Kyoko AIHARA's Diary (Writer&Photographer) 相原恭子(作家&写真家)のブログ 

ヨーロッパ紀行、京都花街と着物、ビールとグルメなどをテーマに執筆、撮影、国内・海外での写真展や講演等。今日も良い日!

2010年12月24日(金) クリスマス Frohe Weihnachten

2010-12-24 | ドイツ・ベルギー
いよいよクリスマスイブ。

Frohe Weihnachten und ein gutes Neues Jahr!

皆さん、良いクリスマスを!

初めてドイツでクリスマスを過ごした年、Adventが11月末から始まっていたから、
24日ともなると、すでに一ヶ月近くもの間、
家々の窓、お店のウインドウ、教会、すべてがクリスマスムードであった。

ところが、友人知人の間で、
「今日は24日」というのに何も起こらず・・・。
普通の日だった。

聞いてみれば、「クリスマスは明日よ!」とのこと。
25・26日にパーティーで、友人たちがたくさん集まった。
その後、何となく毎日のように近所の人たちが、シュトレンでコーヒーを飲みに来たりして、31日大晦日に突入。

夜中に大花火大会がライン川にて開催され、近所の家の庭でも夜中の花火、花火。
そして、クリスマスは、1月7日の三王来朝の時まで、ずっと続くのだった。
息が長く、ず~と祝っているのも、体力があればこそか・・・。

さて、今日は押せ押せで、仕舞とお謡いの稽古、三味線の稽古が重なってしまったが、
その後、
宮口香保里ちゃんの妹の真井都ちゃんのところで、クリスマスパーティー。
お招きありがとう。


2010年12月19日(日) ドイツの兄より旅立ちメール チャーター便

2010-12-19 | ドイツ・ベルギー
30年来の友人(?)というか、ドイツの兄(?)から、メール来る。

「初めて、Weihnachtsmarkt(クリスマスマーケット)へ行ったよ。今年は雪が早くから降って、大雪だよ。Gluehwein が美味しかった。」と書いてある。

へぇ~。
キリスト教に熱心ではないから、
「クリスマスなんて関係ない。クリスマスマーケット? Kyokoは好きだな。行きたきゃ、行ってきたら?」
と言ってたのは誰?
ま、(年とって?)そんな気ィになって出かけたんでしょうね。

そして、私も年とったのか、
『あらら、興味無いって言ってたじゃない!どうした風の吹き回し?』
とは書かずに、
「あら、雪のクリスマスマーケットとは、ロマンチックね。私も行きたいわ!」

その兄曰く、
「Air Arabia がケルンへ乗り入れたから、安く飛べる範囲がさらに広がった。
さっそく試してみるよ。カサブランカへ行って来る」
そうな。

今になって、日本で、安価なチャーター便が話題になったが、ドイツはもう何十年も前からある。私も何度もチャーター便でエーゲ海へ、トルコへ、ギリシャへ、シチリアへ、スペインへ、ノルウェーへ、イングランドへ…各地へ飛んだ。
トルコのマルマリス近く、ダラマンの軍事空港へ降り立ったこともあり、それも面白かった。
Last Minute という直前予約があり、ホテル付きでさらに安くなる。
大体、一週間単位で、二週間、三週間で休暇に出かけるのだ。
有給休暇の長いドイツならでは、かもしれない。
たとえば、クレタ島で遺跡を見学した後、海辺のホテルで1週間滞在、というように勉強した後、リラックス。というパターンもある。

昔、シチリア島の某大聖堂の祭壇の前で出会った(と言うとロマンチックだが)医者の卵は、ドイツなら皆が知っているような企業の長男だが、家を継がないで自活していたから、当時金欠であった。
だが、「僕のようなお金のない者にも、ドイツでは旅のチャンスがある」と喜んでいた。その後、ニューギニアへ医者として情熱を持って飛んで行き、以来、音信を絶っている。

いずれにしても、お金持ちは思いっきりデラックスに、金欠でもそれなりに旅ができるのはよい。日本もそうなったようだけれど。

ハーパークロイドや、LTUなどが昔はあった。懐かしいな。
ジャーマンウイングスはかなり前から飛び、9.99ユーロでチケットが買える場合もある。大幅ディスカウントする「クレイジーナイト」もある。(最近チェックしてないけど、今もあるかしら・・・)

さて、兄は失業しそうなのを良いことに(?)、時間があるからとPCに向い、物凄い勢いで予約し、ローマへコーヒー飲みに、ルーマニアへビール飲みに、飛んでいる。




2010年12月18日(土) ドイツの友・Gより Weihnachtskarte

2010-12-18 | ドイツ・ベルギー
ドイツよりクリスマスカード来る。
雪が降り続けるGefellのGより。
雪の夕暮れ、淋しく冷たく、暮れてゆく。
家々の窓は、オレンジ色に光り
家の中はクリスマスの暖かさ。

彼女に、壁が壊れた後、1990年に出会い、以来、20年余りの時が過ぎ
何年おきにしか会わないのに、何だか幼馴染みたい。

去年は、私がイタリア、ドイツを取材して回り、チェコへ入る時、乗り換えのMarktredwitz駅 まで会いに来てくれた。時間がないから、二時間半だけしゃべったの。
紅茶を頼んだら、彼女は私に「ビールもあるわよ!いいの?」と言って笑った。

壁の後、失業するまもなく働き続け、30歳ちょっとで大きな家まで建てた彼女。
でも、そういう風情がまったくない。
Marktredwitz駅からChebへ向う、私の電車が出発した時、
何となく、二人とも涙ぐんだの。

