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【拳骨日記】カイロプラクティック・コンディショニング・ルーム・Kの日々の臨床現場を通して医療のあり方を診療日記にしました

NO 621 筋肉痛用クリームで死亡

2007-06-26 | 感情ストレス
◆市販薬の筋肉痛用クリームで死亡例

 米国で17歳の陸上選手が筋肉痛を和らげるクリーム剤Bengayの過剰使用によって死亡したとするニューヨーク市検視局の結論を受け、市販(OTC)薬の危険性について警告する声が高まっている。

 AP通信によると、死亡した高校生はサルチル酸メチルを含有する複数の市販薬を併用していたという。サルチル酸メチルはBengayをはじめ、タイガーバームなど一般的な塗り薬の有効成分で、アスピリンに似た抗炎症作用をもつ。高用量サリチル酸を含む抗凝固薬には、内出血、不整脈、肝障害などの副作用がみられる。

 しかし、「Bengayは米国で100年以上も前から親しまれている製品であり、飲み薬ではなく塗り薬であることからも、危険性が忘れられがちである」と米Ruskリハビリテーション医療研究所(ニューヨーク)のGerard Varlotta博士は指
摘。2005年の統計によれば、米国で何らかの毒性物質への皮膚曝露により死亡した例は14例だが、局所薬は毒物曝露の原因の第7位で、2005年に約11万件報告されている。

 Bengayの製造元であるジョンソン・エンド・ジョンソン社はAP通信に対し、同製品は指示を守って使用すれば安全で、今回の死亡例は極めて稀なケースと述べているが、Varlotta氏は、警告をもっとわかりやすく表示するべきだと指摘している。市販薬は外箱をみても表示がわかりにくいものが多い。

 また、消費者の多くは、異なる市販薬に同じ薬剤が入っていることに気付きにくい。頭痛にアセトアミノフェンを服用しながら、同薬を含む風邪薬を併用するのも、よくみられる誤りだという。単にラベルの指示を守るだけではなく、複数の製品を併用したり使用量を増やしたりしないことが重要。

 このほかに注意を要とする例として、Varlotta氏はAdvilやMotrin(どちらも有効成分はイブプロフェン)などの鎮痛薬、漢方薬、サプリメント(栄養補助食品)、ヨーロッパで購入してくる人の多い抗炎症クリームのボルタレン(一般名:ジクロフェナクナトリウム、米国では市販薬として未承認)などを挙げている。「あらゆる薬剤にはある程度のリスクがつきもので、市販薬だから安全ということはない。飲み薬でも塗り薬でも、自分が使用するものについてよく知っておくべき」とVarlotta氏は述べている。

(HealthDay News 6月15日)


健康志向の高い人ほどサプリメントや健康食品の使用度が高いらしい。患者さんのなかにも結構いるようだ。理由を聞くと「病気をしたくない」「健康で長生きをした」「疲労を早く回復したい」「万全の体調で試合をした」と様々である。

気持ちはわからないでもないが使用する根拠があいまいである。表向きの理由は上記の理由だが潜在的には、周りの情報過多によるものがあるのではないか。メディア情報の氾濫で「サプリメントを使用すると健康なれる」といった貧しい根拠で心理的に惑わされているようだ。

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