晴走雨読

晴耕雨読ではないが、晴れたらランニング、雨が降れば読書、きままな毎日

『今日の総理』

2009-12-19 17:38:36 | Weblog
『今日の総理』(池上彰著 ビジネス社 2009年刊)*この本は、22cm×11cmの細長い変型版、この手の本は、後で整理するとき大きさが他の本と揃わない難点がある。
 
 私が、新聞の「首相動静」欄から政治が読めると教わったのは随分前のことで、時の首相がどのような人物と会った、会食をしたという事実から、政治の焦点が見えてくる。また、首相の趣味や嗜好もわかる。

 このことは、2007.3.7の当ブログで「首相動静(夕食の部)」として、潰瘍性大腸炎という難病と闘う当時の安倍晋三首相が夜毎に要人とレストランで食事をしている事実を取上げ、首相の健康状態を心配するとともに、政権がそうは長く続かないのではないかと杞憂した。ちなみに2007.9月の辞任時の病名は、機能性胃腸炎。

 本書は、同じ発想で朝日新聞の首相動静記事が始まった1977年2月1日(1月31日分)から、当時は福田赳夫首相であるが、歴代の首相の動静蘭を丹念に調べ上げ、政治が大きく動いた日や大きな事件の発生した日をピックアップしコメントを付している。

 例えばこんなことがわかる。麻生首相のホテルのバー通いは有名になったが、ただ麻生の場合人脈が狭いと見え、いつも秘書官と一緒であり、お供する秘書官も大変だなあと思ったものである。以前から岡本全勝という総務省出身の秘書官に注目していたが、重労働だったと思う。

 傾向として、昔は政治家といえば赤坂の料亭での宴会が定番であったのだろうが、最近はホテルのレストランが多いようである。また、コンサートや観劇に良く出かける小泉首相、酒とゴルフ三昧、胃袋が歩いているような森首相、同じ本を二度買ってしまうなど本を読む時間も惜しんでバーで酒を飲んでいる麻生首相など、普段の生活が垣間見えたり、明らかにパフォーマンスばかりだったり、それは政治ネタの宝庫なのである。

 本書で著者の筆が滑った箇所がある。版を重ねた時に訂正される可能性があるのでその部分を正確に引用しておく。P56、1977年2月1日(火)の説明で、『「中川」は、中川一郎。息子は、「朦朧会見」で有名になり、2009年10月に自殺した中川昭一です。』

 おっと、やはり業界では「自殺」が定説なのですな。著者の池上氏はご存知のとおり元NHKの報道記者、週間子どもニュースの初代お父さんである。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする