食品のカラクリと暮らしの裏側

食品の安全・安心が総崩れ、また政治・社会の矛盾や理不尽さも増大
暮らしの裏側の酷さやまやかし、危険性・不健全さに迫る!

「再審制度の欠陥を指摘」袴田事件は捏造の可能性、再審無罪へ・再審制度の見直しを/少数派

2023年03月28日 | 社会の弱者・人権
Ns170minoritytp 少数派シリーズ/社会の弱者・人権
「再審制度の欠陥を指摘」袴田事件は捏造の可能性、再審無罪へ・再審制度の見直しを

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※記事はしんぶん赤旗23年3月です。

投稿者のマイク/まず、本当に良かったと申し上げたい。1966(S41)年、静岡県の味噌製造会社の専務一家4人を殺害したとして袴田巌さん(現在87歳)が逮捕されてから57年。死刑判決から43年。証拠とされたのは事件から1年後、味噌タンクで発見された血の付いた衣服。専門家は1年も味噌に漬かっていれば血痕は黒くなると指摘も、血の赤みに満ちていた。これこそ、警察側のでっち上げ・捏造だ。刑事の1人が上司の指示によって、密かにタンクに入れたのだろう。問題は警察の行き過ぎをチェックする立場にある検察も同調、地裁・高裁・最高裁の裁判所を見抜けず、ボンクラ役人の連鎖が不幸な結果になった。しかし辛うじて、弁護側の努力になって死刑執行が免れ無罪への道が開けた。再審制度のルールをしっかりしたものにしなければならない。思えば高校の頃に「袴田事件」を知ったが、その間ずっと監獄にいたのだ(2014年釈放)。1人の人生をメチャクチャにした、検察と裁判所それぞれのメンツを保つだけの長い拘束だったとしか言えない。

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「LGBTQ・社会が変わってしまう」岸田首相・与党の人権感覚を追求/少数派

2023年02月27日 | 社会の弱者・人権
Ns170minoritytp 少数派シリーズ/社会の弱者・人権
「LGBTQ・社会が変わってしまう」岸田首相・与党の人権感覚を追求

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※記事はしんぶん赤旗23年2月です。

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伊藤詩織さん勝訴続く、これからは「ジャーナリスト」として活躍する姿を見せて欲しい/少数派

2022年11月21日 | 社会の弱者・人権
Ns170minoritytp 少数派シリーズ/社会の弱者・人権
伊藤詩織さん勝訴続く、これからは「ジャーナリスト」として活躍する姿を見せて欲しい

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■最高裁は伊藤さんの主張を認め山口元支局長の性的暴行の卑劣さが浮き彫りになった
前々号、前号と伊藤詩織さんの性暴力訴訟で最高裁判決勝訴、レイプ被害認定の経緯をご案内してきました。順序が逆になってしまったが、元TBSワシントン支局長・山口敬之(のりゆき)が暴行に至った状況、山口の人物像、この男を逮捕しなかった警察幹部の安倍首相(当時)に忖度する関係を説明する。さて伊藤さんはジャーナリスト志望で、2015年4月3日、就職の相談で山口と会食。ところが伊藤さんは、飲酒中に記憶がなくなったと言う。強引に連れ込まれた当該ホテル関係者の証言も、伊藤さんは立ってはいられず山口に引きずられるような様子だった。伊藤さんは雑誌や著書で、「山口から薬(デートレイプドラッグ)を飲まされた」と主張した。投稿者が一般論で言えば、いくら酒が弱い人でもいきなり意識がなくなることは考えにくく、薬を飲まされた可能性は高い。しかし今となっては証拠がない。

判決文によると、「伊藤さんが意識を失っているのに乗じて、山口氏が性的暴行を行った」としている。「痛みで目が覚めると、被告からの性的被害に遭っている最中であった」「意識を取り戻し、性行為をやめるよう求めた後も、性的暴行を続けた」と訴えていた。「同意(合意)があった」とする山口の言い分を退け、「事件当日の夜について、伊藤さんが元支局長と食事した店で意識を失ったことや、ホテルに移動した際に元支局長に引きずられる状態だったことなどから、強度の酩酊状態にあった」と判断。「自らの意思でホテルの部屋に入ったとは認められない」とした。また、「伊藤さんがシャワーを浴びずに早朝にホテルを出たことなどを、合意の行為の後の行動としては不自然に性急」「ホテルから一刻も早く立ち去ろうとする行動とみるのが自然」などと指摘。「元支局長が意識のない伊藤さんの合意のないまま行為に及び、意識を回復して拒絶した後も体を押さえ付けて継続しようとした」と認定した。投稿者として一連の判決文を読んで、山口は親子ほどの年齢差にも関わらず、擁護もせず弱みにつけ込んだ“獣”のような奴だ。一方、伊藤さんが主張した「薬物を飲まされた」ことに、山口は1億3000万円の請求で反訴。残念ながら判決は山口側に名誉毀損の成立を認め、伊藤さんに55万円の支払いを命じた2審判決が確定した。

■山口逮捕を握り潰した安倍忖度の中村警察庁長官は安倍殺害事件の責任を取り辞任
ネットではこんな伊藤さんを『枕営業の失敗』と罵り、状況を知らない連中は男女でホテルに行ったのは伊藤さんの自業自得と誹謗中傷した。投稿者が思うに、ジャーナリストになる相談に行ったのに、同じジャーナリストとして(こんな人間を、到底、ジャーナリストとは呼べないが)、未来ある女性をこれほどに酔わせること(あるいは薬物投与?)は、あまりにも非常識だ。タクシーで自宅まで送り届けるなり適切な措置が必要で、ホテルに連れ込むことは最初から『意図』があったのだ。山口とはどんな男なのか?当時、安倍首相に最も近いジャーナリストとされ、衆議院解散を決断した安倍氏が書き上げたばかりの演説草稿を読み聞かせるほどの関係だったとされる。さて2016年、山口に対する逮捕状が請求された。成田空港で待機していた警察官は、逮捕の直前、当時の中村格(いたる)警視庁刑事部長の指示によって、逮捕が握り潰される事態となった。中村氏もかなり安倍忖度が強く、関係者は安倍=山口の強い関係から憚られたのだとされる。

中村氏はその後、警察庁長官に登り詰めたが、安倍氏が殺害され警護警備の責任を果たせなかったとして辞任した。警察にとっては、文字通りの大失態。その時のトップだったことは、何と皮肉なことだろう。中村氏は2021年に長官に就任したが、その際も安倍氏や菅首相と“特に近い”ことが浮き彫りになり、「果たして警察のトップに相応しい人物なのか?」と議論が行われていたそうだ。辞任後の週刊新潮の取材で、中村氏は「逮捕状執行停止の事実を認めたが、安倍政権による捜査介入は否定した」。さて伊藤さんは本人自身が酷い目に遭い、それだけでは済まずにネトウヨ・世論から誹謗中傷の嵐に晒され、さらには政治家や右翼メディアからも叩かれた。投稿者は事件当時の2015年からニュースなどを介し見てきたが、「自殺」しないかと心配させられた。ジャーナリスト志望だけに「悪」には屈せず、信念を持って生きている。裁判も結果が出せ、自民党・杉田水脈(みお)議員の悪意とネトウヨの誹謗中傷をも打破、さらには性被害に遭った女性を勇気づけ、性被害へ立ち向かう世論形成まで起きている(後号で紹介予定)。投稿者はせめてこうした文章を書くことしかできないが、今後は「ジャーナリスト」として活躍する姿を見せて欲しい。

Sankoub 前号/②伊藤詩織さんを中傷したサイトに「いいね」繰り返した自民党杉田議員に賠償命令

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伊藤詩織さんを中傷したサイトに「いいね」繰り返した自民党杉田議員に賠償命令/少数派

2022年11月08日 | 社会の弱者・人権
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伊藤詩織さんを中傷したサイトに「いいね」繰り返した自民党杉田議員に賠償命令

M20221028 判決後の記者会見(左から2人目)

