<議会制自由民主義議員内閣制日本海上保安庁は、尖閣諸島領海侵犯の船舶を拿捕連行可能な予算要員体制は十分か>
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2020.6.11(木)
北村 淳
軍事社会学者。東京生まれ。東京学芸大学教育学部卒業。警視庁公安部勤務後、平成元年に北米に渡る。ハワイ大学ならびにブリティッシュ・コロンビア大学で助手・講師等を務め、戦争発生メカニズムの研究によってブリティッシュ・コロンビア大学でPh.D.(政治社会学博士)取得。専攻は軍事社会学・海軍戦略論・国家論。
北村 淳
軍事社会学者。東京生まれ。東京学芸大学教育学部卒業。警視庁公安部勤務後、平成元年に北米に渡る。ハワイ大学ならびにブリティッシュ・コロンビア大学で助手・講師等を務め、戦争発生メカニズムの研究によってブリティッシュ・コロンビア大学でPh.D.(政治社会学博士)取得。専攻は軍事社会学・海軍戦略論・国家論。
米シンクタンクで海軍アドバイザーなどを務める。
現在安全保障戦略コンサルタントとしてシアトル在住。
日本語著書に『アメリカ海兵隊のドクトリン』(芙蓉書房)、『米軍の見た自衛隊の実力』(宝島社)、『写真で見るトモダチ作戦』(並木書房)、『海兵隊とオスプレイ』(並木書房)、『巡航ミサイル1000億円で中国も北朝鮮も怖くない』(講談社)『トランプと自衛隊の対中軍事戦略』(講談社)『シミュレーション日本降伏:中国から南西諸島を守る「島嶼防衛の鉄則」』(PHP研究所)などがある。
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先週、6月4日、2隻の海軍フリゲートと共に台湾浅堆海域に出動した台湾沿岸警備隊の巡視船「高雄」(3000トン)と巡視艇「澎湖」は、違法操業中の中国大型浚渫船(7539トン)を拿捕し、中国船の船長以下乗組員10名を高雄の興達港に連行した。
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先週、6月4日、2隻の海軍フリゲートと共に台湾浅堆海域に出動した台湾沿岸警備隊の巡視船「高雄」(3000トン)と巡視艇「澎湖」は、違法操業中の中国大型浚渫船(7539トン)を拿捕し、中国船の船長以下乗組員10名を高雄の興達港に連行した。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/25/a0a48eb48e45f0090f80defeee2b01c5.png)
今後も、台湾側による中国海砂採取船団の取り締まりは強化されるものと思われる。自然環境破壊や漁業資源の保護はもちろんのこと、なんといっても自国の排他的経済水域内での中国側の違法行為に目を背け続けることは、台湾の主権を自ら軽んずることを意味するからだ。
台湾海峡を挟んで2000発以上の各種弾道ミサイルと数千発の各種巡航ミサイルを撃ち込む能力を保持した中国軍と常時対峙している台湾は、アメリカによる軍事的支援を少しは期待できるとはいうものの、可能な限り自らの力で自らの主権を守り抜こうとする努力を続けている/.
台湾にとって、最悪の事態に際してはアメリカ同様に頼りにしたいと期待を抱いていたのが日本である。何といっても、台湾が中国の手に落ちた場合には、日本の安全保障は危殆に瀕する以上、日本が台湾の安全保障に敏感であるのは当然、と台湾側では考えているからだ。
台湾が中国に組み込まれると、南シナ海を通過して日本にもたらされる原油や天然ガスは全て台湾沿海を通航せねばならないため、中国は容易に遮断することができてしまう。
また、中国軍が台湾を強力な軍事拠点化することにより、先島諸島から沖縄にかけての空域と海域は中国軍の優勢が確定してしまう。そのような軍事状況となった場合、もはや米軍にとって沖縄は安住の地ではなくなり、沖縄の米軍戦力を大増強するか? 沖縄からグアムに後退するか? という選択に迫られることになる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/a0/9936ef4fa35236bf4a6792ac344bd52d.jpg)
いずれにせよ、台湾の安全保障と日本の安全保障が一蓮托生の関係にあることは事実だ。
それにもかかわらず、近頃の安倍政権による台湾周辺状況や香港国家安全法に対する無関心的姿勢は、あたかも中国習近平政権に気を遣っているかのごとき印象を国際社会に刷り込む役割を果たしており、台湾はもとより同盟国アメリカの失望を招き信頼を大きく失ってしまっているのである。
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/60853?page=4。
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/60853?page=4。