伊香保温泉石段街の聖地スポットの続きです。斉藤恵那がスマホで景色を撮っている場所の作中イラストには、上図の「そば処 此処」の看板も描かれています。デザインは同じですが、作中では「そば処 何処」になっています。
その「そば処 此処」は、この日は定休日のようでした。北海道産の蕎麦を打つお店のようですが、一度食べてみたかったな、と残念に思いつつ、石段を降りました。
「そば処 此処」の手前の辻の奥には、上図の「伊香保点心219」の店舗がありました。看板の上に「手作り豚・牛まん、ちまき、ドイツソーセージ専門店」とありました。
よし、ここでも食べていこう、と思いついて店先に近寄り、上図左端の「赤城牛すき焼きまん」を買いました。豚まんは関西でもお馴染みですが、牛まんは初めて見ましたので興味をそそられたからです。
食べてみて、おっ確かにすき焼きの味わいだ、と感じました。美味しくて、写真を撮り忘れました。
さらに下へ降りていきました。一昨日のここは海外からの観光客が大半を占めた大混雑で普通にまっすぐ歩くこともかないませんでしたが、この日は御覧のように観光客の数も疎らで落ち着いていました。人気の観光地として名高いですが、あんまり人混みになるのも考え物です。
「そば処 此処」の次の辻から東の路地を見ました。上図の「つるや」はうどん屋さんのようですが、休業中でした。伊香保温泉のメインストリートの石段街界隈にさえ、このような休業中の店舗がちらほら見えるのが、伊香保温泉街のひそかな衰退ぶりを感じさせます。
いや、伊香保温泉に限らず、全国各地の有名観光地はどこも似たような傾向にあるようです。国内観光トップの京都にさえ、衰微の影がしのびよっているのですから、いくらインバウンドに注力して海外からの観光客を呼び込んだとしても、賑わいは一時的、限定的にしか得られず、観光産業全体の斜陽化には歯止めがかからないのが現状と言えるでしょう。
その傾向を象徴するかのように、石段街から左右の路地へ進むと、閉鎖した店舗が目立ってきました。一気に寂びれた、うらぶれた雰囲気になっていくのが、京都の四条や祇園界隈の裏通りのそれを思い起こさせました。
それでなんとなく侘しい気分になってしまい、しばらく石段街をトボトボと降りていきました。
下へ降りていくにつれて、観光客の姿も少なくなっていきました。一番下にバス停が並んでいますから、下へ行くほど観光客の数が増えてくるかと思いましたが、実際には下のエリアほど店舗が少ないですから、人の行き来も限られてゆくのかもしれません。
そうして、ゆるキャンの聖地スポットのひとつ、石段の湯の前に着きました。一昨日はこの施設の前でも座り込んで食べている外国人観光客が多かったりで話になりませんでしたが、この日は落ち着いた雰囲気のなかに戻っていました。入浴もする予定でした。上図のアングルで作中に出ています。
右のコマですね。作中では施設やたたずまいはそのまま描かれますが、「石段の湯」が「石畳の湯」に変えてあります。変えなくてもいいんじゃないか、と思うのですが、要は許可をとっていないのでしょう。
そういえば、原作者のあfろ氏は、基本的に現地での取材時に対象施設に許可を取らないスタンスであるようだ、とあちこちで聞くことが多いです。アプトの道の湖畔のカフェでも同様の話を伺いましたが、こちらの「石段の湯」でも「取材とか、そういう方は知りませんし、漫画に出てるなんてそんな話は聞いてませんけどねえ」との事でした。許可を取らないから、施設の名前をそのまま出さずに変えたりするのでしょうか。
入浴休憩の前に、「石段の湯」の石垣下にある上図のアヒル神社も撮っておこうと、いったん外に出て下の段へ降りました。
何度見てもシュールな景色です。アヒルの口のような破風の形の屋根の貫のうえに黄色いソフビのアヒルがずらりと並んでいます。いつからこのような状態になっているのかは分かりませんが、「石段の湯」の係員の話では「もう何年も前からああですよ」との事でした。
とりあえず、人通りが途絶えていたのを見て撮影しました。
作中ではこの2シーンにて描かれます。右のシーンは石段の下からのアングルです。
同じようなアングルで撮ってみました。一昨日は観光客が多すぎてこのアングルでさえ撮れませんでしたから、やっと撮れたな、というのが正直な気持ちでした。 (続く)