■伊藤さんを「枕営業の失敗」と罵るSNSに杉田議員は執拗に「いいね」繰り返す
まず投稿者の文章/今号も、伊藤詩織さんが受けた苦しみを深く伝えねばなりません。前号では、元TBS記者の山口敬之(のりゆき)からの性被害に対し、最高裁は「性行為に同意がなかった」とし上告を棄却する決定をしました。それとは別の裁判で、残念ながらその前に避けて通れなかった“セカンドレイプ”と言われるSNSなどの誹謗中傷に対し、画期的な判決が出ました。伊藤さんを「枕営業の失敗」などと罵るSNSに、数十回も「いいね」を繰り返した自民党衆院議員・総務政務官の杉田水脈(みお)氏の行為に、一審を逆転させた損害賠償判決です。東京高裁は、誹謗中傷の限りを尽くす杉田氏の言動を許す訳にはいかなかったからでしょう。詳しくは新聞記事本文をご覧頂きますが、いくら右翼思想・男尊女卑政策を今も続ける自民党としての議員であっても、過去から続く言動は酷過ぎる。そんな人物を、閣僚である総務政務官に任命した岸田首相には呆れます。呆れるどころか、政治見識として厳しく問われるべきです。なお誤解なきように申し上げれば、善良な市民が日常生活の中で「いいね」を押しても、賠償命令が下りることはありません(笑)。今回の判決理由は、政治家の立場でありながら民間人・市民を相手(伊藤氏)に、それを誹謗中傷するサイトに執拗に「いいね」を繰り返したからです。

■画期的な判決!『いいね』でも限度を超えた侮辱行為で不法行為に当たる
新聞各紙を投稿者がまとめた/ジャーナリストの伊藤詩織さんが、ツイッターで自身を中傷する投稿に「いいね」を押されて名誉感情を侵害されたとして、自民党の衆院議員・総務政務官の杉田水脈(みお)氏への損害賠償を求めた控訴審判決で、東京高裁は10月20日、賠償責任を否定した一審・東京地裁判決を変更し、杉田議員に55万円の賠償を命じた。石井浩裁判長は「積極的に名誉感情を害する意図で『いいね』を押しており、限度を超えた侮辱行為で不法行為に当たる」と批判した。「いいね」を巡って賠償を命じた司法判断は初めて。元TBS記者の山口敬之から2015年4月に性暴力を受けたと訴える伊藤さんに対し、ツイッター上で「枕営業の失敗」などとする複数の匿名投稿がなされた。杉田議員は、こうした投稿25件に「いいね」を押した。伊藤さんは、「誹謗中傷への考え方が厳しくなっている社会の変化が、指を押す一つの行為でもどれだけ苦しいことなのか判決が示してくれた」と、初とみられる司法判断を評価した。画期的な判決と言える。 

高裁判決は、「いいね」の特徴として「押すか押さないか二者択一で、対象投稿のどの部分に好意的・肯定的な評価をしているかは明確ではない」と指摘。名誉感情を侵害したかどうかを判断するには、▽「いいね」を押した人と投稿で取り上げられた人との関係 ▽「いいね」が押されるまでの経緯 ▽投稿のどの部分に好意的・肯定的な評価を示しているのか―を検討する必要があるとの考え方を示した。その上で、杉田議員が18年3月のネット番組で「枕営業大失敗」と書かれたイラストを見て伊藤さんを冷やかし、同6月の英国のBBC放送の番組内で「(伊藤さんは)明らかに女としても落ち度がある」などと発言した経緯に着目。判決は「伊藤さんへの批判を繰り返す杉田議員が、伊藤さんを侮辱する投稿に賛意を示すことは、伊藤さんの名誉感情を侵害する」と結論付け、国会議員であり約11万人のフォロワーを擁する杉田議員の影響力も踏まえ、慰謝料を算定した。

■伊藤氏は「指1本で誰かを傷つけてしまう、『いいね』を押す前に考えて」と呼び掛けた
提訴は「いいね」はそもそも、どういう意味を持つのか? 「いいね」を不法行為に問えるのか?前例はなく手探りで始めた裁判だけあって、周囲からは「表現の自由」を尊重する意見も多く聞こえてきた。今年3月の一審・東京地裁判決は「いいね」が示す肯定的な感情の範囲は「称賛」から「悪くない」まで幅広いことなどを理由に、杉田議員への賠償請求を認めなかった。伊藤さんは「表現の自由の前では、言葉の暴力は許されてしまうのか」と自問自答したという。「影響力のある国会議員が、ハニートラップ、売名、枕営業という言葉に、『いいね』を繰り返してきたことは重く見られないといけない」と強調し、「誰かを傷つけてしまわないか。『いいね』を押す前に考えてほしい」と呼び掛けた。代理人の佃克彦弁護士は「加害者と被害者の関係や従前の経緯を事実関係に照らしてきちんと判断してくれた。すばらしい判決だ」と述べた。

ツイッターを巡る裁判では、他人の投稿を転載する「リツイート」に賠償を認める判決は既に複数出ている。ネット上の中傷問題に詳しい中沢佑一弁護士は、「『リツイート』と比べて『いいね』は拡散力が弱く、感情の対象や程度も特定しづらいため、賠償責任が生じるハードルが高い」と指摘。今回の判決について「杉田議員が伊藤さんへの批判的な言動を繰り返し、何度も『いいね』を押したことを重く捉えたのだろう。ツイッターを使う一般人が『いいね』で賠償命令を受けることは考えづらく、杉田議員が国会議員でフォロワーが多数いることなどから、例外的に賠償責任を認めた印象だ」と分析した。

■杉田氏は総務政務官にも関わらず総務省の誹謗中傷対策キャンペーンを知らず
新聞記事/衆院政治倫理・公選法改正特別委員会(倫選特)で立憲民主党の源馬謙太郎氏の質問に、自民党の杉田総務政務官は、総務省が取り組んでいるネット交流サービス(SNS)の誹謗中傷対策キャンペーン「#NoHeartNoSNS(ハートがなけりゃSNSじゃない!)」について「存じ上げません」と述べた。源馬氏は「#NoHeartNoSNS」は総務省が行っている取り組みだと指摘したが、杉田氏は「その質問は通告をいただいていない」と回答。「伊藤さんがどういう気持ちになるか想像できなかったのか」と問われると、「係争中なので、答弁を差し控えさせていただきたい」と述べた。「#NoHeartNoSNS」の特設サイトでは、誹謗中傷を受けた際の相談窓口などを紹介している。杉田氏は過去にも、月刊誌に「LGBTには生産性がない」と寄稿し、大問題になった。度重なる誹謗中傷に加担する言動を繰り返してきた人物を、8月の内閣改造で総務政務官に起用した岸田首相の見識が厳しく問われる。

Sankoub
次号/③伊藤詩織さん勝訴続く、これからは「ジャーナリスト」として活躍する姿を見せて欲しい
前号/①伊藤詩織さん性暴力訴訟で最高裁判決勝訴、レイプ被害認定も司法への課題山積

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伊藤詩織さん性暴力訴訟で最高裁判決勝訴、レイプ被害認定も司法への課題山積/少数派

2022年10月26日 | 社会の弱者・人権
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伊藤詩織さん性暴力訴訟で最高裁判決勝訴、レイプ被害認定も司法への課題山積

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■被害後7年、裁判でも5年を要し長かったがやっと伊藤詩織さんが勝訴を得た
ジャーナリストの伊藤詩織さんが、性的暴行を受けたとして元TBS記者の山口敬之(のりゆき)に損害賠償を求めた上告審で、最高裁は7月、「性行為に同意がなかった」とし山口の上告を棄却する決定をしました。被害から7年、裁判でも5年を要し、非常に長かったが伊藤詩織さんが勝訴を得ました。状況をお伝えする前に、投稿者からのお詫びと釈明を。事件発覚後から気に掛かり、あるいは3年ほど前から詳細を投稿したいと考え、新聞を保管していました。しかし何分にも裁判の途中、また性暴力というデリカシーな問題も引っ掛かり、今まで躊躇しておりました。今思えば、あまりにも酷いネトウヨどもの誹謗中傷に対し、批判する投稿ぐらいは実行するべきだったと反省しております。そこで、当時書こうとしていた下書きや、今まで溜め込んでいた新聞記事などを編集して、現在に至るまでの多くの経過を数回に渡り連載して参ります。山口やネトウヨの悪質性、なぜ裁判が長引いたのかの裏側、“セカンドレイプ”と言われる被害を受けた側が誹謗される、日本社会の右翼思想を徐々に明らかにしていきます。

■顔を公にして闘った5年に及ぶ訴訟に「後悔はない」と時折声を詰まらせながら語る
ここからはいくつかの新聞やネット記事を羅列します/元TBS記者の山口敬之氏(56)による性暴力被害を認定した判決の確定を受け、ジャーナリストの伊藤詩織さん(33)が7月20日、東京都内で弁護団と記者会見を開いた。伊藤さんは「一つの区切り。当事者としての声を発信するのはこれきりにし、報道の仕事に専念したい」と語り、顔と氏名を公にして闘った約5年に及ぶ訴訟に「後悔はない」と時折声を詰まらせながら語った。1、2審判決によると、伊藤さんは2015年、就職先の紹介を受けるため山口氏と会食した後、深酔い状態となり、自力でタクシーから降りられず2人でホテルに入った。山口氏は意識を失った伊藤さんと性行為をし、伊藤さんはその後、病院に駆け込み警察や友人に相談した。

