房総閑話

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ホトケノザ(仏の座)は不思議な花。

2019-02-04 11:18:40 | 写真
秋に芽生え、春に花を咲かせ実を結ぶ植物を越年草と呼びます。
フライングしている個体もありますが、ホトケノザは越年草で、12月は葉っぱの状態ですごし1月の終わりから暖かくなってくると花を咲かせます。
1月、2月に花粉を運んでくれる昆虫はめったにいません。そこでホトケノザは考えたのでしょう。自家受粉から他家受粉への受粉の進化の流れに乗りながら、さらに強力に自家受粉をすることを模索したのでした。
省エネに配慮したこの受粉が『閉鎖花(へいさか)』です。植物にとって花を咲かせることはものすごくエネルギーを使うことです。花を咲かせずに受粉する。全部が自家受粉だと種は弱体します。ホトケノザは普通に虫媒介の受粉をする開放花も捨てずに閉鎖花との2本立てをすることで、種の繁栄に成功したのです。
が、100年前に突然ライバルの出現。文明開化の肥料にまぎれて現れたヨーロッパ育ちのオオイヌノフグリです。
オオイヌノフグリの強引受粉にホトケノザは「ずりー、反則だっぺよ」(千葉っ子のホトケノザでした)。

ホトケノザ。漢字で、「仏の座」。シソ科オドリコソウ属の在来種。別名、サンガイグサ。仏法関連から「三界草」か、草の形状から「三階草」か。

シソ科特有の唇形状の花。


閉鎖花はつぼみ状態でつぼみの成長とともにつぼみの中で雄しべも雌しべも成長して、雄しべの「やく」にある花粉が雌しべの「柱頭」にくっついて受粉する。咲かせること無く受粉、結実する。

赤いまん丸は開放花(咲く花)のつぼみです。



まん丸い開放花のつぼみです。


開放花のつぼみと閉鎖花の大きな違いは大きさと根元の部分の色です。
開放花のつぼみは先がまん丸で、全体的に赤っぽい。
閉鎖花は先がほっそりしていて、中間部が白っぽい。

真ん中のほっそりしたのが閉鎖花です。中間部は白いです。花に何かの虫がいます。


閉鎖花を持つ植物は、牧野富太郎博士の分類によると11科14属19種です。特異な生殖活動を持つ植物です。

上の部分に閉鎖花。下の部分に開放花のつぼみです。



まん丸の開放花のつぼみと花です。

(Canon IXY DIGITAL 510IS)


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