リュウ庵

尼崎市住む猫大好き人間。
駄文を書くのも好きです。

愉しみを奪ったコロナ

2020-05-11 13:04:49 | 日記

恐れていたことが、起こってしまった。

とても楽しみにしていたブッチーニの名作オペラ「ラ・ボエーム」が、コロナ禍

が収束見込みがないとして、公演中止になった。

7月24日から8月2日まで8日間、西宮の県立芸術文化センターで公演予定して

いて、そのうち7月29日のチケットを買っていたのに・・・残念!

 

日本では外国の有名オペラを見る機会がそう多くない。

最初に観たオペラは、1970年の大阪万博記念公演のベルリン・ドイツオペラ、

ワーグナー作曲「ローエングリン」だった。

壮大な舞台装置、豪華な出演者に圧倒された。

 

ちなみにこの年に来日した外国の有名交響楽団にはベルリンフィル、ニューヨー

クフィル、ウイーンフィル、フィルハーモニア、パリ管弦楽団、レニングラード

フィル、ボリショイオペラ、ベルリンドイツオペラなどで、指揮者にはカラヤン、

バーンスタイン、小澤征爾などそうそうたるメンバーだった。

2025年に開かれる大阪万博には、どんな外国アーティストが招かれるんだろう。

 

たまに来日するオペラは数回しか観ていないが、最近ではヴェルディの「椿姫」で、

好きな曲がいっぱいちりばめられていて最高に楽しかった。

オペラ公演は舞台装置をはじめ出演する歌手、楽団員、合唱団を含めると膨大な準

備が必要という。

今回の「ラ・ボエーム」はイタリアのミラノスカラ座出身の歌手で固め、注目の舞

台・衣装デザインもイタリアから届き、7月後半からの開館15周年を祝って公演を

待つばかりだった。

 

一応2022年7月に再招聘するというが、2年先だ。

う~ん、そのころまで頑張って生きて、もう一度チャレンジするか。

 

コロナの影響で社会全体が未曽有の被害に苦しんでいることを思えば、コンサート

に行けないぐらいの「被害」は声を大にして言いふらすことではないだろう。

演奏する機会はもとより、収入の道も断たれたアーティストのことを思えば・・・

と思うのだが。

 

   無駄になったチケット

  「ラ・ボエーム」の幻のパンフレット

 


正義のミカタは止めてくれ

2020-05-09 11:23:07 | 日記

社会生活が危機に見舞われた時、人々はどんな動きをするのか・・・今回の”コロナ社会現象”で

いろいろ考えさせられます。

ウイルスとの戦いに身をさらしている医療従事者に、心から感謝と支援をする人がいる一方で、

コロナ汚染を疑い忌避(差別)する人も、いるという。

休みの日に子供を連れて公園に行った看護師さんに「近寄らないで」と言われたと、TVで話して

いました。

言語道断です。

ウイルス危機におびえる人たちを、だれが守っているのか。

医療従事者を忌避するとは、信じられないほど愚か者だねえ。

 

「自粛ポリス」と称するグループが出現しているそうな。

営業自粛要請に従わない業者を取り締まろうとパトロールする人たちで、自分たちは社会に

役立っていると信じているのだろうが、こういった「正義漢」は、嫌いだねえ。

自粛要請に従わない事業所に「自粛せよ」と張り紙したり、県外ナンバーの車を排斥する。

こんな輩が増えているという。 

     

まるで無法地帯の自警団ではないか。

ご本人たちは正しいことをしている、と信じ切っているのだから始末に負えない。

戦争中、反戦・厭戦的な言動をした人を「非国民」と糾弾した人たちと軌を一にしており、昔の

亡霊がよみがえったような嫌な気分だ。

こんな「正義漢」はご本人は正しいと思い込んでいるだけに、ある意味ではコロナウイルスより

もっと危険で、始末に負えない。

「正義のミカタ(味方)」ぶるのはやめてくれ~。


祝福されるべき令和が・・・

2020-05-07 11:06:56 | 日記

昨年5月、令和新時代幕開けを機に、以下のような日記を書いた。

      ***     ***

平成から令和に移った今、まことにタイミング良い一冊に出会った。
朝井まかてさんの力作「落陽」(祥伝社文庫)である。
文庫本の帯に記された短評は、
「平成の天皇から令和へ。まさに、今読むべき1冊」とあり、
「明治天皇崩御直後に巻き起こった神宮造営の巨大なうねり。
日本人は何を思い、かくも壮大な事業に挑んだのか?
天皇と日本人の絆に迫る著者入魂作!」・・・と続く。
 
   

明治天皇の御陵は京都伏見の桃山陵になったため、政府は東京にご遺徳をしのぶ場として明治神宮創建

を計画、総力を挙げて取り組む。
大勢の意見は「神宮の森は森厳とした杉と檜など針葉樹林がふさわしい」だったが、林学者たちは「東

京は気候、土壌的に針葉樹は適さず、常緑広葉樹でなければ育たない」主張、人工の広葉樹林造成に決

まる。
全国から募った献木は2万本、150年後に神苑を包む森完成めざして壮大な植樹計画に着手したのは、

ご大葬と新天皇即位が終わった大正9(1920)年だった。
(中略)  
明治神宮の森は学者の150年の予想よりはるかに速く、100年もしないうちに人工林が自然林化、

22万坪の広大な土地に247種、17万本の広葉樹が神域を覆い、現在も明治帝の御霊を護っている。
 平成から令和へ・・・日本中が新時代の幕開けをこぞって祝賀したように、明治から大正にかけての大事