伊藤さんは2017年、山口氏に約1100万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴。性行為を巡る同意の有無が争点となった。最高裁第1小法廷は7月7日付で山口氏側の上告を棄却する決定を出し、「同意がなかった」として山口氏に約332万円の賠償を命じた2審・東京高裁判決が確定した。伊藤さんは会見で「公に自分の性被害を語ることは家族からも反対され、いろいろな溝が周囲とできたこともあった」と振り返り、「一緒に声を上げてくださった方がいたことは、私が生きていく中で大きな支えになる」と感謝した。

■性犯罪取り締まり強化への道は「これからの司法に課された課題」
被害から7年。「(訴訟を担当した西広陽子弁護士に)初めて相談したのが25歳で、今は33歳。『これがやりたい』『あれがやりたい』とリストを作って、やりたいことがたくさんあって……その中で出会った人もいて、学んだことが多く、後悔はない」と語った。この一件を巡っては、東京地検が16年、準強姦(ごうかん)容疑で書類送検された山口氏を容疑不十分で不起訴処分とし、検察審査会も17年に不起訴相当と議決している。伊藤さんは「日本の刑法では同意のない性交はレイプではないということにすごく問題を感じ、変えてほしいと思った」と被害公表時の心境を説明した。

一方で、賠償額では弁護士費用や医療費もカバーできず、「あまりにも負担が大きかった」と語った。西広弁護士も「訴訟がこれだけ継続すると、被害者は精神的、経済的に負担を強いられる」と指摘した。伊藤さんは雑誌や著書で「山口氏から薬(デートレイプドラッグ)を飲まされた」などと主張していたが、東京高裁は「薬を飲ませたと認める的確な証拠はない」とし、反訴した山口氏に対する名誉毀損(きそん)の成立を認め、伊藤さんに55万円の支払いを命じた2審判決も確定した。伊藤さんは「話してはいけないこととして自分の被害がとらえられた。今後どう自分の被害を語っていけばいいのか。最高裁の決定も一つの判断だが、これが全て今の社会で進むべき方向を示しているものではないと思う」と指摘し、山口元一弁護士も「これからの司法に課された課題」とした。

■再び投稿者の文書|安倍氏に近い人物が事件を起こし安倍氏を忖度する役人が庇う
伊藤さんにとって、この7年がどれだけ長く、どれほどつらかったことか。記者会見ではそれを押し殺していたことも分かり、勝訴し「後悔はない」と言うものの心の中は大変な悔しさがあったろうに、それまでのことが彼女を強くさせたと思います。次号以降、①7年間の経過説明、②伊藤さんの訴訟や活動を妨害しセカンドレイプと言われる右翼層やネトウヨの誹謗中傷の実態、③安倍元首相の威を借る自民党右翼議員や忖度官僚の醜い姿、④レイプ被害を受けた女性側に瑕疵(かし)があるとする一部の日本人の風潮を、当然のごとく浮き彫りにしていきます。またこれをきっかけと言っては失礼ながら、⑤泣き寝入りしない女性の動きが出ている、⑥遅れ馳せながら多少とも、性被害・性犯罪取り締まりの法律強化の気運が高まっている~などを順次、お伝えしたいと存じます。

次号以降で説明しますが、政治的悪質性やこれほどまでに裁判が滞った背景を少しだけ挙げておきます。全て、遠くに安倍元首相の姿が見えてきます。加害者の山口敬之は、安倍氏と親しいことで有名な人物です。警察は、帰国する山口の逮捕状を用意して成田空港で待機していました。しかし警察幹部が忖度し、直前に取り止めを指示し逮捕は執行されませんでした。当時、逮捕中止を命じたのが、過日、安倍氏銃撃の責任を取って辞任した、極めて安倍氏と近いとされる検察庁の中村格(いたる)長官でした。なんと皮肉なことでしょうか。さらには伊藤さんを誹謗中傷するSNS投稿に異常なまでの「いいね」を押し、東京地裁判決で55万円の損害賠償を命じられたのが、女性蔑視発言を繰り返す自民党極右思想の杉田水脈(みお)議員です。杉田氏は過去、落選続きにも関わらず、安倍氏の強いコールで地元の反対を押し切り、中国比例代表の上位にランク付けされ当選した、言わば安倍氏の“子飼い”なのです。今後、それらを順不同で連載します。

Sankoub 次号/②伊藤詩織さんを中傷したサイトに「いいね」繰り返した自民党杉田議員に賠償命令

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毎日新聞社説・杉田水脈氏を政務官に!「差別を認める内閣なのか」/少数派

2022年08月19日 | 社会の弱者・人権
Ns170minoritytp 少数派シリーズ/政治情勢
毎日新聞社説・杉田水脈氏を政務官に!「差別を認める内閣なのか」

M20201021 握手する安倍首相(当時)と杉田議員
※20年10月の投稿時の写真(前出)、下記に当時の投稿文リンク

■[LGBTは生産性がない」「女性はいくらでもウソをつける」「男女平等は反道徳の妄想だ」
投稿は毎日新聞を活用しております/差別的な発言を繰り返してきた国会議員を、どんな理由から政府の要職に起用したのか。任命した岸田文雄首相の見識を疑わざるを得ない。第2次岸田改造内閣の総務政務官に就任した、自民党の杉田水脈(みお)衆院議員のことだ。安倍晋三元首相らの後押しにより、過去2回の衆院選では、比例単独候補として党から優遇されてきた保守系議員である。杉田氏は2018年、月刊誌「新潮45」への寄稿で、LGBTなどの性的少数者について「彼ら彼女らは子供を作らない、つまり生産性がない」と記した。20年9月の党会合では、性暴力被害者の相談事業をめぐって「女性はいくらでもウソをつけますから」と述べた。女性からの申告に虚偽があるかのように受け取れる発言だった。かつて国会質問で「男女平等は反道徳の妄想だ」「男女差別は日本社会にはなかった」などと発言したこともある。杉田氏は世論の批判を度々浴びたが、自説を明確に撤回せず、あやふやな弁明に終始してきた。

政務官就任の記者会見では「過去に多様性を否定したことも、性的マイノリティーを差別したこともない」と言い張った。不適切な人事は杉田氏に限らない。「性的少数者は種の保存に背く」という趣旨の発言を昨年の党会合でしていた、簗(やな)和生衆院議員は副文部科学相に就いている。性的指向に基づく差別や女性蔑視は、国政を担う者として、決して許されない。自民党の責任も重い。第2次安倍政権以降、自民党議員の差別的な発言が目立つ一方、党はあいまいな対応にとどめてきた。差別を許容する土壌があるのではないか。弱者や少数者に対する差別・偏見の根絶は、国際社会の基本理念である。首相は常々「多様性の尊重」を訴え、主要7カ国(G7)の首脳は、性的指向に関わらず平等に暮らせる社会の実現を目指すことで一致した。今回の人事がこれに逆行しているのは明白だ。「差別を容認する内閣」という誤ったメッセージを内外に発信しかねない。首相は即刻、人事を見直すべきだ。

■投稿者の文章|それにしてもこんな人物を政務官に就けた岸田首相の常識を疑う
杉田氏は写真のように、まさに安部元首相の”申し子”と言っていいだろう。そもそも杉田氏の立候補と2回の当選は、安部首相(当時)が大きく関わった。地元自民党の大反対にも関わらず、安部首相がごり押しで比例中国ブロックの名簿上位に掲げ当選した。だから無節操な発言も、安倍氏や右翼層を喜ばす言わば代弁者気取りだ。過去にも書いたが安倍夫婦には子供がなくLGBTとは異なるが、その恩人の前でよくも「子供を作らない人は生産性がない」と言えたものだ。また全国には大勢の方が、不妊で悩んでいる。それにしても、岸田首相はこんな人物を政務官に就けたのが情けない。岸田首相の常識を疑う。安倍氏の「お気に入り」だから、あるいは右翼層へのへつらいなら大問題だ。いくら自民党内の事情でも、こんな人物を選んではならない。奢る岸田~選挙の結果がこうさせる。ここからは余談で、生前、安倍氏は「女性」を見る眼がなかった。抜擢される3つの基準いづれかに当てはまる人で、右翼思想、自分に逆らわない、もう1つは人権上、投稿者は言えない(笑)。昭恵夫人を始め、この杉田氏・高市氏・稲田氏・森雅子氏・今井絵里子氏・つい直前には生稲氏も党内の反対を無視した公私混同の無理強いだった。終わりに安倍氏と言う後ろ盾を失い、杉田氏の次回選挙は無理だろう(投稿者の願望)。皮肉だが、これが最後の3年間の議員生活、唯一の”大役”か?

