m競走や槍投げなどは、風が記録を左右するため、大変、神経を使う競技場になりそうです。決定案の競技場デザインを、思い出して下さい。屋根の手前(左側)が、はがれて?います。作り忘れたのではありませんよ(笑)。方向では南側に当たり、芝の養生の関係から大胆に陽が当たるように設計されたものです。

客席3層構造の欠陥は、3階部分の客席は最大斜度34度だそうです。スキー体感なら、この角度は“絶壁”(垂直)です。またスキージャンプ台のアプローチが、35度だそうです。そのため成人でも上がり降りが大変で、また恐怖感を感じるでしょう。ザハ案の際、投稿者は冗談半分に、8万人を埋められるのはポール・マッカートニーとAKB48だけと申し上げました。まさか隈さんがマイブログを読んだとは思えませんが、3層構造を利用したコンサート方法を提示しています。大物以外でも開けるように、1階部分だけ開場ならば1.5万人収容、2階までは計3.15万人(2階1.65万人)、3階フルなら合計6万人(3階2.85万人)の使い分けができるそうです。そううまく、いくのでしょうか?

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新国立競技場は工期優先「ショートケーキ工法」と「プラモデル工法」で建てられる/東京五輪の危うさR4-7

2021年04月21日 | 東京五輪の危うさ
Oiympictp2 少数派シリーズ/東京オリンピックの危うさVOL.45
ROUND4 新国立競技場 (白紙撤回後の変更デザイン)編 7
新国立競技場は工期優先「ショートケーキ工法」と「プラモデル工法」で建てられる

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ブログを移転したため、投稿日と記事の日時・状況と整合性がありません。記事は2016年1月、旧ブログに投稿したものです。アスリートファーストの尊重は微塵もなく、政治家・経済界・五輪関係者などは己の思惑・利益・保身のために、東京オリンピックの悪用が目に余ります。年月が経過しても、ブログにてその検証や事実を残しておく必要があると考えます。

新国立競技場の検証2回目は、「建設工法」です。工期が確約できる根拠、その技術を説明します。前回、ザハ案が決定された際、落選した他のデザインも斬新さが目立ちました。しかし今回はA案・B案とも、デザインは異なっても基本的な構造は同じような設計でした。建築専門家は、工期や総工費にかなり制約があったため、誰が設計しても自ずと似たような形になったと言います。特に隈研吾氏の決定案は、「同一フレームをシンプルに組み合わせた構造」に徹しています。つまり競技場として、普通の技術・今まで確立した工法・可能な限り同じ部品を使うことにしているからです。絶対、失敗ができない条件(工期・総工費)を鑑みて、冒険しない設計案として選ばれたと言えそうです。

「杜のスタジアム」として木を大胆に使用も、骨格部分は建築しやすい2つの工法で行われます。1つは、既号でご案内した建築エコノミストの森山高至氏によると、「ショートケーキ(ピザ)工法」と言われるものです。競技場は、概ね円形や陸上のトラック型になっています。例えばデコレーションケーキやピザを6等分・8等分するように、共通した土木材料や部品が使え、同じ作り方なので総工費も安く工期も早く済むのです。国内の陸上競技場やサッカースタジアムは、概ねこの工法が取られています。作り慣れているので、IOC要請より前倒しの2019年11月完成です。日本の建設技術は高く、最初からザハ案に拘らなかったら2019年春に完成、ラグビーワールドカップもこの競技場でできたのです。

もう1つは、「プレキャスト工法」です。分かりやすく言えば、住宅メーカーが作る戸建3階住宅建築のようなものです。予め1~3階の部屋単位ごとに分けて、住宅メーカーの工場で作ってしまう方法です。搬入日には部屋ごとのブロックをクレーンで吊るし、順々に載せてボルト接続すればOKの作り方です。まるで、プラモデルを組み立てるような感覚です。新国立競技場も、受注元の大成建設の工場で鉄筋とコンクリートを合体させた何万点にも及ぶ組み立てパーツを製造します。但し運搬の関係から、大型トラックに載せられる程度の細分化されたサイズに仕上げられます。それを次々と新国立競技場の敷地内に納め、現場で組み立てします。これらは、最も日本が得意とする建設技術なのです。

これから1年間を掛けて工場製造し、その後、現場建設(組み立て)に入る訳です。この方法なら、新国立競技場の現場の職人の数が1/6で済むそうです。また現地の風や雨の天候の影響を受けにくく、作業中止(工期順延)がなくせます。だからザハ案選択の頃から、心ある建築家はショートケーキ工法・プレキャスト工法を唱えていたのです。これを見れば、いかにザハ案が無謀だったか分かります。4,000億、5,000億円に達し、挙げ句の果てに、東京オリンピックに間に合わなかったでしょう。強引にザハ案を推した安藤忠雄という建築設計家は、建築界のアカデミー賞と言われるプリツカー賞を受賞も、全く建築のことが無知だったようです。本当に、軌道修正して良かったと思います。

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新国立競技場デザインは隈研吾氏設計の木を主体にした「杜のスタジアム」に決定/東京五輪の危うさR4-6

2021年04月21日 | 東京五輪の危うさ
Oiympictp2 少数派シリーズ/東京オリンピックの危うさVOL.44
ROUND4 新国立競技場 (白紙撤回後の変更デザイン)編 6
新国立競技場デザインは隈研吾氏設計の木を主体にした「杜のスタジアム」に決定

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ブログを移転したため、投稿日と記事の日時・状況と整合性がありません。記事は2015年12月、旧ブログに投稿したものです。アスリートファーストの尊重は微塵もなく、政治家・経済界・五輪関係者などは己の思惑・利益・保身のために、東京オリンピックの悪用が目に余ります。年月が経過しても、ブログにてその検証や事実を残しておく必要があると考えます。

