Kyoko AIHARA's Diary (Writer&Photographer) 相原恭子(作家&写真家)のブログ 

ヨーロッパ紀行、京都花街と着物、ビールとグルメなどをテーマに執筆、撮影、国内・海外での写真展や講演等。今日も良い日!

2012年1月31日(火) 御殿場高原ビール ホテル「時の栖」にて

2012-01-31 | ビール・美酒

1996年暮れのことだった。
御殿場高原ビールの庄司社長から、
朝、お電話があった。

お目にかかったこともない方から、
突然のご連絡。
どうしたのだろうかと、驚いた。

そして、お目にかかることになり、
翌年・1997年2月、
ちょうど今頃の時期に、
ホテル「時の栖」に泊り込み、
撮影・取材・執筆をして、
私の文と写真による
「あ!ビールだ」(静岡新聞社)が、
同年5月に刊行された。

「ドイツ地ビール夢の旅」(東京書籍)
「ベルギーグルメ物語(主婦の友社)に続き、
三冊目の本となった。


以来、何度か御殿場高原ビールを飲みに
時の栖へ泊まった。

このところご無沙汰だったが、
ちょうど、お友達が、
箱根へ一泊でドライブに行くというので、
ならば、一緒に出かけて、
ホテル「時の栖」に泊まろうと、
車に便乗。


物凄く美しい富士山に
一同見とれて、
時を忘れたり・・・。


庄司社長にお会いした。
相変わらず、常に
様々な新しい企画、
新しくオープンするレストランなどがあり、
また、ご一緒に何かできるかもしれないと
お話も楽しく・・・。


富士山を眺めながら、
温泉
ビール
お馴染みのライトアップ、
噴水のライトアップは世界に二つとないか・・・
素晴らしく、
すべてがキラキラしていた。





2012年1月28日(土) 「あな いみじ」 雪化粧の屋根 箱根湯本逍遥 「玉簾神社」

2012-01-28 | 季節の美と楽しみ

今日は、箱根湯本へお茶会に行ってきました。
朝の地震には驚き、平穏を祈りましたが、
昨日、原稿を全部送ったので、気分は晴れ。

お茶会が終わって、
皆で橋を渡っていると、
冬枯れの木々、残り雪、川の流れ
そこへ、雪舞

ロマンチック。

一人で温泉街を歩きたくなり、
ふらりふらりと歩く。


お土産屋さんに「鳥に乗った七福神」の置物があり、
子供の頃の温泉旅行を思い出し、
レトロな風情が懐かしくて、
思わず買って、
さらに、奥へと歩く。


このあたり、車で通り過ぎたことはあるが、
そぞろ歩きは、ひょっとして初めてかも。

案内板を見ると、玉簾の滝・・・と書かれている。
寒いけど、さらに歩いてみようか。

想像力をたくましくすれば、
昔、文人墨客が丹前を着て歩く光景が
頭の中のスクリーンに絵になって浮かぶ。

すると、
待合みたいな(私は色っぽい往年の待合を、見たことはないが・・・)
旅館があった。

草葺屋根に雪が残り、
秘密めいた入り口は
あな いみじ」。
気をそそられて、
入り口の戸をガラガラ。

すると、女将さんが顔を出し、
帳場のすぐ前の庭をちょっと見せてもらえないかなーと思ったが、
バッチリ着物を着て、
お座敷かごを持って立っている私に、
「お客さんが来てますから、入れませんよ」
ですって、
誰が来ているのか・・・
隠れ家風。


