満月と黒猫日記

わたくし黒猫ブランカのデカダン酔いしれた暮らしぶりのレポートです。白い壁に「墜天使」って書いたり書かなかったり。

『PROMISE』

2006-02-10 01:23:44 | 映画

皆様ごきげんよう。気分的には金曜の夜なのに明日も会社ってどういうこと?と思っている黒猫でございますよ。

今日は『PROMISE』の試写会に行って参りました。
結構派手に宣伝している、チェン・カイコー監督の真田広之、チャン・ドンゴン、セシリア・チャン、ニコラス・ツェー等、アジアンスター共演作です。


幼い日、天涯孤独となった傾城(セシリア・チャン)は、女神と取引して「真実の愛を決して得ることができない」代わりに、この世で最上の暮らしを得るという取引をする。
長じて傾城は王の妃となるが、無歓(ニコラス・ツェー)により王城が攻められた時、王が助命されるのと引き換えに無歓に差し出されそうになる。それを救ったのは希代の大将軍・光明(真田広之)の奴隷、崑崙(チャン・ドンゴン)だった。崑崙は怪我を負った主の代わりに、大将軍のみ着用を許される華鎧を着て仮面をつけ、あたかも大将軍その人であるかのように振る舞い、傾城に剣を向けていた王を殺してしまう。崑崙は傾城を連れ一度は逃げ出すが、追っ手に追われふたりは離れ離れになってしまう。再会した時、傾城は自分を救ってくれたのは光明だと思い込み、光明に好意を抱く。
光明は傾城を愛し、真相を偽って傾城の心を得る。主にどこまでも忠実な崑崙は黙ってふたりを見守る。
一方、無歓は傾城を得ることを諦めておらず、巧妙にふたりを罠にかけ・・・?

というようなお話です。

ええと。

かなり期待して行ったのですが・・・。
うん。
イヤ、つまらなくはなかったです。アクションとか鎧のデザインとかチャン・ドンゴンの足の速さとか明らかにありえなくて(笑)かなり楽しみましたよ。映像もチェン・カイコーらしいビビッドな色が映え、うつくしいの一言に尽きました。
が。
ストーリー的にかなり微妙でした。
主要人物4人を均等に描写しようとしたあまり、どの人物描写も浅いまま終わった気がします。特にヒロインの傾城は色んな男性に愛されるという立場なのにあまり心理描写がなかったので「え、これどのタイミングで好きになっちゃったの!?なんでまた!?」とか、そういう行動が多かったような。同情とか共感とか軽蔑とか、そういう感情が起こるほど人柄がわからないまま終わった感じです。

一応ストーリーの目指す方向としてはシリアスなのだと思うのですが、戦闘シーンは明らかに香港映画の伝統を継承しつつ、よりお金をかけているので「イヤイヤイヤそれはありえないよ」「そんな奴はいないよ」というようなアクションがCGを交えてけっこう綺麗に描写され、笑いどころとしか思えませんでした。
なんかこのあたりが妙にアンバランスです。特に真田広之の鎧。罰ゲームとしか思えませんが(笑)、あれは大将軍しか着られない「華鎧」というそうで。兜に仮面が内蔵されていて、それを下ろすともうなんかウケ狙いの仮面舞踏会みたいになってしまっていたのですが・・・でも多分そこは作り手としては笑うところじゃなかったんだとは思うんですが笑ってしまいました(笑)。でも真田広之、北京語で頑張ってましたよ。

あと、ラスト。
あれはなぁ・・・。私的な意見ですが「えぇ!?そこで終わるのかよ!」というところで終わっていましたよ。何であんな終わり方・・・ラストは皆さんの想像にお任せします、ということなんでしょうが、でもそこで切らないんじゃないの普通。

帰りのエレベータで一緒に乗り合わせた男性二人連れの「結局あれ、監督は何を撮りたかったの?」「・・・格ゲー?」という会話が忘れられません(笑)。

観た感想を五七五で表すと、

落ち着けよ! そんなにいいか? その鎧

という感じでした・・・(笑)。

他にもニコラス・ツェーが及川光博にしか見えない件とかツッコミどころは満載でしたが、まあ、観たかったのでいいか(笑)。

ま、ご観覧は計画的に☆(消費者金融の「PR○MISE」風に)というお話ですよ☆