「俺らの顔立てて~や」…傷害被害者を救急車から降ろす、山口組系幹部2人逮捕
産経新聞 2/26(日) 19:11配信
「俺らの顔立てて~や」…傷害被害者を救急車から降ろす、山口組系幹部2人逮捕
神戸市灘区の山口組総本部(写真:産経新聞)
車の通行をめぐるトラブルで4人を殴って負傷させたとして山口組直系組長ら3人が逮捕された傷害事件で、大阪府警捜査4課は26日、被害者に被害届の提出を断念させようとした強要の疑いで、指定暴力団山口組直系「大原組」幹部、金芳次(52)と、同組幹部の大井栄治(49)の両容疑者を逮捕したと発表した。ともに容疑を否認している。府警は暴力団の威光を背景にした悪質な犯行とみて、さらに捜査を進めている。
■事件のきっかけはクラクション
傷害事件は昨年5月15日午前2時ごろ、大阪市生野区内で発生。スナックで酒を飲み、3台の車に分乗して移動しようとした山口組直系組長3人と、それぞれの運転手役だった暴力団組員3人の計6人が、同市内に住む40代男性が運転する車にクラクションを鳴らされ、激高したことがきっかけだった。
6人は男性を車から降ろして近くの駐車場で取り囲み「(山口組の)直参にけんか売ってどうなるか分かってるんやろうな」などと脅迫。男性のほか、騒ぎを聞いて駆けつけた家族や知人ら3人を殴り、けがを負わせたとされる。
4人にけがを負わせた山口組直系組長は「極粋会」会長、森尾昇(59)▽「早野会」会長、鈴川憲司(48)▽「中島組」組長、里照仁(57)-の3容疑者。今月23日、運転手役の3人とともに暴力行為処罰法違反や傷害の疑いで府警に逮捕された。
当時、現場には警察官や消防隊員も駆けつけて状況を確認していたが、直系組長らの逮捕まで9カ月以上も要したのには理由があった。
■突如登場、別の直参
府警によると、直系組長らに殴られた4人のうち、最もけがの程度が重かったのは、クラクションを鳴らした男性の家族だった40代女性。救急隊員から応急処置を受け、救急車で病院へ搬送されるはずだったが、突如姿を見せた山口組直系「大原組」の幹部2人が、“圧力”をかけたという。
大井容疑者(49)は女性に対し「俺ら大原の顔を立ててーや。このまま病院行ったら街から追い出すで」と救急車から降りるよう指示。男性には「このまま警察に被害届出したらお前ら家族住めんようにしたるからな」と脅した。
さらに、大井容疑者よりも組で役職が上位の金容疑者は、「大原の顔に泥を塗るな。言うこと聞けへんのやったらホンマに出ていってもらうからな」と追い打ちをかけていた。
大原組は同区内に本部を置く地元の暴力団組織。のちに、女性は全治3週間の打撲と判明したが、当時は金容疑者らに屈する形で救急車を降り、現場を立ち去ったとされる。
その後、捜査員の度重なる説得を受け、昨年11月に被害届を提出。府警は、直系組長ら6人の逮捕と同日の今月23日に強要の疑いで大井容疑者を逮捕し、26日に金容疑者を逮捕した。
捜査幹部は「暴力団幹部に脅されたら、普通の人はなかなか抵抗できない。悪質な犯行であり、逮捕した暴力団幹部を厳しく追及する」としている。
産経新聞 2/26(日) 19:11配信
「俺らの顔立てて~や」…傷害被害者を救急車から降ろす、山口組系幹部2人逮捕
神戸市灘区の山口組総本部(写真:産経新聞)
車の通行をめぐるトラブルで4人を殴って負傷させたとして山口組直系組長ら3人が逮捕された傷害事件で、大阪府警捜査4課は26日、被害者に被害届の提出を断念させようとした強要の疑いで、指定暴力団山口組直系「大原組」幹部、金芳次(52)と、同組幹部の大井栄治(49)の両容疑者を逮捕したと発表した。ともに容疑を否認している。府警は暴力団の威光を背景にした悪質な犯行とみて、さらに捜査を進めている。
■事件のきっかけはクラクション
傷害事件は昨年5月15日午前2時ごろ、大阪市生野区内で発生。スナックで酒を飲み、3台の車に分乗して移動しようとした山口組直系組長3人と、それぞれの運転手役だった暴力団組員3人の計6人が、同市内に住む40代男性が運転する車にクラクションを鳴らされ、激高したことがきっかけだった。
6人は男性を車から降ろして近くの駐車場で取り囲み「(山口組の)直参にけんか売ってどうなるか分かってるんやろうな」などと脅迫。男性のほか、騒ぎを聞いて駆けつけた家族や知人ら3人を殴り、けがを負わせたとされる。
4人にけがを負わせた山口組直系組長は「極粋会」会長、森尾昇(59)▽「早野会」会長、鈴川憲司(48)▽「中島組」組長、里照仁(57)-の3容疑者。今月23日、運転手役の3人とともに暴力行為処罰法違反や傷害の疑いで府警に逮捕された。
当時、現場には警察官や消防隊員も駆けつけて状況を確認していたが、直系組長らの逮捕まで9カ月以上も要したのには理由があった。
■突如登場、別の直参
府警によると、直系組長らに殴られた4人のうち、最もけがの程度が重かったのは、クラクションを鳴らした男性の家族だった40代女性。救急隊員から応急処置を受け、救急車で病院へ搬送されるはずだったが、突如姿を見せた山口組直系「大原組」の幹部2人が、“圧力”をかけたという。
大井容疑者(49)は女性に対し「俺ら大原の顔を立ててーや。このまま病院行ったら街から追い出すで」と救急車から降りるよう指示。男性には「このまま警察に被害届出したらお前ら家族住めんようにしたるからな」と脅した。
さらに、大井容疑者よりも組で役職が上位の金容疑者は、「大原の顔に泥を塗るな。言うこと聞けへんのやったらホンマに出ていってもらうからな」と追い打ちをかけていた。
大原組は同区内に本部を置く地元の暴力団組織。のちに、女性は全治3週間の打撲と判明したが、当時は金容疑者らに屈する形で救急車を降り、現場を立ち去ったとされる。
その後、捜査員の度重なる説得を受け、昨年11月に被害届を提出。府警は、直系組長ら6人の逮捕と同日の今月23日に強要の疑いで大井容疑者を逮捕し、26日に金容疑者を逮捕した。
捜査幹部は「暴力団幹部に脅されたら、普通の人はなかなか抵抗できない。悪質な犯行であり、逮捕した暴力団幹部を厳しく追及する」としている。