業、明治神宮創建もまた大きな時代の節目となったのだ。
 京都御所の大正天皇の即位を祝う大群衆は15万人、令和の新天皇を祝う皇居一般参賀には14万人。

直木賞作品「恋歌」の作家は、「落陽」で令和時代の「開かれた皇室」と日本人の新しい絆のあり方を、

問うているように思える。

        ***    ***

だが、祝福さるべき令和時代だったはずが・・・

わずかスタート2年で呪われた新型ウイルスに襲われてしまった。

厳しい自粛要請で、経済は大企業から街の居酒屋まで息を潜め、スポーツ・文化の灯も消えた。

国は100兆円を超える赤字国債を発行してコロナ対策費を捻出した。

すでに天文学的数字の赤字国債を抱えている国家財政に、将来さらに重くのしかかるだろう。

 

ソシアルディスタンス…ウイルス感染予防策として人と人の社会的距離を推奨し、大切な「絆」

をぶった切るようなおぞましい社会に、人々は疑心暗鬼になり息を潜めている。

「コロナを運んでくるな」と他府県ナンバーの車を阻止するあまり、打ち壊す暴挙まで続出した。

地域の連帯や助け合う優しい国民性まで、壊れていく・・・

 

海外ではコロナまん延を招いた犯人捜しをめぐって、国家間で不協和音のきしむ音が聞こえる。

見えない敵と戦う「コロナ戦争」後に、どんな世界を描き築こうとするのか。

「自国ファースト」続けるのか、新しい国際協調の枠組みを構築するのか・・・

人類の英知が問われている。

 

<一言、言い訳>
またまた回顧日記をもとに、お茶を濁しました。
テレビも、ロケなど外に出て新しく制作したものは少なくなり、回顧番組が目立つ。
ならば我がブログも・・・外出自粛の折、回顧日記を振り返りながら「今」を見つめるのもアリ
か、と言い訳している。
 
 

球音が響かない5月

2020-05-05 12:12:34 | 日記

自分の書いた日記が「1年前の記事」として届けられる。

5月3日に届いた1年前の記事は「タイガース追っかけギャル」だった。

 

そういえば、5月のゴールデンウイークはスポーツシーズン真っ盛りだったなあ。

プロ野球は開幕して1か月ちょっと、例年ならゴールデンウイーク後半に入り各球場のス

タンドは観客で埋まり、ひいきの球団に熱い声援を送っているはずだった。

ゲームの勝敗が最大の関心事だけど、TV中継でスタンドの応援風景を見るのも楽しみの

一つ。

「タイガース追っかけギャル」は、甲子園球場を中心にスタンドのタイガースファンに焦

点を置いて書いた記事だった。

 

今年はコロナ感染拡大のため未だに開幕できず、観客の歓声はもとより選手のプレーする

姿もなく、球場は静まり返っている。

昨年のようなゲームに一喜一憂しながら、スタンド風景をまじえた楽しい日記は書けない。

いつになったら開幕するのか・・・コロナ危機が一向に収束する気配が見えてこないこと

から、もはや今シーズンのプロ野球は絶望じゃないか、開幕しても試合数を少なくし無観

客になるんじゃないか、と悲観的な見方もささやかれている。

大相撲夏場所やラグビートップリーグ、高校総体は中止、サッカーもどうなるかわからない。

夏の風物詩、高校野球甲子園大会が開催が危ぶまれなど、これまで経験したこともない異常

事態である。

 

昨日4日、コロナ緊急事態宣言は1か月延長され、あと1か月は外出自粛要請が続く・・・

改善されたら途中でも緊急事態が解除されるというが、当面はこのまま。

苦しいけど、心が折れてはなるまい。

あるブロガーさんが書いていた。「気持ちはアゲアゲで参りましょう」

今は、ぐっと耐えるしかない。

 

     5月のタイガースカレンダー(試合ができないのは選手も苦しかろう)

    甲子園名物のタイガース風船、今年は絶望か

 


本も通販に頼る日々

2020-05-03 11:36:20 | 日記

5月に入り一気に初夏めいて、戸外に出るとむっとした熱気につつまれるよう

になった。

昨日(2日)は、32度の夏本番のところもあったらしい。

 

外出自粛で、楽しみにしている本屋散歩も絶えて久しい。

で、もっぱらネットの案内でほしい本は通販で取り寄せている。

それはそれで大変お手軽で便利、たいていほしい本が手に入る。

これまで2回、ブックオフラインを通じて購入した。

いずれも新刊書(文庫本)ばかりだけど、検索すれば古本も手に入るので、こ

れからもせいぜい利用することにしよう。

佐伯泰英、上田秀人、高田郁、朝井まかて、坂井希久子など今売れっ子の時代

小説がほとんどだけど。

前からほしかった大岡信、谷川俊太郎編の「声で楽しむ 美しい日本の詩」

(岩波文庫)も手に入った。

西行の有名な「ねがはくば花のもとにて春死なむ その如月の望月のころ」の

歌も収められている。

鬱陶しいコロナを忘れて、じっくり美しい日本の詩を味わいたい。

 

人と人の接触をなるべく避けて、社会的距離を保たなければならないご時世だか

ら、通販や宅配がありがたい。

自分が安全なところにいて配達の人を感染の危険にさらして本を手に入れるのは、

いささか忸怩たる思いがするが・・・

それにしても、新型コロナウイルスの疎ましいことよ。

感染の心配がなくなったら、ゆっくり本屋巡りを楽しもう。

 

  通販で取り寄せた文庫本

  ほしかった「美しい日本の詩」