Sankoub 自民党・杉田水脈議員「女性はいくらでもうそをつく」繰り返される暴言を許さない

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無差別殺人犯「誰でもよかった」は「弱い者なら」が含んでいる究極の弱者いじめ/少数派

2022年06月16日 | 社会の弱者・人権
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無差別殺人犯「誰でもよかった」は「弱い者なら」が含んでいる究極の弱者いじめ
短文orそこそこ文の投稿集・うるせーオヤジだ!

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「ハラスメント」は、「いじめ」と同様に書きたくないテーマだ。書きたくないのは、事態を『無視』していることではない。あまりにも可哀想・気の毒という気持ちが優って、気が進まない。一方で、日本の社会に少しずつジェンダー意識が高まったことは喜ばしい。お陰様で優しい?投稿者は、現役中にハラスメントはなかった。気が付かなかっただけなのかもしれない(苦)。上司の側もどこからが「ハラスメントで、どこまでが友好的な会話」か判断が難しく悩んでいる。やはりハラスメントが起きる根本は、企業に余裕がなくギスギス感だけが漂う職場だ。やはり、時代感覚がズレた社長やオッサン管理職がいる。良い意味で前向きな会社や和気あいあいの職場は、データ的にハラスメントは少ない。経営者トップの考え方1つで決まる。

現時点で最高位者のハラスメント=「セクハラ」は、細田博之衆院議長(78)だ。書くことも恥ずかしいような言葉で、女性記者に関係を迫ったとされる。詳しくは、掛かり付けの医者や行き付けの美容室に置いてある「文春」をご覧頂きたい。その他、「議長でも毎月歳費は100万円しかない」~国民感覚・金銭感覚のなさ。地元議員らを買収した、公選法違反も重大だ。投稿者としてはハラスメントとは離れるが、立法府の最高位者・議長という立場にも関わらず、過去、国会で採決された選挙区割りの「10増10減」に、不満を持つ発言を重ねている。要はあまりにも、人格のない人間・ハレンチ野郎が最高位者であることが情けない。今までの実質・安倍派の傲慢・無反省が根源だ。

職場だけでなく広く捉えれば、ハラスメントはどこにでもある。顕著な例は介護老人に職員が暴力を振るう、我が子への虐待、煽り運転、米国学校への銃乱射、はたまた国内の無差別殺人など女性・子供・老人・社会的弱者などが狙われ被害(殺害)に遭う。いわゆる選別された、「弱い者いじめ」だ。殺人犯は必ず「誰でもよかった」と言うが、屈強な男性が狙われたことはない。本心は、「弱い者なら誰でもよかった」。また先程の運転でも、外車や見るからにヤクザの車が煽られたニュースは聞かない。哀しい人間の性ではあるが、それで解決してはならぬ。プーチンの蛮行・ロシアのウクライナ侵攻、中国も台湾を我が物にしようとする、これも弱い者いじめのハラスメント。国家的ハラスメントなので、「クニハラ」か。核で脅す「核ハラ」、ミサイルで威嚇する「ミサ・ハラ」。失礼ながら、原さんが脅せば・・・

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永山悦子氏コラム◇出生前診断「異常あり」の9割は中絶する内なる優生思想/少数派

2021年11月08日 | 社会の弱者・人権
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永山悦子氏コラム◇出生前診断「異常あり」の9割は中絶する内なる優生思想

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毎日新聞の夕刊、「見上げてごらん永山悦子」というコラムからの記事をご紹介します。
*タイトル付け、文章の省略化、補足は投稿者によるものです。

緊急事態宣言に同調し投稿を控えていたため、投稿日と記事の日時・状況と整合性がありません。

今年21年3月に開かれた日本小児科学会のフォーラムは、妊婦の血液を使って胎児の染色体の異常の有無を調べる新型出生前診断(NIPT)が主なテーマ。今夏にも国も関与する新たな認証制度が始まる。そのとき学ぶべき過去とは何か。NIPTは2013年に日本産科婦人科学会が認証制度を作り、全国へ広がったが、ルールに従わず情報提供やカウンセリングが不十分な無認可施設も相次いだ。「金もうけの手段」にする施設もあるとされる。国が制度に加われば、一定の歯止めになるだろう。

だが、それが逆にこの検査を「推奨」することにならないか。そもそも検査はだれのため、何のためのものなのか――。すっきりしないのは、NIPTで分かる障害はごく一部であり、障害があってもさまざまなサポートを受けながら幸せに暮らす家族も多いのに、NIPTで「陽性(異常あり)」となった妊婦の9割以上が中絶を選んでいるからだ。日本の法律では、人は出生から始まるので、胎児は人ではない。ただし、胎児は母親の体内で、泣いたり笑ったり、あくびをしたりしている。夢を見ている可能性も高い。病気があれば、胎児への手術も実施される。

そんな胎児は検査や中絶の決定にかかわることはできない。世界中で実施されている検査だから、親に「受けるべきではない」とも言えない。増崎さんは「NIPTには答えがない」「(出生前診断は)妊婦さんを悩ませるタネになってしまった」と述べる。フォーラムでは「障害児=不幸」「不良品ははねるもの」という優生思想の根深さを指摘する意見も出された。障害を持つ人の強制不妊手術の根拠になった旧優生保護法なき今も、私たちには「内なる優生思想」が残っているのではないか。

投稿者の文章/多くの皆様の苦悩やご尽力によって、旧優生保護法は1996年に事実上失効した。しかし今度は、出生前診断によって、延々と優生思想は続く。検査で異常ありとされても、ほとんどが日常生活では支障ないことが証明されている。とは言え、こんな検査がある限り妊婦は悩む。中絶すれば、我が子を抹殺したと親はそれはそれで苦悩する。投稿者はそんな世代ではないものの、かなり問題ありと考える。だからといって、是非を問われても下せない。こうした世の中の現実に心は痛む。

Ntopkeiji

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全盲女性への事故賠償額は健常者の8割判決、これでは裁判所が格差・差別の追認に/少数派

2021年11月02日 | 社会の弱者・人権
Ns170minoritytp 少数派シリーズ/社会の弱者・人権
全盲女性への事故賠償額は健常者の8割判決、これでは裁判所が格差・差別の追認に

M202110013

緊急事態宣言に同調し投稿を控えていたため、投稿日と記事の日時・状況と整合性がありません。

■事故がなければ「全盲でも自立できたはず」と健常者と同じ賠償を求めたが・・・
投稿はしんぶん赤旗を活用しております/山口県下関市で2008年、当時高校生だった全盲の女性が車にはねられて重い後遺障害が残り、車の運転手に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、広島高裁(金子直史裁判長)は9月10日、1審・山口地裁下関支部判決を変更し、原告の女性が将来働いて得られたはずの「逸失利益」を「全労働者の平均賃金の8割が相当」と認定し、被告に賠償を命じた。1審は全労働者の平均賃金の7割としており、1割増額した。原告は下関市の新納(にいの)茜さん(30)。全盲である新納さんの逸失利益が健常者と同じ程度に認められるかが争点だった。原告代理人によると、未成年の視覚障害者の逸失利益を巡る訴訟は新納さんが初めてという。

訴状などによると、08年5月20日朝、当時、同県立下関南総合支援学校高等部2年だった新納さんは登校中に車にはねられ、意識不明の状態が続いた。意識は戻ったが、高次脳機能障害などの後遺障害が残り、突然発作が起きる難治性のてんかんも発症し、見守りが常に必要となった。訴訟で原告側は、事故前の新納さんは1人でバス通学し、買い物にも行くなど自立した生活を送り、図書館司書を目指して進学を考えていたなどと主張。逸失利益は全労働者の平均賃金に相当すると訴えていた。しかし、20年9月の1審判決は、平均賃金の7割(約4040万円)と認定し、控訴していた。

