昨夜は宿直。この歳になって宿直なんて勤務は初めてです。私の同僚は、宿直を実際にしてから勘弁してほしいと願い出ました。特養(特別養護老人ホーム)ですから、深夜に何が起こるかわかりません。彼の宿直の日に想定外の事が発生したようです。私の宿直日にも私が救急車を呼ぶ異常事態が発生しました。その日は他にも事件があり、大変な1日となりました。若い人も宿直日はかなりのプレッシャーを受けているようです。みんなが避けたい宿直を私はすんなりと受け入れられるのは、今までの経験のおかげです。たぶん100回は救急車を呼んだでしょう。一緒に乗って随行し、母親が来るまで手術室前で待っていたこともあります。「若い頃の苦労は買ってでもしろ」というのはこういう意味もあるんでしょうね。
さて、17:30に仕事を終え、ATCにあるトンカツ屋で夕食を取りました。ロースカツ御前950円、トンカツの肉は最悪、揚げ方も不合格でした。気分の変えるためにサンフラワーを見ようと外に出ると、素晴らしい夕暮れに遭遇しました。そういえばこんな時間帯のことを三谷幸喜監督は映画の中で「マジックアワー」(日没後の「太陽は沈み切っていながら、まだ辺りが残光に照らされているほんのわずかな、しかし最も美しい時間帯」と語っていましたね。佐藤浩市が何度もナイフを舐める映画です。あんな演技を佐藤君にさせてはいけません。出る方も出る方です。
もうじきクリント・イーストウッドが製作・監督・主演した最後の西部劇、アカデミー作品賞・監督賞も獲得した「許されざる者」の日本版が放映されます。佐藤君はその「許されざる者」を演じるのです。ジーン・ハックマンが見事に演じてアカデミー助演男優賞を獲得した役を演じるのです。私のような映画好きは、どうしてもあのナイフを何回も舐める演技が脳裏にちらついて、あの冷徹な役を演じられるのか大変不安になっています。あの役は真田広之なら見事に演じきると思っていますが、渡辺謙と並ぶと少し背が足りません。監督も一度は真田の起用を考えたのでは、と馬鹿な邪推をしています。ここまで心配していて、佐藤君が見事に冷徹で暴力好きな男を演じ切れたら映画はきっと成功するに違いないと思っています。 マジックアワーと呼ばれる見事な夕焼けを見ながらこんなことを考えていたら、まずいトンカツのことは波の彼方に行ってしまいました、チャンチャン!