カテーテル挿入の手術でワイヤ放置、心臓貫通し患者死亡…何が
4/4(木) 19:13配信
日テレNEWS24
Nippon News Network(NNN)
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病院で手術を受けた男性の体にワイヤが入ったまま放置され、男性が、転院先の病院で死亡していたことが分かった。ワイヤが心臓を貫通していたという。警察は、業務上過失致死の疑いで捜査している。
◆きょう転院先の病院が会見…何が?
大阪府の「寝屋川生野病院」で、カテーテルを挿入された69歳の男性患者が、体内に放置されたワイヤが原因で死亡していたことが分かった。
4日に会見を行ったのは、男性患者が亡くなった転院先の、大阪市の明生病院。
転院した明生病院の会見「本来であればガイドワイヤが抜かれた状態でカテーテルが入っているが、(転院してきた患者には)ガイドワイヤがずっと留置されていると。日本、世界レベルでそういうことがあったか調べてみたが、ほとんどない」
一体、何があったのだろうか。
◆放置されたワイヤとは…経緯は
カテーテルとは医療用の細い管のことで、心臓や血液の状態を調べたり栄養補給を行ったりするために使われる。会見した転院先の明生病院によると、一般的に、まずガイドワイヤを血管などに挿入したあと、カテーテルの穴をワイヤに通して体内に入れていくという。
捜査関係者によると、亡くなった鈴木博さん(69)は2017年11月、寝屋川生野病院で肺炎と診断され、栄養をとるために血管内にカテーテルを挿入する処置を受けた。カテーテルを入れた後はガイドワイヤを抜く必要があるが、病院側は抜き忘れたという。
鈴木さんはその後の去年1月、大阪市の明生病院に転院。カテーテルを抜く処置を受けたときにワイヤが体内に放置されていることが判明した。
転院した明生病院の会見「本来であれば簡単に抜去できるもの(カテーテル)が、非常に抵抗を感じて、抜くのが難しい状態。右のそけい部からガイドワイヤが入っていて、それが心臓の中、ループを描く状況になっていて、頭の静脈の方にまで向かっていた」
鈴木さんはカテーテルを抜く処置を受けたが、放置されていたワイヤが心臓を貫通し、去年2月、死亡したという。
転院先の明生病院の会見「非常に残念で申し訳なく思っています」
警察は、二つの病院関係者から事情を聞き、業務上過失致死の疑いで捜査している。
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ワイヤ処置は適切と病院、大阪 抜き忘れ患者死亡事故
4/4(木) 18:19配信
共同通信
大阪府内の病院で体内に放置されたカテーテルのワイヤを抜く際に心臓を貫通し、男性患者が死亡した事故で、大阪市都島区の「明生病院」の担当医らが4日、記者会見し、ワイヤを抜いた処置は適切だったとした上で、処置と死亡との因果関係は不明と説明した。
処置した循環器科の男性医師によると、同府寝屋川市の「寝屋川生野病院」から転院し、2018年2月に亡くなった鈴木博さん=当時(69)=の脚の付け根から入ったワイヤは長さが約1メートルあり、カテーテルに埋没した状態で、心臓で1回転して頭の静脈付近にまで達していたという。
医師は「ワイヤはカテーテルが入った段階ですぐに抜くべきものだが体内に放置されていた」と指摘。外科手術によって除去しなかった理由については「開胸することによって、免疫が低下していた患者に合併症が起こる可能性があった。処置は無理やりではなかった」と説明した。
明生病院の楠田武生院長は「入院中に死亡されたことについて、非常に残念で申し訳なく思う」と謝罪した。
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ワイヤ抜き忘れで患者死亡、大阪 カテーテル誘導、心臓を貫通
女児体内にカテーテル 神戸の病院で手術ミス
3/29(金) 8:30配信
産経新聞
