リュウ庵

尼崎市住む猫大好き人間。
駄文を書くのも好きです。

美しい言葉に出会う幸せ

2019-12-20 10:39:19 | 日記
美しい言葉に出会うと、幸せな気持ちになります。
 
最近、出会った素敵な言葉。
 「山が着替えする」
自然と共生しているアイヌの人々は、四季折々に姿を変える山を見て
「山がまた着替えたね」と言葉を交わすそうだ。
何という優しい心根、そして美しい言葉だろう。
 
同じようなきれいな言葉に、山の四季の季語があります。
 それぞれに名句を添えて・・・
 
「山笑う」 春
  故郷(ふるさと)やどちらを見ても山笑ふ   子規
冬の衣を脱ぎ捨てるように、見渡す限り花に彩られた山々の風景が目
に浮かぶびます。
 
「山滴る」 夏
  滴(したた)りの打ちては揺るる葉一枚  富安風生
雨の滴がしたたり落ちる。一滴一滴、木の葉を打って揺らしている。
 
「山粧う」 秋
  山の中神来てゐるらしき山粧(よそお)ふ  井上雅
全山紅葉に染まった山、まさに神さまが来ているのでしょう。
 
「山眠る」 冬
  山眠る如く机にもたれけり  虚子
私なら、さしずめ「山眠る如くに炬燵むぐりけり」・・・だろうなぁ。
 
美しい言葉なら、薄幸の詩人・金子みすゞの詩にいっぱいあります。
 
  青いお空の底ふかく、
  海の小石のそのやうに、
  夜がくるまで沈んでる、
  晝のお星は眼にみえぬ。
   見えぬけれどもあるんだよ。
   見えぬものでもあるんだよ。
 
  子供が小雀つかまへた
  その子のおかあさん笑ってた
  雀のおかあさんそれみてた
  お屋根で鳴かずにそれみてた
 
  蜂はお花のなかに
  お花はお庭のなかに
  お庭は土塀のなかに
  土塀は町のなかに
  町は日本のなかに
  日本は世界のなかに
  世界は神さまのなかに
  さうしてさうして神さまは
  小ちゃな蜂のなかに
 
     <山笑う> 春
    
 
    <山滴る> 夏
    
 
    <山粧う> 秋
    
 
    <山眠る> 冬