北区は新しい街が多く「町名」に字名や山の名前から付けられたケースが多かったとお話ししました。 今回からその元の名前の由来を発掘したいと思います。
神戸市北区といえば「有馬温泉」です。 その「有馬町」の由来は?
有馬温泉の「有馬」という字は日本書紀には「有間」と表記されている。
有野町にある「有間神社」は現在も古い「有間」を使用しています。
有間が史上に現れるのは「日本書紀」で631年3月に舒明天皇が当地に行幸したのが初見です。(山口町に行幸の碑がある)
なぜ有間から有馬という名前に転移したのかはさだかではないが、その由来は二つの説によって語られています。
1)日本の古代言語で「アリ・アル」とは「山」を意味し、「マ」とは「間」を意味する。古来、六甲の山に抱かれていることから「山間の土地」と言う意味でそう呼ばれていた。
2)アイヌ語で「アリマ」という言葉は「燃える谷」を意味する。真偽の程は怪しいが、90度近い温度で吹き上がる温泉、六甲の梺であるということから燃える谷と連想させなくはない。最近の分析ではアイヌ人と日本人とのミトコンドリアDNAが酷似しているという。日本全国の地名がアイヌ語との関連性を持っていることが指摘されている。
元久2年(1205年)「明月記」に湯山宿とあり、鎌倉時代以降「湯山」「湯山有馬」などの表記が見られ「善福寺文書」(1529年)には「湯山村」と見える。 安土桃山から江戸前期は「有馬」と書かれることが多く元禄年間(1688年~1704年)には湯山町になった。 明治22年の市町村制で湯山町。 明治29年に「有馬町」に改称され、昭和22年神戸市と合併した。