■障害があってもなくても同じ収入を得られる社会を目指さなければならない
金子裁判長は、全盲の視覚障害が労働能力を制限してしまうことは否定できないと指摘。身体障害者の平均賃金が13年時点で全労働者の約7割にとどまるとした上で、新納さんの経歴を踏まえ「潜在的な稼働能力を発揮して健常者と同様の賃金条件で就労する可能性が相当あった」として、1審よりも新納さんが健常者と同等に働ける可能性を評価して8割(約4620万円)が相当と判断した。判決後、原告側の大胡田(おおごだ)誠弁護士は上告しない方針を示しつつも「障害があってもなくても同じ収入を得られる社会を目指さなければならないのに、今ある差別を裁判所が追認した不当な判決だ。たとえ1%であっても障害を理由にした減額は受け入れられない」と語った。一方、被告側代理人は「判決文を読んで対応を検討する」としている。

東京新聞・補足記事/13年前、図書館司書になる夢を抱いて進学を目指していた全盲の高校生が、自宅前の横断歩道で車にはねられた。一命は取り留めたが、記憶力や認知力が低下する高次脳機能障害などが残った。茜さんは早産で生まれ、未熟児網膜症を発症し、目が見えなくなった。母・八栄子さん(53)は、茜さんが自立できるよう幼少期からあえて厳しく接した。茜さんは「みんなと一緒と思われたかった。『かわいそう』と思われたくなかった」と当時の心境を振り返る。小学校の中学年ごろから一人で路線バスに乗って通学した。買い物も一人で行った。パソコンは音声読み上げ機能を使い自由に使いこなした。読書が好きで、点字図書館で司書として働く夢を抱いた。

しんぶん赤旗の複製可能範囲内において、投稿者によって一部割愛や
それに伴う接続文章等の修正・タイトル付けを行いました。


投稿者からのひと言/判決は賠償額が健常者の7割から8割に増額されただけで、基本的な人権がスッポリ抜けている。投稿者など一般の人間は、裁判の知識は乏しい。よく聞くのは、こうした賠償の場合は将来働いて得られる収入(逸失利益)で計算される。これでは障害者は、「7割・8割」の価値しかないと言うことだ。本来なら障害があってもなくても、同じ収入を得られる社会にしなければならないのに、裁判所が「格差・差別」を追認したことになる。こんな判決は、裁判用語で使われる「合理的」ではない。障害者と健常者の共存は、パラリンピックで多くの方が認識されたが、実現までは程遠い。話は飛躍するが逸失利益の方式で計算されると、老い先短い高齢者は価値がないようで気の毒。計算の理屈は分かるが、歳若くしても老いても人は誰しもかけがえがない。障害者=健常者はもちろん、年齢による賠償額の相違は何とかならないものか。

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小国綾子氏コラム◇「夫婦別姓」の四半世紀・国民の概ね6~7割の賛成が得られる時代に/少数派

2021年10月29日 | 社会の弱者・人権
Ns170minoritytp 少数派シリーズ/社会の弱者・人権
小国綾子氏コラム◇「夫婦別姓」の四半世紀・国民の概ね6~7割の賛成が得られる時代に

M20211027b
党首討論会で「次の国会で選択的夫婦別姓を導入するための法案提出について賛成」かを問われ、唯一、挙手をしなかっ
た自民党総裁の岸田文雄首相(中央)21年10月18日 日本記者クラブ


■夫婦同姓を強制する国は世界中で日本だけ・国連の女性差別撤廃委員会などからも再三勧告を受ける
毎日新聞を活用しています/1996年、選択的夫婦別姓について、同僚記者の夫と連名で「記者の目」を書いた。「選択的夫婦別姓」を盛り込んだ民法改正案が国会提出を見送られたのを受けて書いたコラム記事だった。私の方は、銀行口座や健康保険証の名義変更で、自分の旧姓を繰り返し二重線で消され、訂正印を押され、傷ついた話を書いた。夫の方は、私の直属の上司に「小国さん」と誤って呼ばれ、言いようのない不快感を感じ、改名を強いられる女性の気持ちに初めて思い至った、という話。夫婦連名で「記者の目」を書くなんて前代未聞だった。でも「絶対に一人で書くまい、書くなら夫と連名で」と心に決めていた。なぜなら当時はまだ「夫婦別姓は女性の問題」と考える人が多かったから。夫婦の両方が当事者であることを可視化したかったのだ。あれから四半世紀。夫婦に同姓を強制する国はもはや世界中で日本だけ。国連の女性差別撤廃委員会などからも再三勧告を受けていて、世論も今や過半数が賛成していて、当事者やその子どもまでも声を上げている。それでも一部の国会議員の強い反対のせいで、国会で議論すらされない。

25年間、さまざまな声に耳を傾けてきた。「別姓か同姓かという選択肢ができるのが不安。これまでは『みんなそうだから』と同姓を選べていたのが、同姓を選ぶ理由を語らなきゃいけなくなる」と語った知人がいた。多数派の側にいたい人、選べる自由が不安につながる人もいると教わった。「別姓だと子どもがいじめられる」と案じた人もいた。でも今も親の離婚や海外にルーツを持つ場合など、「別姓」の両親を持つ子は少なくない。母語、肌の色、髪の色……。どんな差異もいじめにつながらないよう、むしろ学校や社会を変えていきたいと答えた。若い記者の最後の問いは「制度を実現することで、どんな社会を望みます?」。改めて考えてみた。私が望むのは、多数派の側にいないと不安だとか、少数派になるといじめられるとか、そんな息苦しさのない社会。誰もが自分らしく生きられる社会。私にとってはもう、「姓」だけの話ではないのだ。(小国綾子氏 毎日新聞オピニオングループ)

■東京新聞調査|都内の衆院選小選挙区立候補者も7割が夫婦別姓に賛成
M20211028a
M20211028b2

■投稿者の文章|自民党右翼層は家庭崩壊・離婚増大と言うが果たしてそうなるか?
夫婦別姓については、何度も書いてきた。投稿者は必ず“枕詞”で、国民の全員が強制的に「別姓」に変更せよ!というものではない。「選択的夫婦別姓」の名の通り、同姓にしたい方はそのままでもいいですよという制度だ。女性が今まで使ってきた姓が消える寂しさ、また変更手続きが煩わしく大変なこと。そうした女性が多いことは確か。しかし反対する人間は、むしろ今まで何も考えてこなかった男性が圧倒的。その象徴が、安倍氏や右翼的思想を持った人間達だ。彼等が必ず言う言葉が、家庭が崩壊する、離婚増大・子供が困る。携帯以上に日本は「ガラパゴス化」して、今時こんな議論をするのは世界で日本だけ。自民党右翼層の言うことが正しければ、世界中の夫婦が離婚している。画像のように、国会では反対するのは自民党だけ。自民党を支える公明党も維新の会も、夫婦別姓に賛成の手を挙げる象徴的なシーンだ。議論という言葉を使ったが、国会では自民党が強硬に反対するので俎上にも乗らない。自民党は口では多様性・グローバル化と言うが、単なるポーズだけ。頭の中が石のように固まった右翼思想が支配する政治が変わらない限り、既に行き詰った人権問題・社会保障、経済さえも抜け出せない。これらが日本独特の息苦しさであり、打破のために思い切ってまず夫婦別姓から始める必要があるのではないか。与党・野党とも、今度の選挙が試される。選ぶのは国民だ。

Ntopkeiji

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ウィシュマさん入管死亡事件報告書、非人道性は明らか飢餓状態放置・嘲笑浴びせる/少数派

2021年10月07日 | 社会の弱者・人権
Ns170minoritytp 少数派シリーズ/社会の弱者・人権(赤旗だより)
ウィシュマさん入管死亡事件報告書、非人道性は明らか飢餓状態放置・嘲笑浴びせる

M202110012

緊急事態宣言に同調し投稿を控えていたため、投稿日と記事の日時・状況と整合性がありません。

■「最終報告書」では死因さえ特定しないまま名古屋入管の対応を正当化する内容
投稿はしんぶん赤旗を活用しております/名古屋出入国在留管理局の収容施設でスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさんが3月に亡くなった事件で入管庁は、最終報告書を公表しました。報告書は、体制などで改善すべき点があったとしたものの、各地の入管施設で死亡事件が相次いでいたのに、なぜ教訓化されず死を防げなかったのか、具体的検証はありません。「不当なものであったと評価することはできない」と入管庁の対応を正当化さえしました。当事者である同庁任せの調査では全容解明ができないことは明らかです。報告書は、「病死」としながら、死因特定は「困難」としました。死亡の1カ月以上前から嘔吐(おうと)を繰り返し、「食べたいが食べられない」と訴えていたにもかかわらず、摂取できた量も不明です。