新国立競技場の検証1回目、すったもんだしたザハ案を白紙撤回した後の再コンペで、建築家・隈研吾(くま・けんご)氏・大成建設・梓設計による「A案・杜のスタジアム」が決定しました。巷ではなぜか関西弁に置き換えて、『新国立は杜の隈さんでええやん(A案)!』がお笑いフレーズになりました。後ほど説明しますがコンペになったデザインは2つあり、審査の採点はA案610点、B案602点の僅差でした。A案が採用になった決め手は、「工期」の信頼性と言われています。概要は、総工費1,490億円、観客数約6万人、高さ49.2m、完成2019年11月です。いざ作るとなった段階での総工費膨張、今後も様々なトラブルが続くと思われます。これで決着ではなく、これからが正念場なのです。

審査は、7人の審査員が140点を持つ(全体の満点は980点)方法で行われました。しかしそもそもの9つの採点項目(基準)のうち、配点が工期短縮(工期の確実性)や総工費の縮減に重きが置かれていました。そのためB案(伊東豊雄氏設計)は、半分以上の5項目がA案より上回ったにも関わらず、工期短縮の項目で大きく差を付けられ敗れました。切羽詰まったこの段階での審査なので、絶対、工期延長などの失敗が許されず、審査員は安全なA案を選んだと推測されます。もし2012年、工期に余裕があった最初の段階で“対決”していれば、根本的な採点基準の配分点も違っていたと考えられ、デザイン性・日本らしさ・プロの設計者好みのB案だった可能性が高いでしょう。

決定したA案は、スタジアムとして従来から作り慣れたシンプルな工法を採用しました。 法隆寺の五重の塔など、日本の伝統建築の「垂木」を思わせる庇(ひさし)が特徴です。屋根も鉄骨と木材を組み合わせた、温かさを感じる構造です。高圧的な高さ70mのザハ案とは全く異なり、50m以下にして周辺の圧迫感を抑えています。このデザインなら、明治神宮外苑の景観に溶け込むでしょう。前回1964年東京オリンピック時、小学生だった隈氏が国立代々木競技場(丹下健三:設計)を見て感動し、建築家を志したと聞きます。建築物が自己主張することを嫌い、あるいはシンボル性を避け、周囲の環境に馴染む「負ける建築」を心掛けています。隈氏作品は、リニューアルされた歌舞伎座、その他各地の美術館・公的建築物・葬儀場などユニークな作品も手掛けています。

一方、B案は作った実績がない工法を提案したため、審査員に不安を与えたことです。B案は競技場の客席を覆う屋根を70本前後のロープで引っ張り、競技場周辺に建てられた同数の鉄柱を介して支える設計をしています。国内の大きな橋(橋梁技術)としては実績が確立していても、それを応用した建築物としては初めてことです。そのためいくつかの設計申請(行政手続)が、難航する・時間が掛かることが懸念されたことです。それこそ本当に完成できるのかも危惧されたことから、敬遠されたようです。また深読み?すれば、建設業界最大手の大成建設が受注するのが筋(談合?)との見方も出ています。

大会組識委員会長の立場でありながら、森氏は事前の段階で勝手にB案が良いと発言し、この男はまたもや失言・暴言が直りません。B案は「森(俺)のスタジアム」と揶揄され~私物化したと叩かれました。一説にはこれらの反感を買って、支持がA案に流れたとも言われています(苦)。それはともかく各メディアの事前調査でも、A案を支持する人が60%もいました。お祭りムードや大きなイベントの場合、ギンギラのデザインを好みますが、日本人もだいぶセンスが洗練されてきたようです。むしろ現在は、木のほうが斬新と思えるのでしょうね。日本は、急激に成熟時代へ突入します。建築物も、木の温かみや環境への配慮・落ち着きが必要な時代になった感がします。当ブログでは今回は概要的な面を指摘しましたが、後号は個々の問題点を詳細に触れていきます。

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1,581億円の新国立競技場建設に都とtotoが77%も負担するのは筋が違う/東京五輪の危うさR4-5

2021年04月21日 | 東京五輪の危うさ
Oiympictp2 少数派シリーズ/東京オリンピックの危うさVOL.43
ROUND4 新国立競技場 (白紙撤回後の変更デザイン)編 5
1,581億円の新国立競技場建設に都とtotoが77%も負担するのは筋が違う

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ブログを移転したため、投稿日と記事の日時・状況と整合性がありません。記事は2015年12月、旧ブログに投稿したものです。アスリートファーストの尊重は微塵もなく、政治家・経済界・五輪関係者などは己の思惑・利益・保身のために、東京オリンピックの悪用が目に余ります。年月が経過しても、ブログにてその検証や事実を残しておく必要があると考えます。

新国立競技場の建設費が再調整され、1,581億円になりました。問題は、うち都とtoto(スポーツ振興くじ)が77%の1,222億円を負担するのです。「国立競技場」と名乗るなら、都民の税金やtotoを注ぎ込むのは筋違いであり、全額、国の費用で実施すべきと考えます。1,581億円の内訳は、東京都が1/4の395億円、totoが半分以上の827億円を負担します。さらには選手強化を目的とした「スポーツ振興基金」125億円まで取り崩し、肝心の国の負担はたった15%の234億円に過ぎません。本末転倒で、極めて国は無責任です。都はこの他にも、競技場周辺整備費用として37億円を加算、計432億円の不当な負担を求められています。都税やtotoの使い方として、全く理屈になっていません。

