先日図書館で藤沢周平の本を借りてきました。
歴史小説「漆の実のみのる国」上下巻 米沢藩の物語です。
政治に無関心で金の掛かる遊興にばかりに熱心な藩主。
藩の財政を憂えた重役が前藩主を隠居させ、18歳の世継(後の上杉鷹山)を
藩主に据えて藩政改革を始めます。
本の裏書によると
『貧窮のどん底にあえぐ米沢藩。一汁一菜をもちい、木綿を着て、
藩政たてなおしに心血をそそいだ上杉鷹山と執政たち。
政治とは、民を富まし、幸せな日々の暮らしをあたえることにほかならない。
藤沢さんが読者にのこした遺書とでもいうべきこの長編小説は、
無私に殉じたひとびとの、類なくうつくしい物語である。』
藩主から農民までの果てしない倹約と、地を這うような努力、
襲い来る毎年のような悪天候からの凶作。
返す当ての無い膨大な借財。
個人の物語ではなく米沢藩とその領地に住んでいるあらゆる階級の
人の困窮と努力の話です。
この状態は啄木の和歌
『はたらけど はたらけどなお 我が暮らし 楽にならざり じっと手をみる』
を思い起こさせ、読んでいるこちらもかなり絶望的な気分になります。
本のラストは微かに将来に希望を持たせて物語りは終わっています。
検索してみると「見事に米沢藩は立ち直った」のだとか
本にはそこまで書いてないので読後感は苦痛でした。
下巻は飛ばし読みしてしまった所もあります。
その他に検索でわかったこと。
有名な言葉
『為せばなる 為さねばならぬなにごとも 成らぬは人の為さぬなりけり』
は改革を前にして鷹山が言った言葉だそうです。
ケネディが来日した時、記者に
「一番尊敬する日本人は?」と質問されて
「上杉鷹山です。」と答えたそうです。
その場に居る人は「上杉鷹山」が何者か分からず困ったそうです。
私も「上杉鷹山」の名前だけは知っていましたが、何をした人かは
本を読んで初めて知りました。
もう一冊、同じ作家の「たそがれ清兵衛」を読みました。
これは映画を見ましたが原作を読むのは初めて。
映画よりずっと短編で病身の妻との二人暮しと家族構成も違っていましたが
「たそがれ」なのは変わらず、良い味を出していました。
藩の家老から上意討ちを頼まれたのに、妻が病身な為(ご飯を炊いたり
厠通いの世話をするので)
「その義はお許し願います」と断り、家老を憤慨させます。
結局双方譲歩して、清兵衛は妻の世話をしてから会議に駆け付ける事になり
時間ぎりぎりに現われて上意討ちの役目を果たします。
その褒美は妻に良い医者を紹介されるのとかねてからの願いだった温泉治療。
妻は歩けるまでに回復します。
他に7編入っていてそれぞれの主人公は容貌や性格が奇異だったりして
日頃から侮られているのですが、いざという時には変身変貌しての見事な活躍!
