☆ 遅ればせながら龍馬伝を観た

一ヶ月くらい前だけれど、ウトウトと夕寝をして１時間以上。
ふと目が覚めたら、テレビから声が聞こえる。
ドラマをやって居るようだった。
寝ぼけまなこでぼんやり観ていたら、これが結構臨場感があって面白い。
それは福山雅治主演の「龍馬伝」だった。

ＮＨＫの大河ドラマは「風林火山」「篤姫」と２年続けて観て
其々を楽しんだけれど、昨年の「天地人」は途中から観るのをやめた。
主人公が私の想像するのとは大きな差があったから。

それで今年の「龍馬伝」も福山雅治じゃあ歌は良いけれど、龍馬を演じるには線が細過ぎ、
とてもイメージが違い過ぎて観る気がしない、と最初から敬遠していた。

ところが偶然、寝起きに観た龍馬伝の迫力のあったことで、考えが変わった。
この臨場感は何処から来るのかと、目を凝らしていたら、画面が揺れている。
カメラを手持ちで動かしているのか、その揺れる画面が迫力を加えているし
人物に命がみなぎり、躍動感に溢れている。
何故か白黒の画面のような汚さというか、その時代の生活感というか・・
背景も良い。
みんな画面から飛び出してくるような迫力を感じた。
出演者も適役のように思う。

龍馬を演ずる福山は龍馬の魂が乗り移っているような熱演。
香川の岩崎弥太郎も良かったが、特に吉田東洋を演じた役者に惹かれた。
何処かで見たことがある、或いは会ったことがある？
調べたら舞踏家の田中泯という人だった。

吉田東洋は暗殺されて、田中泯の出番はなくなり、とても残念だが、話しは次々と
展開し、また魅力的な役者の出番が来て、新しい役を演じてくれる。
テレビという画面の中に自分も入り込み、同じ時代を生きているような眩暈。
大いなる錯覚。

この感情移入の仕方は、うたた寝からはっきり目覚めないままに、勝手に龍馬伝の
ドラマの世界に迷い込んでしまった故なのだろうか？

我ながら、あまりの心変わりに（大げさ！）　何かしら理由をつけなければ
納得が出来ない心境、というか自分自身にテレビを観る言い訳をしている。

司馬遼太郎の「坂の上の雲」と「竜馬がゆく」は読んだ。
でも「龍馬伝」は読んでいない。　龍馬について、これ以上本は読まずに
当分テレビを楽しむつもり。

自分が選んで観るテレビドラマは面白い、のは当たり前か（笑）
Ｂｓハイビジョンで土曜の夜１０時からの浅田次郎原作「蒼穹の昴」も面白い。
西太后を演ずる田中裕子が魅力的だが、春児役や梁文秀役の中国の俳優も楽しみだ。

観たくなる本格的なドラマ、このごろ少しづつ増えている感じがしている。