確かに新国立競技場を利用する大多数は、都民かも知れません。また大規模地震などの災害時の避難者対策、防災拠点として使われます。都民が恩恵を受けるのだから、多少は負担すべきだとの声を聞きます。それは、論点が違います。問題とする根拠は、国立の施設である以上、競技場の財源は国が責任を持って進めるのは当然です。この問題に限らず国や都というものは、それぞれ税金の使用目的がハッキリ区別されています。特に国施設の建設に、地方自治体の予算が使われるのは許されないことです。地方自治体が、国へ支出するのは財政法に抵触する恐れがあります。これを許すとあなたの地域でも、国の施設に地元が税金を負担せよと言い出すに決まっています。

一方、totoの目的は、選手強化や国民がスポーツをしやすい環境作りのための費用です。全て無視して、新国立競技場の建設費に当てるなど論外です。totoの827億円も、本来、皆様の地域のスポーツ発展に使われるべきものです。さらに別費用の選手強化費用「スポーツ振興基金」まで手を出すのは、言語道断です。私達は選手が活躍する姿を見たいのであって、立派過ぎる新国立競技場などは二の次・三の次です。国は法的根拠を作り出し、抵触しないようにJSC(日本スポーツ振興センター)法の改正を進め、都に財政支出を求めるのです。他にも新国立競技場に振り向けるtotoの割合を、現行5%から10%に引き上げることも法律改正する方針です。

法律を改正する前に国と都が合意した分担案は、フライングであり違法な取り決めです。政府と石原・猪瀬都政から続いていた、“密約”の実現化に他なりません。都民は、こんな談合を許してはいけません。そうでなくても都は開催都市の応分負担として、会場建設と開催運営費に当てる4,000億円を、都税として都民から徴収済みです。赤ちゃんを含め、都民1人当たり3万円以上の負担です。都がオリンピックを招致した以上、開催運営費は都が負担せざるを得ません。しかし全開催費用は、大会組織委員会負担(スポンサー料)を加え7,340億円を見込んでいますが、全く足りません。それどころか当初の3倍・2兆円規模に達する見込みです。

ザハ案の際に国際公約に触れるからと言って、国は強引に2,520億円(そのまま進めれば最終3,500億円)でも建設を進めようとしました。あれは、一体、何だったのでしょうか。そもそも公約など存在せず、政府のウソがばれました。すると一転、掌を返し無責任が続いています。なお近い将来、国は新国立競技場から手を引く意向だそうです(民営化)。つまり地道な選手強化や、国民のスポーツ発展には全く関心がないのです。なお1,581億円で、新国立競技場が完成すると思うのは大間違いです。今後、詳細設計に進めば、激増するのが必然と言えます。国民が浮かれていると、政治家は裏で画策し、スポーツとは関係ないような設備を付け足していくのが常套手段です。

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新国立競技場の新総工費は偽装された金額表示・撤回前と変わらぬ金額カラクリが/東京五輪の危うさR4-4

2021年04月20日 | 東京五輪の危うさ
Oiympictp2 少数派シリーズ/東京オリンピックの危うさVOL.42
ROUND4 新国立競技場 (白紙撤回後の変更デザイン)編 4
新国立競技場の新総工費は偽装された金額表示・撤回前と変わらぬ金額カラクリが

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ブログを移転したため、投稿日と記事の日時・状況と整合性がありません。記事は2015年9月、旧ブログに投稿したものです。アスリートファーストの尊重は微塵もなく、政治家・経済界・五輪関係者などは己の思惑・利益・保身のために、東京オリンピックの悪用が目に余ります。年月が経過しても、ブログにてその検証や事実を残しておく必要があると考えます。

白紙撤回を受けて、2015年8月に新国立競技場の新整備計画が決定されました。総工費は約1,000億円が削減され、上限で1,550億円です。しかし、依然、矛盾し全く適正を欠いた巨大事業には変わりありません。ザハ案の総工費3,000億円を見せ付けられたため、私達の脳が完全に麻痺してしまっているのです。その3,000億円から半減したとはいえ、諸外国のオリンピックメイン会場の2倍以上も上回ります。なお重大なことは、1,550億円でも実質的には、撤回前の2,520億円とそう変わらない金額カラクリが存在します。偽装表示の一種で、私達は騙されているのです。

2,520億円は全て含んだ金額でしたが、1,550億円には「大会後への先送り費用」及び「別途予算」約600億円を取り除いたものです。取り止めた施設は、空調(冷暖房)施設100億円(実質、別途予算に近い)や電動式仮設席103億円など先送り分は300億円です。またザハ氏デザイン料15億円を含む大手建設会社へ支払った設計料など無駄金分63億円、旧国立競技場の解体工事費、日本青年館の取り壊し、JSC(日本スポーツ振興センター)本部の移転費用などが283億円も含まれていません。従って、新国立競技場に掛かる全体費用は、さして変わっていないのです。

新総工費は、キールアーチを取り止めたため屋根部分は950億円から238億円になり712億円が減る計算です。単純に考えれば、2,520-712億円で1,808億円です。しかし今回案は、1,550億円+先送り費と別途予算600億円を加えると2,150億円です。首相が白紙撤回と偉そうに言うほど減っていないどころか、屋根を差し引きした全体分はむしろ大幅増額されています。家電やPCで例えるなら、前回はオプション全てを含んだ「総額表示」、今回はオプションを除いた「本体価格のみ」の金額なのです。こういうのを転んでもただでは起きない、小賢しい役人・政治家の悪智恵と言います。