さらに行くと、
玉簾の滝。
玉簾神社 箱根九頭龍神社の唯一の分宮
と書いてある。

お参りさせてもらって、
湧き出るお水をいただきました。

すごく寒いのに、川魚のうろこの匂い、
生臭みのある空気を感じたのは
龍のお使いが、
天から降りていらしたのかもしれません。






2012年1月26日(木) ほうじ茶と小末さん

2012-01-26 | 京都花街

京都で買った ほうじ茶 を飲む。
急に、小末さんを思い出した。

小末さんは、大正生まれの
元・別嬪舞妓さん。

巽橋を渡って、小末さんを訪ねた夏
打ち水をして
涼しげな玄関に
朱色の鬼灯が飾ってあった。
祇園祭だった。

小末さんは、奥のお部屋で
アイスコーヒーを入れてくださった。


なるほど・・・、80歳を超えても、
別嬪さんの風情。

若い頃から食器が好きなので、
旅館や料理屋をしてみたかったとか。

帰ろうとすると、
「京都のほうじ茶どす」。
買ってきたばかりの
手提げ袋に入っていた
ほうじ茶 をお土産に下さった。

小末さんの家は、
お手伝いさんが来て、
一見さんはもちろん無理だが、
昔のなじみ客やお友達は
朝食つきでとまることが出来た。

その「小末旅館」に、
いつか泊めてもらおうと思っているうちに、
残念ながら、ずいぶん前に
小末さんは亡くなられた。

あの、鮮烈は朱色の鬼灯玄関で手を振って
送ってくれた
小末さんが目に浮かぶ。




2012年1月19日(木) これぞ 口説き 「惚れさせるのや」

2012-01-19 | 京都花街

次の本(2~3月に淡交社より刊行)の原稿を
チェック。


内容から見て、
タイトルは、
「芸妓さん・舞妓さんの打ち明け話」
とか、そいういう言葉を入れてはどうでしょうと、
出版社さんから連絡あり。
う~ん、軽々しい風にはしたくおへんけども、
内容は、ほんまにその線どすねぇ。
お名前を出して、芸妓さん、おかあさん、皆さんご登場どす。
他に類書はおへんどっしゃろねぇ。


今、大正生まれの元・舞妓さんの語りの部分を読み返し、
これぞもの凄い口説き
と、違いまっしゃろか。

その舞妓さんは、当時、お座敷で、
お客さんに話の途中で
肩をポンと打たれたり、
肩を触られたりするのが、
すご~く、嫌だったそうです。

そんなある日、
有名大学のイケメン・ラガーたちが
遊びに来ると聞き、
「格好ええな~。ええとこのボンばかりやし、
一緒に遊びたいなぁ!」と思わはったそうどす。


ところが、
そのラガーたち、
すぐに肩を触ったり、
肩を抱いたりしはったそうどす。


その舞妓さんは、幻滅・・・。

だが、芸妓さんになって、
好きな人ができて、
その人が旦那さんに!

ところが、その旦那さん、
二週間以上も、
「手も握らへんし、うちを、触りもしはらへんのどす」。


だんだん心配になり、
「うちが、嫌いどすか?」
と聞くと、

旦那さんが一言、
ほんまに好き合った同士なら、
そんなことは、どちらでもええのや
!」


すると
よけいに好きになってしもうたのどす。そして、結婚しましたわ」。

簡単に触られるのが嫌いな芸妓さんの心を突き、
さらに「惚れさせた」わけどすねぇ。
(注:押しの一手、だけでなく、引くことも肝心?)
(わかるな~。)


そうそう、
もう亡くなられた
京都の老舗の大旦那さんは、
ほんまに若い頃は、役者さんのような美男。
「遊びのコツは?」 という私の質問に、
「惚れさせるのや」
と一言。

格好ええな~。

次の本は、
そういう昔の人の色っぽい話や
幕末の京都花街
明日をも知れぬ志士たちと芸妓の恋。
西郷隆盛、桂小五郎、井上多聞、近藤勇、土方歳三たちも登場。
文学の生まれ出づる花街
夏目漱石、谷崎潤一郎、吉井勇、長田幹彦、水上勉など花街に遊び、著作し、花街の舞台の台本もを書いた人々も登場。
歴史上の人物を知る人が、今も居はります。
教科書で読んだ「歴史」が生き生きと肉付けされるような話も。

「読んどくれやす」。


ここで、長唄 『助六』どす。
昨日、三味線で弾いたところどす。

“咲き匂ふ 桜と人に宵の口 野暮は揉まれて粋となる・・・”