亡くなる3週間前の尿検査の結果は、「飢餓状態」でしたが、内科的な処置は行われていません。この検査結果は、4月に入管庁が公表した中間報告で伏せられていました。本人が点滴や受診を求めていた事実も分かりましたが対応しませんでした。収容の契機とされるウィシュマさんのDV被害についての調査もおざなりです。報告書は、これらの原因を「医療体制の制約」や情報共有・対応の体制の問題としています。しかし、入管職員が、体調不良の訴えは仮放免を得るための「詐病」とみなしたとの記述もあり、体制があっても対応しなかった可能性は否定できません。各地の入管施設では以前から、体調不良を訴えても診療を認めようとせず、診察までかなりの日数がかかるなど被収容者にまともに向き合わない姿勢が批判されてきました。

■在留資格のない外国人は全て収容する「全件収容主義」・構造的な「問題を不問にするな
背景には、仮放免や入院の必要性について、医師の判断より施設長の判断を優先させる入管行政の構造上の問題があります。報告書は、在留資格のない外国人は全て収容する「全件収容主義」のもとで、司法審査を経ず無期限で収容する非人道的な扱いなど、国際的に批判の強い制度のあり方には一切言及していません。ウィシュマさんの仮放免を不許可とした決裁書には「支援者にあおられて仮放免を求めて執ように体調不良を訴えてきている者」「一度、仮放免を不許可にして立場を理解させ、強く帰国説得する必要あり」と記されていたとしています。被収容者の訴えに耳を傾けず、長期収容を送還に追い込む手段として、組織的に用いていることをうかがわせます。

入管施設で医療を受けられず死亡した事例が後を絶たず、職員の暴力、暴言、人権侵害を告発する声も続出していたのに改善されないことは深刻です。ウィシュマさんがものを飲み込めず苦しむ様子をからかう職員がいたことは、信じがたい人権意識の欠如です。これまでの事件の際、不十分な調査でお茶を濁し、人権無視体質を温存してきたことを猛省すべきです。今回の報告書で幕引きは許されません。第三者による内部立ち入りを含めた調査、ウィシュマさん死亡前の施設内でのビデオ映像の全面開示、国会での十分な審議を行い、真相を徹底究明すべきです。その上で、外国人の人権保障の観点にたち、「全件収容主義」の廃止など、入管行政そのものを抜本的に改めなければなりません。

ウィシュマさん死亡の経緯
・2017年6月、留学生として入国。しかし学費が払えなくなり、日本語学校の籍を喪失。
・19年1月下旬から、超過滞在となる。
・20年8月、同居人の暴力から逃れるため交番に相談したところ、不法残留で逮捕。名古屋入管に収容される。
・21年1月頃から体調不良を訴え、3月6日、33歳で亡くなった。
・体重は収容半年で約20kg減少、仮放免や病院での点滴を求めましたが認められず。

■日本共産党・藤野保史衆院議員のコメント「戦前の特高警察から続く異様な制度」
『入管庁の外国人収容施設では、2007年以降17人が亡くなっています。「在留資格が切れた」という形式的な理由で、裁判所も通さず、入管庁の独断で収容施設に追いやるものです。収容期間の上限もありません。国際的に見ても異様な制度であり、国連機関から再三「人権侵害」を指摘されています。戦前、入管は内務省の管轄で、特高警察が実務を担っていました。外国人の権利を認めず、治安のための取り締まりの対象でした。この特高警察的な入管制度が戦後70年以上も法改正もされず、今日に至っています。現行の入管制度も、外国人を管理の対象としてか見ていません。最初から、「厄介者」扱いなのです。根底には、政府・財界が、外国人労働者を「安価」で「調整可能」な存在としてしか見ていない。必要な時だけ働かせ、不必要になったら帰国させる。そこには外国人の人権を尊重する考えはありません。外国人の受け入れの在り方を含め、入管制度の根幹を抜本的に正していくことが必要です。』

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投稿者からのひと言/遺族が求めた監視ビデオを見た妹のワヨミさんは、あまりにも酷くて見ていられず中断したと言う。法務省は監視映像2週間分を2時間に編集したというが、恐らくカットされた部分はもっと残虐なことがあったと容易に推察される。妹は「姉は助かることができたはずなのに、病院にも連れて行かれず、犬のような扱いをされていた」と号泣して訴えた。ウィシュマさんがカフェオレを上手く飲み込めずに鼻から出してしまうと、看守は「鼻から牛乳や」と嘲笑った。死亡の数時間前には、「ねえ薬(やく)決まってる?」とあたかも薬物常習者と見做す対応。床に倒れている彼女をベッドに戻す際も、看守は「重たい、重たい」を連発。人としての扱いがされていない様子だった。とにかく入管は、最初から「厄介者」の扱い。専門家は昔から訴えていたが、いわゆる外から見えないブラックボックス化していることから、入管の制度や看守も「人間の尊厳」の意識などない。これを機会にと言えば亡くなったウィシュマさんに失礼だが、一刻も早く根本的に入管制度を見直さなければならない。

Akahatatop

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大治朋子記者コラム◇映画「護(まも)られなかった者たちへ」から見えてくる弱者切り捨て/少数派

2021年09月28日 | 社会の弱者・人権
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大治朋子記者コラム◇映画「護(まも)られなかった者たちへ」から見えてくる弱者切り捨て



■作品を貫くキーワード「生活保護・烙印(らくいん)・自助・自己責任論」への問い
投稿は毎日新聞を活用しております/東日本大震災から10年目の被災地で、2人の「善人」が何者かに拉致、監禁され餓死する。連続殺人事件の捜査線上に浮かんだのは――。10月1日に全国公開される映画「護(まも)られなかった者たちへ」(瀬々敬久監督)を見た。原作は中山七里氏の同名の人気小説。俳優の佐藤健さん、阿部寛さんらの演技が繊細で、それでいて力強い。作品全体を、コロナ禍の現代社会にも通じるキーワードが貫く。「生活保護」「スティグマ(烙印・らくいん)」「自助」「自己責任論」。震災も疫病も、社会に巨大な負荷をかける。それに耐えるために必要な資源や備えを持たない社会は、時に、弱者を排斥したり切り捨てたりすることで何かを得て、危機を乗り越えようとする。コロナ禍に見る役所の飲食店タタキは、そんなスケープゴート(生けにえ)の典型だろう。

生活保護受給者へのバッシングが広がったのも、震災などで受給者が増えた2011年以降だ。「生活保護を恥だと思わなくなったのが問題」。そんな暴言を口にする政治家まで現れ、12年、当時野党だった自民党は生活保護費削減などを公約に政権復帰し、実行した。「自助路線」の始まりだ。映画には、生活保護の相談に訪れる市民を体よくはねつける役所の「水際作戦」や、「自己責任」という名の「弱者切り捨て」社会のいやらしさも描かれている。今のコロナ禍でも、入院の絞り込みではねられて自宅療養とされた人々が命を落としている。感染者は「自己責任」とたたかれ、差別される。そんな「切り捨て」社会の根底には、往々にして「公正世界信念」が潜むとされる。

社会心理学の概念で、世界は公正で、頑張った人は報われ、そうでない人は相応の報いを受ける、という因果応報的な考え方だ。そう信じると「自分はきっと大丈夫」と安心できるから、危機の時代ほど支持されやすい。だが現実には、どれほど清潔にしてもコロナにかかってしまうことはあるし、生まれながらにして貧しい人もいる。つまりこの世は不条理、不平等なものであり、だからこそその格差を埋める「公助」が必要になる。成熟した民主主義社会に期待される基本的機能だ。映画では、ある登場人物がこう断言する。「死んでいい人なんていないんだ」。公正世界信念やそれに足場を置く自己責任論の果ては「死んでもいい人はいる」だろう。そんな社会に生きたいか。映画はそう問いかけてくるようだ。
※大治朋子氏 毎日新聞専門記者 コラム「火論(かろん)」から