侮っていた人たちは彼らを見直してハッピーエンド。
やっぱり重厚な後には、救いのある読み物が嬉しいです。
歴史小説「漆の実のみのる国」上下巻 米沢藩の物語です。
政治に無関心で金の掛かる遊興にばかりに熱心な藩主。
藩の財政を憂えた重役が前藩主を隠居させ、18歳の世継(後の上杉鷹山)を
藩主に据えて藩政改革を始めます。
本の裏書によると
『貧窮のどん底にあえぐ米沢藩。一汁一菜をもちい、木綿を着て、
藩政たてなおしに心血をそそいだ上杉鷹山と執政たち。
政治とは、民を富まし、幸せな日々の暮らしをあたえることにほかならない。
藤沢さんが読者にのこした遺書とでもいうべきこの長編小説は、
無私に殉じたひとびとの、類なくうつくしい物語である。』
藩主から農民までの果てしない倹約と、地を這うような努力、
襲い来る毎年のような悪天候からの凶作。
返す当ての無い膨大な借財。
個人の物語ではなく米沢藩とその領地に住んでいるあらゆる階級の
人の困窮と努力の話です。
この状態は啄木の和歌
『はたらけど はたらけどなお 我が暮らし 楽にならざり じっと手をみる』
を思い起こさせ、読んでいるこちらもかなり絶望的な気分になります。
本のラストは微かに将来に希望を持たせて物語りは終わっています。
検索してみると「見事に米沢藩は立ち直った」のだとか
本にはそこまで書いてないので読後感は苦痛でした。
下巻は飛ばし読みしてしまった所もあります。
その他に検索でわかったこと。
有名な言葉
『為せばなる 為さねばならぬなにごとも 成らぬは人の為さぬなりけり』
は改革を前にして鷹山が言った言葉だそうです。
ケネディが来日した時、記者に
「一番尊敬する日本人は?」と質問されて
「上杉鷹山です。」と答えたそうです。
その場に居る人は「上杉鷹山」が何者か分からず困ったそうです。
私も「上杉鷹山」の名前だけは知っていましたが、何をした人かは
本を読んで初めて知りました。
もう一冊、同じ作家の「たそがれ清兵衛」を読みました。
これは映画を見ましたが原作を読むのは初めて。
映画よりずっと短編で病身の妻との二人暮しと家族構成も違っていましたが
「たそがれ」なのは変わらず、良い味を出していました。
藩の家老から上意討ちを頼まれたのに、妻が病身な為(ご飯を炊いたり
厠通いの世話をするので)
「その義はお許し願います」と断り、家老を憤慨させます。
結局双方譲歩して、清兵衛は妻の世話をしてから会議に駆け付ける事になり
時間ぎりぎりに現われて上意討ちの役目を果たします。
その褒美は妻に良い医者を紹介されるのとかねてからの願いだった温泉治療。
妻は歩けるまでに回復します。
他に7編入っていてそれぞれの主人公は容貌や性格が奇異だったりして
日頃から侮られているのですが、いざという時には変身変貌しての見事な活躍!
侮っていた人たちは彼らを見直してハッピーエンド。
やっぱり重厚な後には、救いのある読み物が嬉しいです。
読完で、どおっと疲れるけど夢中になって読む小説や
後引きの無い佐藤愛子のエッセイの様な小気味いいものや田辺聖子のホンノリ感、又推理小説にのめり込んだりして
pc購入前までは結構読んでいましたが最近はpcで目を使い本となると…
脳のヒダが伸びてしまい読んでいる尻から前文を忘れるひどいことに陥っています、アァーー鍛えなきゃ~何もかも(悲)
「たそがれ清兵衛」は映画のほうが強く印象に残りました。
宮沢りえがよかったからかなあ。。
藤沢作品は貧しい下級武士を描いているけど、どこか結末に救いがあります。
でも、「竹光始末」これはなんともいえない筋書きでした。
仲代達也主演で「切腹」という題名で映画化されていますが、これはすごい映画です。
ばーば様はじめ、ばーば様のお友だちは皆様読書家で
いらっしゃいますのね
わたくしも読書は若い頃から大好きですが、
歴史小説は苦手です。強いて言えば、「新・平家物語」を全巻読んだことくらいです
まして、時代から政治を語ることはまるで
出来ません
また、色々お勉強させてくださいませ
石川啄木は、「一握の砂」「悲しき玩具」の短歌から
詩、短編、ローマ字で書かれました日記まで大好きな
熱烈大ファンです
武家ものは救いがあるのが多いですが、市井物といわれるのは悲しい結末が多くて
私の読書は男性作家のものが多いです。それは父の本棚を漁って読んでいたからでもありますが、ブログ友だちの皆さんの読書好きにも影響されているのは確かです。
「新・平家物語」を読んでいれば最高だとおもいますよ。私も大好きです
若い頃は、短歌は与謝野晶子と若山牧水が好きで、石川啄木は苦手でしたが、最近は読んでみたいと、変わりました。そんなに啄木の作品、色々有るのですか?
年齢によっても傾向は変わってきますね。
中学時代の友達にあなたの文章には色気が無いと言われて反省しているのですが今更無理ですよね~!