  花道で踊る 仁左衛門さんの 『これから、モテに行くぞ~』 という
  『伊達男ぶり』が目に浮かびますねぇ









2012年1月15日(日) 初謡会 

2012-01-15 | 邦楽・お稽古

横浜能楽堂で
大坪喜美雄先生の
「喜扇会」 初謡会。

私は、歳もキャリアも、
一番下の初心者で、
鶴亀
のワキを、
先輩方と謡わせていただきました。

お目出度い言葉。
美しい日本語


それ青陽の春になれば
四季の節会の事始め
・・・
庭の砂は金銀の
・・・
千代のためしの
数々に
・・・
丹頂の鶴も一千年の齢を君に授け奉り
・・・

と続きます。

荘厳で晴れやかな情景が目に浮かびます。

さらに、
小袖曽我も地謡に加わり。
最初から通して謡うと
声だけなのに、
ストーリーや登場する人たちの心が
響いてくるような気がしました。

そして、
打ち上げも
楽しく。

能「三山」の話から、
男性が好む女性とは・・・、
男女関係の話題となり、

長老(失礼!)の方の
「人に聞いた話ですが・・・」
に始まるものの、実は
自らの『体験談』らしきお話が続き、
その面白さに、
盛り上がったのでした。

昔はいい意味で
色気があったのだな~と
想像しました。


2012年1月14日(土) 松聴 『初釜』

2012-01-14 | 季節の美と楽しみ

朝は、あいにく、
どんよりと雲が広がって、
雲の間から光が時々さして、
北国の雪空を思わせた。

初釜。

すると、
青空。
明るい陽が畳に入り、
木々の影を映し、
松聴

釜の湯の湯気。
静かに松風の音を成して。

はなびら餅。
新春

2012年1月13日(金) グルメとサプリ

2012-01-13 | 美味しいわ!

バランスXX,カロリーXXX 
を食べながら
机に向かっていると

小学校の頃
未来の暮らしはどうなると思うか書きなさい、と
理科の先生が言ったのを思い出した。

いろんなことを書いたような気がするが、
今も覚えているのは、

忙しいときに、すぐに、
『これを食べれば一食分の栄養がとれる』

というお菓子や
飲み薬が流行る。

けれども、それでは寂しいので、
あれが美味しい、これがが美味しいと、
凝った食べ物も注目されて、
皆が一生懸命になる。


・・・という点は、
かなり
当たっていたかもしれません。


2012年1月12日(木) メールボックス

2012-01-12 | 仕事

昨日から
メールの数が少ないので
どうしたのかしら、と思っていました。


お返事が遅れるのも気になりますが、
(お友達も同じ事を言っていましたが)
メールがほとんど来ないのも、
何だか寂しい・・・ものです。

どうしたのか?

そうそう、
こういう時は、

いつも、
メールボックスが満杯なのです。
チェックすると、
やはり、
真っ赤なメモリが
目いっぱい伸びて
受信可能、を超えていました。


ああ、きっと、
数文字の、ものすごく短いメールでない限り、
すべて、
「受け付けません」
とばかりに
お送りくださった方々に
戻っていた事と思います。

すみません。

2012年1月9日(月・祝)  京都花街 始業式 (上七軒)

2012-01-09 | 京都花街
成人式。
あちこちに華やかな振袖姿。

そんな中、

上七軒の始業式へ寄せてもらいました

君が代斉唱
ご挨拶
お花売り上げなどの表彰があり

芸妓さん
舞妓さんによる
「末廣狩」、「操三番叟」が
歌舞練場に響き、

芸の雅。


三味線も、唄も、踊りも
お囃子も・・・
若い人もおねえさんも
一人の芸妓さん、舞妓さんが色々こなす。


芸どころ、上七軒を感じました。


2012年1月7日(土) 京都花街 始業式 (祇園甲部・宮川町)

2012-01-07 | 京都花街

7日 祇園甲部と宮川町 の
始業式へ寄せてもらいました。


裾引きの黒紋付のあでやかんな図柄
重々しく美しく。

クロアゲハが
ちらちら飛ぶように
ゆれる裳裾


・・・げに様々の舞姫の
声も澄むなり・・・


祇園では
井上八千代さんの
「倭文」も有難く、
荘重な気持ちになりました。


お茶屋のおかあさんから
お盃
晴れがましく
新春の香。


宮川町も
黒紋付の芸妓さん・舞妓さんが
ずらりと並び
雅。みやび・・・

そして、
日が落ちた夕方
八坂神社に
月が昇り始めました

日本の
「形」
「様式美」・・・



2012年1月4日(水) 舞妓さん・「おことうさん」・福玉

2012-01-04 | 京都花街

そうそう、
大晦日からお正月といえば、福玉(ふくだま)です。


大晦日に舞妓さんが
「おことうさんどす
(=お事多うさんどす=いろいろと忙しい時期ですね)」と
日ごろお世話になっているお茶屋さんへ挨拶回り。


すると、ご贔屓筋から福玉が届いていて、
お茶屋のおかあさんが舞妓さんに渡してくれる。

売れっ妓の舞妓さんは
たくさんぶら下げて
屋方へ帰る・・・。
その姿が愛らしい。


毎年、私も福玉をいただく。
(ご贔屓筋ということかしら・・・?)