つまり1,550億円を正当化する辻褄合わせは、政府・役人の常套手段なのです。建築の専門家は、「乱暴過ぎる」 「新国立予算の着地点に無理やり合わせただけ」と批判しています。1,000億円でも、十分良いものができると言います。政府は工期がない理由から、「公募型プロポーザル方式」で契約をするとしています。この方法では、主導はJSC・国ではなく大手ゼネコンです。そもそもJSCとゼネコンの癒着体質があり、足元を見られてこれより高く吹っ掛けられることは必至です。次々出てくる不足分は、国民が分からない形で「別途理由付け」「別途予算化」されていくでしょう。

安倍首相が白紙撤回を表明した結果の1,550億円なので、いかなる理由でもこれ以上は認められません。そうでなくてもJSCは、過去から今現在に至るまで様々な点で予算計上されていない点(抜け落ち)があります。ザハ案は3,000億円と言われましたが、発表されなかった本当の額は3,535億円でした。ザハ案で行っていたら最終5,000億円(挙句に工期は間に合わず)、今回案でも完成した時点では白紙撤回前の金額どころではないと思います。それがオリンピック会場建設の高騰に関わる、“過去からの歴史”です。金メダル確実視された選手が負けると、メディアはオリンピックには“魔物”がいたと言います。でも建設会社にとっては、会場には“オイシイ獲物”がいるのです。

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白紙撤回後の新国立競技場もゼネコンおまかせの丸投げ発注、談合・癒着の疑い/東京五輪の危うさR4-3

2021年04月20日 | 東京五輪の危うさ
Oiympictp2 少数派シリーズ/東京オリンピックの危うさVOL.41
ROUND4 新国立競技場 (白紙撤回後の変更デザイン)編 3
白紙撤回後の新国立競技場もゼネコンおまかせの丸投げ発注、談合・癒着の疑い

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ブログを移転したため、投稿日と記事の日時・状況と整合性がありません。記事は2015年8月、旧ブログに投稿したものです。アスリートファーストの尊重は微塵もなく、政治家・経済界・五輪関係者などは己の思惑・利益・保身のために、東京オリンピックの悪用が目に余ります。年月が経過しても、ブログにてその検証や事実を残しておく必要があると考えます。

2,520億円の総工費を要したザハ案の新国立競技場は、意味のないキールアーチの費用が大きく圧し掛かりました。しかし実態はそれだけではなく、上限金額も設定せず、施行するゼネコン(大成建設・竹中工務店・他)に設計から積算まで“丸投げ”する異例の発注をしていたからです。言わばゼネコンに「おまかせ発注」なので、総工費が膨れ上がるのは当然の結果です。JSC(日本スポーツ振興センター)や文科省の当事者能力なさが、ここでも明らかになってきました。ドサクサ紛れの大盤振る舞いです。政治家やオリンピック関係者は、全く国民の税金であることを分かっていません。

1級建築士・建築エコノミストの森山高至氏は、「寿司屋に行って“おまかせ”で頼むようなものだ。最初に1万円以内で握って!と言っておけば、ここまで金額は上がることはなかった。」と言います。通常、公共工事は、発注者が価格の上限を決めます。価格と技術提案の競争により、その枠内で入札によって受注業者が決まります。JSCは、国交省も驚く・国として前例がない、最初から競争入札や金額を定めないまま大成と竹中に決めてしまったのです。私達が家を建てる際、予算を告げずに建てる人はいないでしょう。数千万円の心積もりが、完成したら1億円を請求されたようなものです。

建設関係者は、上限金額を決めずにゼネコンに積算させれば、好き放題にやられてしまうと呆れます。役人という人種は、極めて世間の常識がないのです。ザハ案で設計させていた初期費用45億円(設計や調査費等)は、恐らく戻りません。驚くのは、7契約の落札率のうち5件が100%、残りは99.92%と99.09%です。JSCはたまたまと弁解するが、そんなことあり得えないことで嘘です。JSCは、受注業者との癒着の疑いが濃厚です。公正取引委員会は、今回の件ではありませんが、落札率が100%の場合は、秘密の漏洩が背後にある可能性が考えられると言っています。

さて白紙撤回の新国立競技場でも、高コスト・ゼネコンとの癒着・談合を温存させたまま進むことになるのです。政府は、「総工費の上限を秋までに決め、設計と施工を一体的に選ぶ」と発表しました。言い換えれば、「内定してある施工者と予算額を決め、その施工者に設計から施工まで“丸投げ”の随意契約する。」というものです。随意契約とは、任意の業者と契約することです。しかし通常は、競争入札、かつ設計と施工は分離が原則です。従って今回も、談合による「言い値」で買うことになるのです。大手企業・ゼネコンを儲けさせるスタンスは、白紙撤回前も後も全く変わらないのです。

政府は、キールアーチがなくなった分(工費)を、何らかの形でゼネコンに“恩返し”しなくてはなりません。そのため、どうしても2,000億円台の総工費に持って行きたいのです。その穴埋めを、「東京都の防災拠点にする・テロリストの恐れからセキュリティーを強化する」目的で予算を膨らませようとしています。東京都からも、500億円を拠出させる思惑でしょう。今や政治の道具・ゼネコンの食い物にされる、新国立競技場やスポーツです。アスリートや国民のためを思う、政治家・オリンピック関係者はいないのでしょうか? 大きな理想を掲げた、1964年の東京オリンピックとは雲泥の差です。

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新国立競技場騒動から学んだ明治神宮内苑・外苑100年前の歴史と背景/東京五輪の危うさR4-2

2021年04月20日 | 東京五輪の危うさ
Oiympictp2 少数派シリーズ/東京オリンピックの危うさVOL.40
ROUND4 新国立競技場 (白紙撤回後の変更デザイン)編 2
新国立競技場騒動から学んだ明治神宮内苑・外苑100年前の歴史と背景

