<時差登校・出社+時差下校・退社+オンラインか>
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緊急宣言解除でも… オンライン授業は継続 東北の大学 小・中・高校に普及加速か
https://blog.goo.ne.jp/globalstandard_ieee/e/46e4b2bb2a99501ddcf3a1877d7ac058
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Ryoseon Bae|Official Columnist ジュネーブビジネススクール バルセロナ校にて修士課程を取得中
裵麗善。1996年兵庫生まれ。 2019年に武庫川女子大学を卒業。在籍中に経験した4回の留学を通し、世界のトレンドやアイデンティティ、教育、グローバライゼーションなどに興味を持つ。2019年、Forbes JAPANにてWeb編集部のインターン生として、メディアの基礎を学ぶ。同年9月に、ジュネーブビジネススクールにてMBAを取得するためにスペインに渡航。現在は大学院に通いながら、ブログ「女子大生が4回留学して得た生きる力」を執筆中。
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リアルとオンラインの融合の限界。原因は「空気感」?
教授たちは一方的な授業になってしまわないようにかなり気をつけているようだが、実は上手くいっている事例は一部にしか過ぎない。オンライン授業に切り替わって以来、授業のコンテンツに対する学生たちの不満と懸念の声は高まっている。彼ら彼女らがもっとも残念がっている点は、空間を共有することによって生まれる空気感を味わえないことだ。
筆者のクラスメイトは次のように不満を吐露した。「同じ教室の中で相手の顔を見ながらディスカッションをすることの大切さを味わった。リーダーシップについて考えるクラスでは、やはり限界を感じた。いくら論理的にリーダーのあるべき姿や傾向を文書や講義から学んでも、オンラインでできることは限られている。実践的スキルを磨く授業だったゆえ、物足りない感情がぬぐいきれない」
オンライン上で生まれる空気感は、オフラインとどのように違うのだろうか。これが解決できると、今後授業だけでなく、ビジネスシーンでも出張を要する会議なども削減できるのではないだろうか。
空気感による欠点は、コミュニケーションにある。この点について、スペインの大学生は次のように指摘した。「授業で一番大切なインプットとアウトプットがしにくい。発言のタイミングが見計らいにくく、待っているうちに思っていたことを発信するタイミングを失ってしまう。接続が悪く、普段伝わることが伝えられない時はやるせない気持ちになる。また、オンライン上では相手の反応から得られる感触が掴みにくい。大体の相手の表情は電波が邪魔せず、画面さえクリアであればオンラインでも読み取れる。でもコミュニケーションは、表情だけでなく相手や空間が放つ空気感も大きく関連している。オンラインではそれが難しいため、いくら論理的なディスカッションができたとしても、その先がないからもどかしい」
オンライン授業のクオリティを落とす原因の根幹にはコミュニケーション不足があった。五感を使った生のコミュニケーションで得られる「感触」がオンラインでは感じられないように思える。実際にビジネスシーンでも、会議や交渉の際は相手の眼差しや間で相手の本心や感触を読みながら進める。画面越しではこれらの部分が再現されづらい。
教育ではアウトプットが重要視されているが、これは「個」を造り多様性を受け入れる大切な過程だからだと実感した。学びを自分の中に取り入れ、それぞれが持つ価値観に照らし合わせて消化する。次にそこから生まれた考えを自分の言葉でシェアする、この一通りのプロセスがいかに学びにおいて貴重であるか、不足している現状だからこそ痛感した。それぞれの価値観がぶつかりあったり、うまく融合してシナジーを生み出したりする熱い瞬間が、コロナショック以来体感できていないもどかしさがある。
教育ではアウトプットが重要視されているが、これは「個」を造り多様性を受け入れる大切な過程だからだと実感した。学びを自分の中に取り入れ、それぞれが持つ価値観に照らし合わせて消化する。次にそこから生まれた考えを自分の言葉でシェアする、この一通りのプロセスがいかに学びにおいて貴重であるか、不足している現状だからこそ痛感した。それぞれの価値観がぶつかりあったり、うまく融合してシナジーを生み出したりする熱い瞬間が、コロナショック以来体感できていないもどかしさがある。
オンラインにした方が効率的な2つの場合
コロナショックは、我々の生活の大部分をオンラインで済ませられることを証明した。オンライン会議やオンライン授業、オンラインイベント、オンライン面接、そしてオンライン飲み。しかし問題は、オンラインで済ませる方が効率的であるものと、そうでないものがあるということで、この区別が難しい。
先ほど述べたオンライン上でのグループワークについては、成立はすれど対面より時間がかかり非効率だ。オンラインの利点は移動の時間を大幅にカットできることと、コスト削減だ。この2つを実現した方が利益が大きい場合に適用されるなど、今後の教育でも、ビジネスシーンでもこの2点を考慮して応用されるべきではないだろうか。
イベントや重要な場面での会食など、情報の共有を超えて双方のコミュニケーションが重要視される場合は、極力対面で行われるべきだと考える。授業も、知識を蓄えたり議論したりする場でありつつ、同時にビジネスシーンや私生活で応用できるコミュニケーション能力を養う場でもある。趣旨によってはオフラインでないと実現できないものも多いはずだ。
アフターコロナはより効率的かつ本質的に
世界中の若者がオンライン飲みの楽しさを発見し、一時流行したが、数カ月もしないうちにその勢いは消えたように感じる。それはオンラインで補える部分とそうでない部分を身をもって実感したからではないだろうか。コロナショックは世界中の人々の生活を厳しく制限したが、人々に多くの発見をもたらした。最小限でいいものと、そうでないものを教えてくれた。
アフターコロナ時代では、時と場合に応じて、オンラインを上手に導入する判断力が求められるのではないだろうか。その際は物事の本質を正しく理解することが成功の鍵となるだろう。今回あらゆることが否応なく一瞬でオンラインに切り変わり、またさらに「便利な世の中」に近づくヒントを見つけた気がする。
オフラインとオンライン、それぞれの利点を理解し、本来の価値観や利点を保ちながら発展していくことが現代らしい進化ではないだろうか。世の中の「便利」を効率的に採り入れる一方で、アフターコロナ時代でも変わらず温かみのある人間関係を築き、本物の「学び」を追求していきたい。