紅白の愛らしい珠。



これを、元旦のお雑煮を食べる前に割る。


まさに
桃から生まれたモモタロー 
みたいに、
金の龍が生まれ出た!
「金運 辰」

とありました。

開けてびっくり、玉手箱。
このように、干支のものが入っていたり、
宝船、お蔵、俵など縁起物が入っていることもあります


今は、大晦日には里帰りしていて、
「おことうさんどす」と
挨拶回りする舞妓さんは、めっきり減りました。




2012年1月3日 国境を越えたビール仲間

2012-01-03 | バルト三国
昨日は、頭のソフトが書道モードで、
龍という文字を沢山書いた。
そして、色紙一枚を額に入れようと
資料室で額を物色。


あったあった、金縁の額が・・・!
すると、中には、懐かしい一枚が。




2002年秋、
「ロシア東欧紀行」を
共同通信と
醸界春秋に連載のため
(以前、ブログに書いたが)
ワルシャワからモスクワまで陸路旅した時に、
リトアニアの首都ヴィリニュスから、カウナスへ行き、
カウナスでたまたま見つけた
「Avilys」というブルワリー。

そこで飲んでいると、
当時、日本人の女性が一人でカウナスで、
ビールを飲むのは
珍しかったからか、
オーナー氏に声を掛けられ、
話し込んだ。
彼もドイツ語が得意なので、
話が弾み、飲み、食べ、
一緒に写真を撮った。

後日、店に展示したいので
私が訪ねた日付で、何か書いて欲しいと
写真をプリントした
立派な「紙」(日本で言う色紙か?)が郵送されてきた。


そして、私が書いた(ドイツ語と日本語)。
私は記念に、コピーをとっておき、
額に入れたのだった。

それから少しして、
びっくりしたのは
ドイツ政府観光局時代に知り合った
岡山の醸造関係の会社の会長Fさんから、
リトアニアを旅したら、
ビールレストランに
私の写真と言葉が掲げてあった・・・と
興奮気味の電話があったことだった。


本当に、飾ってくれたのね。

ああ、ビール仲間の絆は深い。

2012年1月2日(水) お年賀状

2012-01-02 | 季節の美と楽しみ
一夜明けて
1月2日


恭賀新年

お気持ちも新たに
皆様 
それぞれの
新春を迎えられたことと思います。


健やかな年になりますように。

様々なこと思い出すお正月

心より、皆様に感謝。




昨年は、本当に沢山の方々に
大変お世話になり、
力になっていただき、
とても心強く感じました。


特に写真展では
当時、在エストニア日本大使館に勤務していた
タイミさん、
ブダペストでは
ご主人が元在日本ハンガリー大使館特命全権大使いらした
シュディ大使夫人、
ポントンギャラリーの方々、

一緒に旅して、
荷物を持ってくれたり、
写真展や講演会の写真撮影やら、
タクシーの手配やら何でも手伝ってくれた
宮口香保里ちゃん
ブダペストのホテルのバルコニーやスパ、
タリンの旧市街など、
仕事の合間の時間も懐かしい!
 →思い出すのは、ブダペストへ到着した日、ビールとワイン、お水をポントンギャラリーの三軒先の小さな店で沢山買い込み(翌日、香保里ちゃんが来てくれるというので、ホテルの冷蔵庫をいっぱいにしておこうと一生懸命に)、すると、クレジットカードが使えず、週末で両替もできない事がわかり、支払いできない私に、シュディ大使夫人が、たて替えてくださり、さらに、クレジットカードが使えるショッピングセンターへご案内してくださり、一緒に巨大なカートを引いてチーズやデリカテッセンを買い物して、ホテルまで車で運んでくださったのは、本当に、ありがたく、もったいなく・・・助かりました。
(Pontonギャラリー近くの、その店のご主人が話し好き。WiFi無料。奥に座ってビールを飲んだものです。)


当日、お忙しい中、お祝いにお越しくださった
星大使(エストニア)
伊藤大使(ハンガリー)
に感謝。

着物展示に尽力してくださった
京都の西陣織会館さん
お茶屋さん
田畑喜八先生
山田靖子さん
さらに、工芸士の方々・・・

去年に続き第二弾
今年3月 淡交社さんから刊行予定の
京都花街の本では
祇園甲部、先斗町、祇園東、上七軒、宮川町の
女将さん方、おねえさん方
創業江戸時代の「幾岡屋」さんの
おとうさんとおかあさん
さらに組合の方々も
(色々お話くださり、
興味深い本になることでしょう。)

エストニアとハンガリー、ラトヴィアの取材で
出合った地元の人たち
民族衣装のおばあさん
漁師さん
ガイドさん
運転手さん
ホテルのマネージャー
タリン・ファッションウイークのスタッフの方
もう、とても書ききれない数の人たち

沢山の人たちとのシーンが
無数の写真になって
スライドショーのように
頭によみがえります。

ありがとうございました。