兵庫県は28日、県立こども病院(神戸市中央区)で肺炎の手術を行った女児の体内にカテーテルの先端が取り残される医療ミスがあったと発表した。摘出手術を行い、容体は良好という。
県によると、女児は1月、肺炎の治療で肺の一部を切除。術後の痛みを和らげる別の手術でカテーテルを肋骨の神経付近に挿入したが、その先端がちぎれ、体内に取り残されたという。
「心臓止まっちゃっているけどビックリしないでね」我が子抱っこできぬまま母親死亡…遺族が病院提訴
4/3(水) 20:53配信
FNN.jpプライムオンライン
「心臓止まっちゃっているけどビックリしないでね」我が子抱っこできぬまま母親死亡…遺族が病院提訴
(画像:FNN PRIME)
我が子を抱っこできないまま、29歳の母親が…
お産がスムーズに行えなくなった時、人工的に陣痛を強めるための薬が「陣痛促進剤」。
厳重なチェックのもとに使うことで、お産を安全にコントロールでき、赤ちゃんと母親の命を救うことにつながる…しかし、悲劇は起きてしまった。
【写真】生まれたばかりの我が子を見つめる美沙さんの写真を見る…
生まれたばかりの我が子を、やさしい笑顔で見つめてる母・川島美沙(29)さんの写真。
その写真が撮影された数時間後…
母親になったばかりの美沙さんは、29歳の若さで、帰らぬ人となった。
2017年8月、神奈川県内の産婦人科で陣痛促進剤を使用し出産した美沙さんは、その後、出血多量の末、亡くなった。
美沙さんの妹:
最初に抱っこしたかったはずなのに、抱っこできないまま…
美沙さんの夫:
向こうから「心臓止まっちゃっているけど、びっくりしないでね」と簡単な口調で言っていたのが、今でも鮮明に残ってました。
遺族側が病院を相手に損害賠償訴訟
美沙さんの遺族は、陣痛促進剤が適切に投与されなかったうえ、止血など適切な処置が行われなかったとして、4月3日、病院側に対し、約1億4200万円の損害賠償を求める訴えを起こした。
陣痛促進剤とは…
遺族側が適切に投与されなかったとしている陣痛促進剤とは、子宮の動きをうながし、陣痛を活発化させるための薬だ。
中林病院副院長の中林靖医師は「なるべく陣痛を適正化させるという、安全なお薬ではあります」と話す。
しかし、その使用量には十分な注意が必要だという。
中林医師は「(投与量が多くなり)陣痛が強くなりすぎると、今度は子宮が破裂するという子宮破裂といったリスクも出てきますので、そうならないように注意をしながら見ていきます」と話した。
一般的に陣痛促進剤の使用量を誤ると、子宮が破裂し出血する恐れがあるという。
“病院側の報告書では「別の要因で死亡した」”
3日提出された訴状によると、病院側の事故調査報告書では美沙さんは「別の要因で死亡した」とされているという。
提訴されたことについて病院側は「状況が入ってきておらず、現時点でコメントは差し控えます」と回答している。
日本産科婦人科学会の定めたルール
本来、陣痛促進剤は、無事に出産するために使うものだが、危険な状態になりうることもある。
このため、日本産科婦人科学会は厳格なルールを決めている。そのルールを見ると…
・まずこのケースは使用が適切かどうか確認する。
・そのうえで、本人の文書による同意を得る。
・分娩監視装置で、陣痛の強さ、胎児の心拍数などを連続的にモニターする。
・基準量の範囲内で使用する。
ルールが守られないケースも…
一方、こんなデータもある。
日本医療機能評価機構によると、脳性まひで補償対象となった赤ちゃん817件の中で、
陣痛促進剤として一番多く使われているオキシトシンという薬が使用された例が185件。
そのうち57%にあたる105件で、基準より多く投与されていた。
さらに、2割以上が連続的にモニターされていないなど、
ルールが守られていないケースがあるのが現実だ。
中林医師は「使用量を守り、母子の状態をしっかりと監視して使えば決して危険なものではない。使用のリスクも含め医師と話し合うことが重要だ」と指摘している。