パスタを放射状にパラパラパラ

テレビで料理番組やグルメ番組を見ていると、パスタを茹でるシーンで鍋の外周に沿ってパスタが放射状にパラパラパラって入れられて、それって格好良いですよね。
ウチの店でもパスタメニューがあります、１０年前に店を始めた時にはそのパスタの茹で方が格好いいと憧れたものでした。
でもそれって、すぐに出来るようになるものなのです、何回かやっているうちにパスタを放射状にまんべんなく鍋に入れることが出来ました、以後１０年間ずっと自然にそうやってきました。
１ヶ月位前からこのパスタの茹で方を変えました、今更のように束ねた状態でそのままぼそっと鍋に入れるのです、家庭で誰もがやっているただパスタを鍋に入れるだけのやり方です。
何故、放射状にパラパラパラっていういかにもプロって感じのやり方を止めたのでしょう…。
じつはパスタを茹でる時は、出来るだけ早く全体をお湯の中に浸けて均一に茹でることが重要なのです。
放射状に入れると、結局は周囲から何度もお湯の中に押し入れなければならないのです、束で一直線だとその後方を数回押し入れるだけでお湯に浸かります、そこから所定時間茹でることが出来るのです、手間と時間短縮の為に放射状の投入方法はむしろそれを阻害しているのです。
今でも時々その放射状の投入をしてしまうことがあります、１０年間そうやってきたのですからしばらくはその癖が出てしまうでしょう。
１０年間の経験はとても長く、完全に身についてしまうものです。

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