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新国立競技場、何が問題か/槇文彦・大野秀敏 平凡社

ブログを移転したため、投稿日と記事の日時・状況と整合性がありません。記事は2015年7月、旧ブログに投稿したものです。アスリートファーストの尊重は微塵もなく、政治家・経済界・五輪関係者などは己の思惑・利益・保身のために、東京オリンピックの悪用が目に余ります。年月が経過しても、ブログにてその検証や事実を残しておく必要があると考えます。

ザハ・デザインによる新国立競技場案は、白紙撤回されました。建築家の槇文彦氏たちは、2年前から巨大過ぎる・神宮外苑の景観に合わない(場違い)と訴えてきました。槇氏たちの御尽力により、やっと間違いが正されました。氏は、建築物が街並みや風景と融合することを大切にし、明治神宮外苑一帯を熟知している建築家です。作品・東京体育館も、その信念から目立たずできるだけ低く設計した経緯があります。そこで氏を始め多くの建築家が寄稿、シンポジウムの内容を載せた「新国立競技場、何が問題か」(写真)から、明治神宮内苑・外苑の歴史と背景をご案内します。

まず明治神宮内苑から説明します。現在、明治神宮があるところです。1912年・明治天皇が崩御し、翌年、渋沢栄一ら民間有志が、明治天皇奉祀(ほうし・奉る)の神社を建立しようと動き、1920(T9)明治神宮が完成しました。その内苑に対し明治神宮外苑は、最初から公園として計画され1926(T15)にできました。当初から内苑・外苑、そして表参道、内苑・外苑を結ぶ裏参道(現・北参道)が計画されていました。因みに裏参道は、新国立競技場→東京体育館→千駄ヶ谷駅→高速4号線→北参道のコースです。戦前は戦争・宗教色が強く、内苑・外苑のこの辺り一帯が国営でした。

外苑は、緑の中に競技場を配置した日本初のスポーツ公園です。旧国立競技場の前身・明治神宮外苑競技場は、公園に先立ち1924(T13)に完成しました。戦前・戦後まもない頃のスポーツの発展は、外苑のお陰なのです。一方、戦局悪化から、昭和18年・大雨の中で「学徒出陣壮行会」が行われ、学生2万5千人が学生服姿で銃を担ぎ行進しました。二度と生きて帰るつもりはないことを誓い、その後も含め総勢10万人が戦地などに送られ、大勢が帰らぬ人になってしまいました。新国立競技場への建て替えもさることながら、こうした悲しい歴史も忘れてはいけません。

戦後、内苑・外苑は民間に払い下げられ、明治神宮は収益を上げることを迫られます。そのため神宮球場を改装・運営、結婚式場・その他多角的な自力経営をしています(国立競技場・秩父宮ラグビー場・日本青年館は国有)。一帯は、東京の風致地区第1号に選ばれました。聖徳記念絵画館(通称:絵画館)は国の重要文化財に指定、銀杏並木も素晴らしい景観の1つです。先人は100年近く、明治神宮一帯の文化・歴史、景観を守ってきたのです。ザハ案の新国立競技場だったら、台無しです。だから槇氏は、先人への尊敬の念を忘れた行為・景観をぶち壊す行為として憤っていたのです。

騒動の発端は、JSC(日本スポーツ振興センター)がデザイン依頼において、外苑の景観(歴史性)に配慮した条件提案をしていなかったことです。従って、ザハ氏は知る由もありません。コンペに参加した日本人建築家の何人かは、自主的に外苑に溶け込むデザインを提案しましたが、見事に落選でした。さて都内エリアの緑のベルトゾーンと呼ばれる、皇居・赤坂御用地・迎賓館・明治神宮外苑・青山霊園・新宿御苑・明治神宮内苑・代々木公園は、貴重なものです。私達は、総工費の巨額さだけではなく、外苑の歴史や景観を大切した新国立競技場デザインかどうかを指摘する必要があります。

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旧・国立競技場が潰されても昭和18年に「学徒出陣」があったことを忘れないで/東京五輪の危うさR4-1

2021年04月19日 | 東京五輪の危うさ
Oiympictp2 少数派シリーズ/東京オリンピックの危うさVOL.39
ROUND4 新国立競技場 (白紙撤回後の変更デザイン)編 1
旧・国立競技場が潰されても昭和18年に「学徒出陣」があったことを忘れないで

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ブログを移転したため、投稿日と記事の日時・状況と整合性がありません。記事は2015年1月、旧ブログに投稿したものです。アスリートファーストの尊重は微塵もなく、政治家・経済界・五輪関係者などは己の思惑・利益・保身のために、東京オリンピックの悪用が目に余ります。年月が経過しても、ブログにてその検証や事実を残しておく必要があると考えます。

今号から「白紙撤回後の新国立編」と題し、政府やオリンピック関係者のマヤカシや国民を騙す言動(策略)を、まだまだ追及して参りたいと存じます。東京オリンピック招致の決め手は、文化的遺産やその継承でした。招致団は既存の施設を最大限に使うことをPR、一方、IOCも既存施設・仮設を推奨していたので東京を推しました。しかし大会が決定するや否や巨額な新国立競技場の建て替え(実際は、オリンピック招致前に決定していた)が先行していったのです。文化的遺産や継承を言うなら、そもそもそのシンボルである旧・国立競技場は改修程度に留めるべきでした。