投稿者によって一部割愛やそれに伴う接続文章等の修正・タイトル付けを行いました。

投稿者からのひと言/気持ちはすぐでも見たいが、投稿者は”引き籠り”予備軍なので、ひたすらTV上映かDVDが発売されるのを待つ。東京新聞・望月衣塑子氏の著書を原案にした「新聞記者」も、そうだった。菅首相を批判する「パンケーキを毒見する」は、まだ見ていない。さて菅首相はコロナ禍で収入が絶え困窮する方にさえ、「自助・自己責任」を求めた。せめて困窮者に2回目の給付金支給を!も頑なに拒んだ。こんな非人道的行為が許される訳がなく、当然のごとく辞任に追い込まれた。厚労省は、最近でこそ野党やコロナ対策を求める国民から突き上げられ、「生活保護は権利です」と言い始めた。それまでは地方自治体に圧力を掛け、「門前払い」や働き場所がなくて困っている申請者に無理やり働けと威嚇、「扶養紹介」=生活保護を受け付けず親や子供・兄弟・親戚に面倒を見させる等の圧力を掛けて、事実上の申請を拒否してきた。以前にもご案内したがその狭間で、悲惨な事件が起こった。かなりの申請を行っても受け付けてもらえず、50代の男性が「おにぎりが食べたい」というメモを残して餓死した。飽食、大量の食料廃棄が問題になっている日本なのに、現実は満足に食べられない方が多くいる。一方、下記リンクのように自民党・石原伸晃議員は生活保護を「ナマポ」と呼び蔑視した。普段から弱者無視、自己責任など右翼的言動が目立つ。ところが自身がコロナ感染した際は中々入院できない重症者を尻目に、自己責任の言葉はどこへやら我先にと即入院した。もうすぐ自民党の総裁選・新首相が誕生するが、個人より家父長制をと、公助・共助を無視する党では何も変わらない。変わらないどころかますます格差が拡がり、強者・弱者をハッキリさせる。あなたはこんな社会で暮らしたいですか?

Sankoub
98・松尾貴史氏コラム◇コロナ感染の自民石原元幹事長・重症国民を押し退けて優先入院

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最高裁・夫婦別姓を再び認めず「国会で判断を」と時代に背を向けた判決*毎日新聞/少数派

2021年06月30日 | 社会の弱者・人権
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最高裁・夫婦別姓を再び認めず「国会で判断を」と時代に背を向けた判決

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■最高裁は正面から憲法判断を避けた、「憲法の番人」の役割を放棄したに等しい
投稿は毎日新聞(社説)を活用しております/個人の生き方や家族のあり方が多様化している。そうした時代の変化に逆行する司法判断だ。夫婦別姓を認めない民法と戸籍法の規定について、最高裁大法廷が憲法に違反しないと判断した。事実婚のカップル3組が、別姓で出した婚姻届を受理するよう求めた裁判での決定である。最高裁の合憲判断は2015年の判決に続いて2回目だ。15人の裁判官全員が審理に加わる大法廷が、同内容の訴えについて同じ憲法判断をするのは異例である。今回の決定は、15年の判決を踏襲し、新たな考え方は示さなかった。その後の社会の変化や国民意識の変化を踏まえても、変更する必要はないと結論づけた。夫婦のどちらかが姓を変えなければならないのは、人権に関わる問題だ。にもかかわらず、最高裁は正面から憲法判断することを避けた。「憲法の番人」としての役割を放棄したに等しいと言わざるを得ない。

15年の判決が夫婦同姓の義務づけを合憲とした理由は「社会の基礎となる家族の呼称として、姓を一つに定めることには合理性がある」というものだ。しかし、家族の形はさまざまである。事実婚の人が増え、離婚や再婚も珍しくなくなっている。17年の内閣府の調査では、姓が違っても家族の一体感に影響はないと考える人が64%に上る。一方で女性の社会進出が進み、姓が変わることの弊害は大きくなっている。それまでの経歴や業績が周囲に認識されにくくなり、仕事に支障が生じている。15年時点と比べ、結婚時に同姓か別姓か選べる選択的夫婦別姓制度の導入に賛成する人が増えている。毎日新聞などの今年3月の世論調査では賛成が51%となり、反対の23%を大きく上回った。

■国連の女性差別撤廃委員会は繰り返し是正を勧告しているが国会は自民党が反対固執
各地の地方議会でも、選択的夫婦別姓の法制化を求める意見書の採択が相次いでいる。最高裁の今回の決定は、こうした現実を直視しないものだ。見過ごせないのは、夫婦の96%が夫の姓を選んでいる現実である。女性が姓の変更を迫られるケースがほとんどという状況は、憲法24条が定める両性の平等に反している。「夫が外で働き、妻は家を守るもの」という旧来の固定観念が解消されない一因にもなっている。15人の裁判官のうち、4人は違憲だと主張した。うち2人は、夫婦別姓を認めない民法などの規定について「婚姻の自由を求める憲法24条の趣旨に反し、不当な国家介入に当たる」と指摘した。多くの職場で、結婚前の姓を通称として使って働くことができるようになった。住民票やマイナンバーカード、運転免許証にも旧姓の併記が認められている。とはいえ、通称の使用は所属組織や契約相手の意向次第で、小手先の対処では限界がある。そもそも氏名は個人として尊重されるための基礎となる。姓が変わることで、自分が自分でなくなるとの思いを抱く人もいる。

日本以外に夫婦同姓を義務づける国はないという。国連の女性差別撤廃委員会は繰り返し、是正を勧告している。法相の諮問機関である法制審議会は、1996年に選択的夫婦別姓導入を答申しているが、四半世紀にわたって、たなざらしにされている。15年の判決が国会で検討するよう求めたものの、事態は動かなかった。そのため、司法の役割が期待されていた。ところが、最高裁は今回も踏み込んだ判断をせず、「国会で論ぜられるべき事柄にほかならない」と再び対応を委ねてしまった。そうであれば、国会が動くほかない。公明党や野党の多くは選択的夫婦別姓の導入に賛成している。鍵を握るのは自民党だ。自民党内では昨秋から、若手議員らを中心に導入を求める動きが広がり始めた。今年3月以降、推進派と慎重派の議員連盟が設立され、議論が活発化していた。だが、「伝統的な家族の形が崩れる」と保守派の反対が根強く、党としての結論は衆院選後に先送りされた。今回の最高裁の判断によって、導入論議にブレーキがかかる懸念がある。どの姓を名乗るのかは、個人の生き方に関わる問題である。議論を止めることは許されない。

投稿者によって、タイトル付けを行いました。

■投稿者より/自民党の低レベルな反対理由は「家庭崩壊」「離婚が促進」「子供の仲が悪くなる」
司法(最高裁)も立法(国会)も、夫婦別姓問題を避けている。下記リンクの際にも書いたが、国民全員が強制的に別姓にしろと言っているのではない。「選択的夫婦別姓制度」と言い、姓を変えたくない人はそのままでいいという趣旨だ。国連から是正勧告を受けているにも関わらず、国会はほったらかし。投稿者がツイッターでフォローしている元文部科学事務次官「前川喜平(右傾化を深く憂慮する一市民)」氏は、『今あなたが夫婦が別姓で暮らせる国に住んでいるとして、もし夫婦は同姓にしなければならないという法律が作られたら、それは人権侵害だと思わないだろうか?』とツイートしていた。国会はもちろん憲法の番人である最高裁は、こうした観点から踏み込まなければならない。問題は、自民党議員の低レベルな見識。夫婦が別姓だと「家庭が崩壊」「離婚が促進される」「子供の仲が悪くなる」、非公式なコメントも「子供が生まれなくなる」など呆れるばかり。言わば戦前の家父長的な流れを守りたい右翼的発想で、時代感覚がない。自民党議員の多数が加盟している、「日本会議」の影響。ここからは雑談、人気アニメの「サザエさん」「ちびまる子ちゃん」「ドラえもん」いずれも専業主婦、前者2者は大家族設定。夫婦共働きではドラマにはならないが、日本人は生まれながらにしてこうした背景に無意識に洗脳されている。だから夫婦別姓論議がなかなか進まない?

