昨日、ママンが「ハリソンさんは、ヅラから解いたリボンをポケットにしまっている。」と言っていましたが、
正解は、「帽子に縛り付けて、パンパグラスの穂を挿せるようにしていた。」でした。
昨日のページでは、ハリソンさんとランズバーグ夫人は、フランス語で楽団員と話をしています。
( 前にも書きましたが、ゴシック体の文字はフランス語、正楷書体が英語です。)
だから楽団員は現地の人達です。
18世紀のフランスでは、イタリア音楽とフランス音楽界との摩擦が起こります。
50年代から60年代前半では、フランス音楽界大御所のシャン・フィリップ・ラモー(1683-1764)さんがフランス音楽派の旗頭、
イタリア音楽派は第9話に出て来た「ヌーヴェル・エロイーズ」作者であるジャン・ジャック・ルソーさんが、
音楽の才能もあって先鋒でした。
ルソーさん、いろんな人と仲悪いんだね~。
ヴォルテールさんとかヒュームさんとか…ウォルポールさんからも嫌われて第10話にあったように意地悪されているし。
その後もモーツァルトさんが、雇用主の大司教様がウザったいってんで、パリに転職活動に出ていた頃にも、
今度はフルートを吹く人には憧れの曲の一つである「精霊の踊り」の作曲者、
クリストフ・ヴィリバルド・グルック(1714-87)さん(王妃のアントワネット様にオーストリアから呼ばれていたらしい。
「ベルばら」第1巻の最初の方に出て来る、アントワネット様のピアノ教師はこの人です。)
とイタリア人のニコロ・ピッチーニ(1728-1800)さんとの対立があったようです。
英国ではグレート・ヘンデルどんが、英語の歌詞で歌われる「メサイア」などの宗教曲を作り、確固たる地位を築く以前は、
イタリア風のオペラを作りまくっては、反対派の人達の壮絶な苛め工作に遭っていて、
イタリア・オペラ企業は2度も破産してしまったようです。
イタリア音楽は欧州各国で熱狂的に迎えられると同時に、拒絶反応もまた相当激しかったという事なんでしょう。
まぁ、でも、この漫画の楽団員さん達は、頼まれた仕事だからと、
この際イタリア音楽に対する個人的好き嫌いは出さずに割り切ってやってるんでしょう。
フランス音楽界では両国の音楽を融合させようという動きもあったようですし。
フランソワ・クープラン(1668-1733)さんは、昨日も出て来たコレルリさんを称える曲を作っています。
ハリソンさんは第4話で、本場のイタリア音楽を聴ける事を楽しみにしていたのに、
「小賢し男」の余計な自慢話のせいで、ガックリしてしまったというエピソードの持ち主で、
現代だったら凄い値段だと思われる、クレモナ製のヴァイオリンも持っているのでした~。
あら、そうだったの。
確かに帽子に白い線が一つ加わっているわね。
俺、ダンスっていうと、
今だに辛い思い出がある…。
えっ、なぁに。
オバさんに話してごらん。
小学6年生の時に、運動会のフォーク・ダンスの練習で、
本当は好きだった女の子に、「こいつとは踊りたくない。」
とか大声で言って嫌われてしまった…。
ガキね~。
思春期少年の見栄じゃな。
中学校も高校も一緒で、それから誤解を解こうとがんばったけど、
6年間1度も同じクラスにもなれなかったし、
大廊下とかで俺の姿を見ただけで、顔を引きつらせてコソコソと避けてた。
高校卒業してから1度見かけたけど、夫婦で2歳くらいの子供と手をつないで歩いていた。
悲恋だわ~。
その時その時に素直になれなかったら、恋愛は終わりだって
いつも覚悟してないとダメなんだよ!
年取ったらね、既婚・未婚問わず生活に精一杯で、
疲れてて恋愛する気も無くなるもんなんだから、
できる時に、自分の気持ちに素直になってしておくもんよ。
これから気を付けるのね。
はいっ!
パンディ、いい返事してるッ。
わしの辺まで来ると、もう動けるだけでありがたいという所じゃからな。
人生の「春の祭」「夏の祭」「秋の祭」「冬の祭」それぞれその時に心を入れて楽しんでおかんと。
人生の秋に入った者が後から後悔して、「春の祭」「夏の祭」をしようとしても、
ぴったりと合った時期の何倍も苦労をして行わなくてはならないのじゃ。
ハリソンさん、これから「トリストラム・シャンディ」の読者達によって、ひどい目に遭わされる事になって行くのですが、
その前の楽しいひと時といった所でしょうか。
今日の続きはあさって30日。