文化的遺産や継承の観点の1つとして、個人的には、皆様に旧・国立競技場にまつわる暗い戦争への反省を忘れてはいけないと思います。当時のフィルム映像をご覧になった方もいると思いますが、「学徒出陣壮行会」のシーンです。昭和18年10月21日の朝、大雨でずぶ濡れになった学生2万5千人が学生服姿で銃を担ぎ、当時の名称・明治神宮外苑競技場(旧・国立競技場の前身)を行進しました。客席は、女子生徒など7万人で埋め尽くされました。彼等は二度と生きて帰るつもりはないことを誓い、参加した女学生も彼等を「生きたお葬式」と涙ながらに見送ったのです。

その後の学徒出陣の総勢は10万人と言われ、特攻隊員など戦地に送られ大勢が帰らぬ人になってしまいました。戦争の悲惨さを忘れないために、マラソンゲートの脇に「出陣学徒壮行の地」碑が建っていました(現在は秩父宮ラグビー場に仮移転、新国立競技場完成時に戻される)。2度も平和な“スポーツの祭典”が国立競技場で行われる根底に、彼等の非業の死を忘れてはなりません。明治神宮外苑競技場、その雨の壮行会から70年以上が経過し、そして旧・国立競技場も潰されてしまいましたが、同じ場で起きたこうした悲しい歴史を受け継ぐ必要があります。

もう1つ今までの聖火台も“平和の象徴”として、新国立競技場内または周辺に保存されます。“キューポラのある街”、埼玉・川口市の鋳物職人親子の手によって作られたものです。1958年のアジア大会のために製作され、2.6トンもの鋳物でできています。製作途中に事故が起き、その後、ショックから父親が亡くなりました。しかし息子さんが精力を結集し、完成させた逸品です。そして無事、アジア大会や前回1964年の東京オリンピックを迎えることができました。ところで近年大会の、わざとらしい演出過剰の機械的な聖火点火はやめてもらいたいですね。

オリンピックの逸話・裏方の苦労話を永く語り継いでいくのも、文化的遺産(heritage)の継承です。1964年の大会で印象的なのは、公式ポスターの陸上100mのスタートダッシュです。躍動感は、今見ても少しも古さを感じさせません。著名なグラフィックデザイナー、故・亀倉雄策氏の作品です。裏話があって、何十回撮ってもうまく行きませんでした。苦肉の策で、中央の外国人選手を1m前に出してスタートさせたら、“ドンピシャ”のあのポスターになったそうです。まずは、前回大会の数々の継承遺産を知っておきましょう。さて2020年のエンブレム、ポスターが期待されます。

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新国立競技場案の白紙撤回に騙されるな!防災拠点の名目を加え再び巨額に/東京五輪の危うさR3-14

2021年04月19日 | 東京五輪の危うさ
Oiympictp2 少数派シリーズ/東京オリンピックの危うさVOL.38
ROUND3 新国立競技場 (ザハ・キールアーチ)編14
新国立競技場案の白紙撤回に騙されるな!防災拠点の名目を加え再び巨額に

Wjpn19611011_02wオリンピック募金切手のご案内・第1次(飛込み) 1961年発行

ブログを移転したため、投稿日と記事の日時・状況と整合性がありません。記事は2015年7月、旧ブログに投稿したものです。ザハ氏デザインによる新国立競技場案は、白紙撤回されました。アスリートファーストの尊重は微塵もなく、政治家・経済界・五輪関係者などは己の思惑・利益・保身のために、東京オリンピックの悪用が目に余ります。年月が経過しても、ブログにてその検証や事実を残しておく必要があると考えます。

ザハ氏デザイン、キールアーチの新国立競技場の建築が、突然、白紙撤回されました。あのまま突き進めば、2,520億円どころか最終的に3,000億円台まで膨らみ、管理維持費・大型修繕費、その他を含めると、5,000億円のとんでもない建物になるところでした。挙げ句の果てに、東京オリンピックにも間に合わない無謀な計画だったのです。世論が高まったのは、槇文彦氏や常識ある多くの建築家達の熱心な意見でした。さらにはスポーツ評論家の玉木正之氏、1級建築士・建築エコノミストの森山高至氏らが、TVなどで困難なことを分かりやすく説明し続けたことも挙げられます。

しかし、安心してはいけません。世論調査など8~9割が見直すべきとの国民の声を、政府が聴いたとするメディア評は、正しくありません。賢明な国民の声や意見を聴かない安倍政権は、米国追従の“殺し・殺される”安保(戦争)法案を強引に推し進めています。内閣支持率の低下や戦争法案の批判が高まるのを恐れ、信念のないまま白紙撤回をしたのです。この期に及んでの撤回は、動機が極めて不純です。政府が国民の声を聴いたとするならば、新国立競技場どころか真っ先に戦争法案を引っ込めたはずです。支持率が下がらなければ、ザハ案のまま突っ込んで行ったのでしょうか?

「白紙撤回」をした安倍首相の言葉を分析すると、「コストを抑制し、現実的にベストな計画を作る」に留まっています。皆様は、槇氏らが提案した1,000億円以下の競技場になると思っていませんか? それは、大きな誤りです。もう政府関係者に、「2,000億円を目標にしている」と言わせているからです。内閣支持率低下や国民の憤りが和らいだら、またぞろ巨額の費用を言い出してくるに決まっています。白紙撤回はカッコ良く見えても、国民を騙す政治家がよく使う手です。新国立競技場に限らず予算は、ほとぼりが冷めた頃に同じような案を提案してくるのです。