Sankoub
丸川珠代大臣「選択的夫婦別姓」反対活動、五輪相・男女共同参画担当相に不適格

Akahatatop

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入管法改正今国会断念・反人権的制度に批判集中、人権侵害加速を世論が阻んだ*赤旗だより/少数派

2021年05月19日 | 社会の弱者・人権
Ns170minoritytp 少数派シリーズ/社会の弱者・人権(赤旗だより)
入管法改正今国会断念・反人権的制度に批判集中、人権侵害加速を世論が阻んだ

Akahatan04

■声を上げれば悪政は止められる・外国人の人権と尊厳が守られる政治と社会の実現へ
投稿はしんぶん赤旗を活用しております/菅義偉政権が入管法(出入国管理及び難民認定法)改定案の成立を断念しました。事実上の廃案です。外国人への非人間的な扱いなど現行入管制度の欠陥を一層拡大する改定案の重大問題が浮き彫りになる中、国民の批判に菅政権が追い詰められた結果です。入管施設で命を奪われたスリランカ人の遺族の真相究明を求める訴えをはじめ、弁護士、文化人、若者らによるSNSの発信、座り込みなどが世論を動かし、国会の野党の共闘が力を発揮しました。声を上げれば悪政は止められます。外国人の人権と尊厳が守られる政治と社会を実現することが重要です。入管法改定案をめぐって国民の不信と怒りを広げたのは、名古屋出入国在留管理局に収容中に死去したスリランカ人女性、ウィシュマ・サンダマリさん=当時(33)=の事件と、真相究明に背を向け続けた菅政権の姿勢でした。昨年20年8月に留学ビザが失効して収容されたウィシュマさんは体調を崩し、食事もできないほど衰弱していたのに点滴などの処置はほどこされず3月に死亡しました。

入管法の下で人命が失われた深刻な事件にもかかわらず、法務省・入管側は真相を明らかにしようとしません。施設外の医療機関の医師が点滴・入院を指示した診察記録があるのに、出入国在留管理庁の中間報告書には指示がされなかったと反対の記述になっていることが発覚しました。この食い違いについてまともに説明しない姿勢は大問題です。来日した遺族は「なぜ死ななければならなかったのか」と真相解明を求めています。二度とウィシュマさんのような犠牲を出してほしくないという願いは切実です。この問題は絶対に曖昧にできません。ウィシュマさんの収容状況を撮影したビデオの全面的な開示をはじめ、事実経過と責任の所在を明確にすることが、いよいよ不可欠になっています。長期収容などの人権侵害が繰り返され、2007年以降だけでも入管施設でウィシュマさんを含めて17人も死亡者を出している異常事態に根本的にメスを入れなければなりません。

■断念させたのは急速に広がった国民の反対世論・民意に逆らう政治は通用しない
改定案の審議の中では、在留資格を失った外国人を全て施設に収容する「全件収容主義」の過酷な実態が厳しく問われました。裁判所の関与もなく、入管の裁量任せのやり方は世界に通用しません。国連の人権理事会などから何度も是正と改善を求められていることを政府は真剣に受け止めるべきです。難民申請の認定率があまりにも低すぎる日本の仕組みにも批判が相次いでいます。外国人の人権を守り、地域社会で共生していける制度へ切りかえることが急務となっています。菅政権は5月に入ってたびたび入管法改定案の採決を狙いました。その企てを阻止し、ついに断念させたのは、急速に広がった国民の反対世論です。民意に逆らう政治は通用しないことは明白です。新型コロナウイルスの感染拡大を抑え込めず、無為無策と後手対応を続ける菅政権への不信も高まるばかりです。メディアの世論調査では内閣支持率は急落しています。コロナ禍にもかかわらず数々の悪法に固執する菅政権をさらに追い込む世論と運動が重要です。

しんぶん赤旗の複製可能範囲内において、投稿者によって一部割愛や
それに伴う接続文章等の修正・タイトル付けを行いました。


投稿者からのひと言/菅首相の強権的政治の1つとされた入管法改正が、取り下げに至ったことは喜ばしい。昨年の「検察庁法案」の断念と同様、何と言っても国民世論の反対の高まりと野党共闘の成果と考える。やはり反人道的・反人権的、前時代的な入管法の精度そのものを根本から変える必要がある。その一方で、ウィシュマさんが殺されたことへの真相解明がなされていない。体調不良を訴えていたにも関わらず点滴や治療を行わなかったこと、部屋のビデオ提出や死に至った経緯を拒否する入管に憤りを覚える。こちらは、引き続き追及・究明を願いたい。

Sankoub 国内外の批判にこたえず入管法改定案・人権侵害の拡大は許されない

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国内外の批判にこたえず入管法改定案・人権侵害の拡大は許されない*赤旗だより/少数派

2021年05月09日 | 社会の弱者・人権
Ns170minoritytp 少数派シリーズ/社会の弱者・人権(赤旗だより)
国内外の批判にこたえず入管法改定案・人権侵害の拡大は許されない

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■外国人保護をせず刑事罰を科し威嚇で送還を促進する不条理極まりない
投稿はしんぶん赤旗を活用しております/菅義偉政権が「出入国管理及び難民認定法」改定案を今国会で成立させようとしています。同案は、非人道的と批判される入管行政を改めるのでなく、送還拒否への刑事罰の新設、難民申請者を強制送還する仕組みの創設など、在留資格がない外国人に早期帰国を迫るものです。国際社会の要請にこたえず、逆に人権侵害を拡大する改定案は撤回しかありません。日本政府は、技能実習、留学生アルバイト、特定技能などの資格を設け、外国人労働者を「安価な労働力」として受け入れる政策を拡大してきました。それは人材ビジネスと搾取の構造が結びつき、人権侵害の温床となってきました。奴隷的労働や暴力、暴言に耐えかねてやむを得ず逃げ出した外国人は、「失踪者」として扱われ、在留資格を取り消されます。

日本の入管行政は、在留資格のない外国人は全て収容し送還するという「全件収容主義」をとっています。裁判所の審査を経ず、無期限で長期収容する非人道的な扱いです。国際法に反するとして、国連人権理事会などから繰り返し指摘されてきました。ところが、改定案が収容に代わる仕組みとして新設する監理措置制度は、長期収容を解消するものではありません。必要性は入管庁が判断し、裁判所の審査はありません。長期収容は温存されます。監理措置は、親族や支援者のもとで暮らすものですが、就労は認められません。入管庁が選定する「監理人」に、「許可条件」の順守状況を報告させます。本来外国人の生活を支援する人々や弁護士に監視役をさせ、告発を義務付けることは、外国人保護と根本的に矛盾します。送還拒否、仮放免中の逃亡、監理措置違反などに刑事罰を科すことは、罰による威嚇で送還を促進する、不条理極まりないものです。

■入管難民行政は人権保障の立場にたたず個人に責任転嫁し強権的に排斥する
日本の難民行政は、審査に長期間を要する上、「難民」定義を「民主化運動のリーダー格」などと狭く捉えすぎることが問題になっています。2019年の認定率は0.4%です。難民に準じて外国人を保護する「補完的保護対象者」を新設するとしますが、そのガイドライン策定は入管の裁量任せです。根本解決につながりません。さらに改定案は、難民認定手続き中は一律に送還が停止される現在の制度に例外を設け、「難民認定を2度却下された者」などは、難民申請中であっても送還を可能とします。迫害を受けるおそれのある国への追放・送還を禁じる国際法上の原則にも反し、国際水準とかけ離れたものです。

改定案の問題が明らかになる中、名古屋入国管理局でのスリランカ人女性死亡事件(3月)が起こりました。借金して留学生として来日し、学費が払えず退学し在留資格を失いました。恋人のDVから逃れるため警察に保護を求めたところ、入管法違反で逮捕、入管施設に収容されました。食事が満足にとれず、点滴も受けられず死亡しました。病状悪化を放置し、死に至らしめた疑いが濃厚です。人権保障の立場にたたず、外国人個人の問題に責任転嫁し強権的に排斥する日本の入管難民行政のゆがみをあらわにした事件です。この事件の真相解明なくして、改定案の審議など許されません。

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それに伴う接続文章等の修正・タイトル付けを行いました。


投稿者からのひと言/あまり国民に知られていないように、入管はブラックボックス化している。今回の改正は改善されるどころか、ますます不透明になってしまう。亡くなったスリランカ人の女性ウィシュマさんの遺族が会見し、「入管から納得できる説明がない」と述べ、収容中の映像や診断書などを渡すよう求めました。事実上、入管に殺されたと同じだ。そもそも安倍・菅政権の政策が、外国人労働者を安価な労働力として使うあくどいもの(奴隷に近い)。労働環境は悪く、人権も社会保障も乏しい。従って夢に見た日本に来た労働者への仕打ちは酷く、殺されなくても失意の底に日本を去る。この政策は、根底から間違っている。

一方、昨年11月、外国人労働者受け入れに熱を入れる菅首相は、イギリス変異ウイルスの国内阻止を図れとする周囲の意見を聞かず、入国中止を行わなかった。今でも毎月、数万人規模で外国人労働者を受け入れている。緩い感染対策規制なので、イギリス株・南ア・インドの変異ウイルスがスルーし国内に持ち込まれる。メディアや感染症専門家は言わないが、関西をはじめ全国への変異株によるコロナ爆発は明らかに菅首相の大失態。これも経済優先が災いしたもの。

Sankoub 入管法改正今国会断念・反人権的制度に批判集中、人権侵害加速を世論が阻んだ

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