トニママ ジャーナル

カリフォルニアより自閉症と音楽と私の日々

Yes, we can carry a tune,,,,

2008-10-13 | Weblog
たくさんのドラマを背負った自閉っ子コンサートがやっと終わりました。

ドラマその1
リハーサルのとき、プログラムの曲名が間違っていたことと、最後の曲がsurpriseとなっていたことが原因でB君が大パニックを起こしました。
私も出来上がったプログラムを見て、サプライズは危険だとうすうす思っていました。予期できないことが苦手な自閉症にはあまりにも残酷なタイトルです。
B君に訂正したプログラムを見せて、納得してもらうと、何もなかったようにきれいな声でピアノの弾き語りをしてくれました。
会場にいた音楽関係者が“普通はあれだけ泣き叫んでからあんなにきれいな声で歌えない”と言われたと聞いて、知らない人には同一人物とは思えないほどのB君の変わりように彼の才能を改めて認識したのでした。

ドラマその2
出番を間違えたG君が自分の失態に落ち込み、この世の終わり状態になった。
本番中にステージの上から両親をののしったり、泣きながら手をふったり、、、
曲間に両親がG君を外へ連れて行き、説得すること15分。
何をどう説得したのか、G君はもとにもどった。

ドラマその3
運動神経抜群のN君がステージから飛び降り、ダッシュで会場を去った。
一瞬の出来事で、私はこれに全然気づきませんでしたが、N君の行き先はお手洗いだったらしい。
客席で見ていた人たちは“台本にあった筋書き”だと思ったそうです(笑)。

ドラマその4
ガーシュインのすばらしいピアノ演奏を披露してくれたC君が演奏後に客席とは全然違う方へ向かってお辞儀した。
毎年いくつものコンサートをこなす音楽経験豊富なC君は回を重ねるごとに演奏テクニックが上達している。でも演奏後のお辞儀がいまだにできないのです。
“このギャップがいいのよね“と言ってくれる人も多く、私も調子にのって「本当に真の自閉症だよね」とつっこんだのでした。


いろいろありましたが、音楽を通じてたくさんの人に彼らの可能性をわかっていただけるようにこれからもメッセージを送りたいと思います。