それまでは、ザハ案を変えたら「絶対、間に合わない」の一点張りでした。また、「国際公約」を違えることになると言い続けてきました。新国立競技場の設計変更など、全く国際公約でも何でもありません。競技会場の8割が選手村から8km圏内とした初期案はとうの昔に崩壊し、28競技のうち10会場が変更(他2競技未定)など、4割の12会場が変更されています。国際公約と言うなら、こちらのほうが重大でしょう。IOCはアジェンダ2020で、東京大会から既存施設の使用、新設は予算が掛からぬようにとするものです。IOCは、新国立競技場に金が掛かることを懸念しているのです。

「間に合わない」と言ってきた理由は、2つあります。政府が東京オリンピックに乗じて、巨大開発やゼネコン支援を進める狙いがあるからです。キールアーチが問題ではなく、建築額を減らすことが困るのです。だから総工費がいくら膨れ上がっても、大企業のために無視し続けてきたのです。2つめは、白紙撤回により「黒幕」が炙り出されました。大会組識委員会会長の森・元首相が、陰で新国立競技場建築を牛耳っていたのです。森氏は早大時代にラグビーを始めるも、短期間のうちに挫折したのです。挫折したことからラグビーへの強い思いが募り、政治家へ圧力を掛けてきたのです。

黒幕・森氏は、大会組識委員会会長の立場を忘れた行為です。だから国民を放ったらかしにして、政府・オリンピック関係者が見苦しい責任逃れ・他者への責任の押し付け合うことになったのです。それらやJSC(スポーツ振興センター)、JSCを管轄する文科省の下村大臣が腑抜けだったのも、この黒幕(政治では失敗ばかりでしたが)を気にして、何も言えなかったのです。何と言っても、森氏が新国立競技場騒動の元凶です。さて本当の見直しは、簡素で無駄のない計画(開閉式屋根は作らず)、神宮の森の景観や環境に配慮する、アスリートや大会後も国民が利用しやすい設計をする、などが求められます。

私達が白紙撤回を丸々評価したら、それこそ政府の思う壺です。国は経済界・大企業が儲かるために、何やかや理屈を付けてゼネコンを助けるのです。今度は目的を変えて、再び巨額な新国立競技場にしようとしています。それは、「東京都の防災拠点」と「セキュリティー強化」です。これなら前回案のように、国民・都民からクレームが付きにくいからです。これを理由にされると、国民は同じような巨額でも文句が言いにくくなるでしょう。また防災拠点が理由なら、都からの税金も当てにできます。これこそ、論点のすり替えです。政府が、国民を騙す言動(策略)に今後も注視していくべきです。

「ザハ・キールアーチ編」はこれで終了し、次回以降は「白紙撤回後の新国立編」と称し、まだまだ追及して参ります。
追記/ザハ氏は2016年3月に急逝され、お悔やみ申し上げます。不謹慎な言い方ですが、今となってはザハ氏デザインによる新国立競技場の騒動は何だったのかと感じざるを得ません。

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ザハ案の新国立競技場・何と選手強化費を大幅に削って建築費に充てる本末転倒策/東京五輪の危うさR3-13

2021年04月18日 | 東京五輪の危うさ
Oiympictp2 少数派シリーズ/東京オリンピックの危うさVOL.37
ROUND3 新国立競技場 (ザハ・キールアーチ)編13
ザハ案の新国立競技場・何と選手強化費を大幅に削って建築費に充てる本末転倒策

Wjpn19620623_01オリンピック募金切手のご案内・第2次(柔道) 1962年発行

ブログを移転したため、投稿日と記事の日時・状況と整合性がありません。記事は2015年7月、旧ブログに投稿したものです。ザハ氏デザインによる新国立競技場案は、白紙撤回されました。アスリートファーストの尊重は微塵もなく、政治家・経済界・五輪関係者などは己の思惑・利益・保身のために、東京オリンピックの悪用が目に余ります。年月が経過しても、ブログにてその検証や事実を残しておく必要があると考えます。

新国立競技場の財源内訳を見て、呆れ返りました。全てが不可解ですが、うち3つ取り上げます。まず「スポーツ振興基金」の250億円のうち、半分の125億円を取り崩すことです。スポーツ振興基金は、選手・アスリートの強化費です。これから東京オリンピックを目指す選手の育成費を削って、新国立競技場の財源に充てることは本末転倒です。過去どこの開催都市でも、自国選手がメダルを取るために何倍も増額するが普通です。それを削って、新国立競技場の財源にするなど以ての外です。なお建築費2,520億円は上限ではなく「目標工事費」なので、こんなものでは足りないでしょう。

2つめがtoto(スポーツ振興くじ)から、600億円以上を充てることです。国民全体に、競技の普及促進などスポーツを広める費用です。それも削って、新国立競技場に充てるなど論外です。さらに現状のtotoだけでは足りないため、プロ野球への拡大も検討しています。しかし過去に選手の八百長事件や野球賭博が横行した苦い経験から、根強い反対があります。3つめが国立の競技場なのに、東京都に500億円を求めていることです。論理的におかしく、筋として国立なら国税で行われるべきです。都は開催都市の責任として、運営や他の会場設置に5,000億円以上を負担しているのです。

将来構想有識者会議(デザイン審査委員の一部が重複)で、ザハ案の新国立競技場建築が最終決定されました。このデザインを強引に推した、建築家・安藤忠雄氏はなぜか欠席。日本サッカー協会の小倉名誉会長は、再びW杯招致に向けて仮設席ではなく常設席を要望。作曲家・日本音楽著作権協会の都倉俊一会長は、コンサートには屋根が必須。自分達の思い入ればかりの発言で、全く“将来構想”がありません。開閉式屋根設置の主目的は、集まりもしない・毎月1回以上・8万人動員コンサートのためなのです。そのためだけに、300億円の税金を投入していいのでしょうか?