数行の手紙でも、何をしているのか、どんな毎日なのか、すぐに想像が付くのよ。
彼氏は慢性的に失業状態・・・
おばあちゃんは具合が悪いといいつつも、元気で
お母さんが彼女が5歳の時になくなって以来、
お父さんは一人で子育て頑張り
レストランのシェフみたいに料理が上手で、本当にやさしく心温かすぎる人。
たぶん、この週末は、鹿のローストでも造るはず。
食事の前にゼクトを飲んでいるでしょうね。

あれは15年も前か。
旧東ドイツのMagdeburg で、
彼女が何軒ものブティックの店長だった時、銀行閉鎖。
夜中に売り上げ金すべてを持って、真っ暗な夜道を雪の中、アパートまで歩き、
(治安がよくないのに・・・)、私は怖かった。
「平気よ!」と言いつつ、彼女も怖かったに違いない。
アパートの廊下から部屋へ入って、鍵を閉め、私たちは思わず顔を見合わせた。
大きなため息をつくと、何だか可笑しくなって、アハハ、アハハと笑った。

そして、ようやく、ー17度の寒さを感て、
もちろん、グリューワインを作ったわ。
寒い、さむい。



2010年12月16日(木) ベストは、ドイツでクリスマス 日本でお正月・・・。

2010-12-16 | ドイツ・ベルギー
ドイツでクリスマスを、日本でお正月を過ごす、というのが年末年始のベストな過ごし方だと思うのだが、あいにく今年は両方とも日本。

日本には日本の風情が、良さが、ある。
そうそう、先日は京都で、「事始め」へ寄せていただいたではないか。
美味しい日本料理も食したではないか。
すっぽん鍋も食したではないか。

だが、クリスマスの食べ物(あえてこう言いたい)は、ドイツ。

クリスマスには、ああして、こうして、机で仕事しつつも私の夢は広がる:
友達が訪ねてきて、暖かい部屋でローソクを灯して、ゼクトで乾杯したいな。
皆で、ああだこうだと、しゃべりたいな。(ドイツ人はたくさんしゃべる)
隣のおばさんが焼いてくれるシュトレンで、コーヒーを飲みたいな。
Zimtstern (星型のシナモンクッキー)も焼きたいな。
ナツメグやシナモンの香りが漂う部屋で、
夜になったら、Gans(ガチョウ)に詰め物をしたローストと赤ワイン・・・ああ、食べたいな。楽しみたいな。
青い恋ならぬ、青い鯉と白ワインもいいな。マイセンのワインがいいな。

雪の朝、クリスマスツリーに雪が積もって、長靴で散歩に行くのもよいな。
散歩の途中に、クナイペで、ケルシュを飲みたいな。






2010年11月29日(月) 第二の故郷ドイツ

2010-11-29 | ドイツ・ベルギー
何気なくTVを見ていると、
ドイツのボンの風景が映り、ベートーヴェンのピアノソナタ109が流れた。
冒頭の音色が、哀しいほどに美しく響き、ベートーヴェンの家、ミュンスタープラッツなどをカメラが追う・・・。


Beethovenhaus, Bonn

私は急にドイツへの郷愁に駆られ、『ああ、どうして、こうして日本に居るんだろう?』と、一瞬、“ここに居る”ことの違和感にさいなまれた。と同時に、とても哀しくなった。

だが、私がここに居る現実は現実である。

ベートーヴェンとバッハを聴くと、その律動にドイツ語の波動を感じ、そして、私の思ういかにも“ドイツ”らしいエモーションが伝わってくる。
リリカルであったり、優しかったり、ダイナミックであったり、ロジカルに思えたりする。それがとても心地よく、心と体を巡るのだ。

Weihnachtsmarkt(クリスマスマーケット)の輝きが目に浮かび、グリューワインの湯気、ローソクや飾りを売るスタンドが並ぶその空気感が恋しい。



この写真は、ウィーン郊外のハイリゲンシュタットの家。
取材に行くと、EUの音楽大学の学生たちと一緒に、ピアノを弾かせてくださった。


2010年11月11日(木) ドイツの日本の一期一会/カーニバルの日に

2010-11-11 | ドイツ・ベルギー
今日はカーニバルが始まる日。ケルンに居た頃は、Sitzung など、それらしい催しがあって、日が短くなった無彩色な11月を生き生きとさせていた。
XX年前の今日、ケルンのBilderstoeckchenに居た。その家のおじさんとおばさん(私には、今はなき、ドイツの両親、またはドイツの叔父叔母のような人だった)と、11月にしては珍しく天気が良いのでドライブへ。Bad Muenstereifel(バート・ミュンスターアイフェル)でアール川の赤ワインを飲み、Abtei Mariawald(マリーアヴァルト修道院)で、Erbsensuppeの昼食。森を吹く風は冷たくて、空は高く澄んでいた。その時に買ったハガキに書いてあった言葉を今も思い出します。
Ich werde auf dierser Welt nur einmal wandern.
Wenn ich etwas gutes tun oder einem menschlichen Wesen oder stummen Tiere etwas liebes erweisen kann, soll es daher gleich geschehen.
Ich soll es nicht hinausschieben oder ungetan lassen.
Denn ich werde diesen Weg nie wieder gehen.
何か良いことができるとか、人にも動物にも愛を示せる、ならば先延ばしにしないで今すぐにしたい。時は流れ流れ、「思いついたときに、すぐに善を成そう。愛を示そう」と試みたい。“今”は二度とは来ないのだから。