新聞の風刺漫画の政治家発言、「新国立競技場の形は“どんぶり型”だ。だから費用も“どんぶり勘定”でいいんだ! 天井がないのだから“天井知らず”に予算を掛けても大丈夫だ。ワッ・ハ・ハ・ハ…」 漫画と同様に、有識者会議・政治家は国民の税金だという意識が全くありません。スポーツ評論家の玉木正之氏は、『ザハ氏の案に、止める勇気・変える勇気・謝る勇気、改めたら実行する勇気が必要だ。でも誰もいない。』と嘆いていました。NHK世論調査では、81%が計画を見直すべきとしています。新国立競技場を推進する間抜けな関係者どもは、永久にその間違いに気が付かないでしょう!

池上彰氏も、紙面で苦言を呈していました。『責任の所在が曖昧なまま突っ走り、途中で止めることができない。これは、太平洋戦争までの歴史とそっくり。また戦後も、大赤字にも関わらず偽りの収支(利益見込み)を作って、高速道路や公共事業を進めるのは政治家・官僚の“お家芸”。過去の日本の悪弊の全てを体現するのが、新国立競技場。報道を通じて、日本の病弊を暴き出して欲しい。』 他の方の論調も、『政治家は、先の戦争・原発事故、今回の件で3度同じ過ちを繰り返した。リーダーたる誰かが止めていれば、その後の日本が変わっていたかも知れない。』 さて予算もさることながら、工期までに完成できるのでしょうか?想像しただけでも、ゾッとする!

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開会式に間に合わないザハ案!新国立競技場は東京オリンピック失敗の始まり/東京五輪の危うさR3-12

2021年04月18日 | 東京五輪の危うさ
Oiympictp2 少数派シリーズ/東京オリンピックの危うさVOL.36
ROUND3 新国立競技場 (ザハ・キールアーチ)編12
開会式に間に合わないザハ案!新国立競技場は東京オリンピック失敗の始まり

Wjpn19640623_03オリンピック募金切手のご案内・第6次(重量あげ) 1964年発行

ブログを移転したため、投稿日と記事の日時・状況と整合性がありません。記事は2015年7月、旧ブログに投稿したものです。ザハ氏デザインによる新国立競技場案は、白紙撤回されました。アスリートファーストの尊重は微塵もなく、政治家・経済界・五輪関係者などは己の思惑・利益・保身のために、東京オリンピックの悪用が目に余ります。年月が経過しても、ブログにてその検証や事実を残しておく必要があると考えます。

文科省は正式に、“アンビルトの女王”ザハ・ハディド氏がデザインした、キールアーチ型の新国立競技場を採用決定しました。建築費が何と2,520億円も掛かり、さらに建築士の誰もが工期の「2019年5月(当初は3月)」には間に合わないと言っている建築案です。結局、工期に間に合わず予算も足りず、後になってあの決定は「東京オリンピックの失敗の始まり」と言われるかも知れません。作る前から「“国家”の粗大ゴミ」、巨大お飾りオブジェ、そしてピラミッド・万里の長城・戦艦大和に続き、またまた日本の「新国立競技場」が世界四大無用の長物に、ノミネートされたと噂されています。

2,520億円といっても、大会後に設置の開閉式屋根や仮設席撤去などの改修費600億円以上が含まれていません。建築経験のない工事を行った結果、全然予算が足りなくなったなど、最終的な金額はこんなものでは済まないでしょう。工期の遅延も許されず、“無謀過ぎる決定”と思います。他会場の建設が進めば、人件費や材料費の大幅高騰も当たり前です。政府関係者は、東北復興の影響で新国立競技場の建築費が上がったとしていますが、それは全くの逆です。建設業者が、利益が取れる会場建設を優先するあまり、高騰・人手不足を起こし大事な復興工事が進まないのです。

2000年・シドニーのメイン会場は460億円、2004年・アテネ360億円、2008年・北京430億円、2012年・ロンドン650億円、2016年・リオ480億円、全部足しても2,380億円なのでお釣りがきます。2本のキールアーチだけで1,500億円、一般的な競技場なら全く必要のないものです。単なるデザイン性だけで、競技場の機能性アップには全く関係がないのです。極めて、無駄な施設なのです。東京体育館や幕張メッセなどを設計した槇文彦氏と、そのグループが勧める一般的な工法による競技場なら、以前の予算額1,625億円の半分から1/3で済むとしています。

1級建築士・建築エコノミストの森山高至氏によると、その根拠はショートケーキ(ピザ)工法と言われるものです。競技場は、概ね円形や陸上のトラック型になっています。デコレーションケーキやピザを6等分・8等分するように、共通した土木材料や部品が使え、同じ作り方なので総工費も安く、工期も早く済むのです。当然、キールアーチは必要ありません。あるTV番組では、2012年に例のデザインが決まった際に、ザハ氏本人が『本当に、あのデザインで作るのですか?』と驚いていた、と報道していました。そんなデザインを審査会議で強引に推し進めた、建築家・安藤忠雄氏に問題があります。

文科省が、なぜ強引に決めたのか? スポーツ評論家の玉木正之氏は、『文科省は、極端に「安倍首相の影」を恐れている。首相がIOC総会で、「他のどんな競技場とも似ていない、真新しいスタジアムから確かな財政措置に至るまで、その確実な実行が確証されたものです」と演説したからだ。しかしIOCは、リップサービス程度にしか思っていない。むしろアジェンダ2020により、会場はできるだけ既設使用、新設でもお金を掛けないことを勧めている。巨額な新国立競技場に、懸念している。』と発言しています。投稿者は、今回の決定が「東京オリンピックの失敗の始まり」と思えてなりません。

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