本家ヤースケ伝

年取ってから困ること、考えること、興味を惹かれること・・の総集編だろうか。

美しい国。

2007-07-28 12:30:21 | 社会
『WORLD WAR Ⅱ第二次世界大戦全史13』という500円DVDを買ってあったのを先日見た。13巻は太平洋戦争篇で、エピソード1が沖縄地上戦・神風特攻隊、エピソード2が原爆投下・終戦である。1952-53年にかけて全米で?日曜のゴールデンタイムに26週に亘って放映されたものだという。日本語のナレーション付きで、微かに英語も聞こえる。最初に出て来るのは富士山をバックに木橋があり、SLも走る昭和十年代の日本の映像である。川面に舟が行き交う桜満開の美しい日本がそこにある。神社遥拝から学徒勤労動員、雨中の学徒出陣、若き日の昭和天皇=現人神は白馬に跨って登場する。北の将軍様ではない。w「沖縄地上戦」とは言っても圧倒的軍事力を背景に米軍が山野を進撃する様子だけで、火炎放射器で日本軍の塹壕を焼き尽くしたカラー映像や、断崖絶壁からもんぺ姿の日本人女性が投身自殺する映像等有名なものはお茶の間向きではないのか、含まれていなかった。1945年4月1日嘉手納上陸に端を発する沖縄攻撃には、ノルマンジー上陸作戦に匹敵する55万の兵力が投入されたが、日本軍はこれを殆ど無抵抗で迎えた。保護され震えの止まらない小さな男の子の映像は印象的だった。本土上陸決戦用に米国本土では後続が準備万端整えていてその映像もあったが、彼らの出番はついぞなかったわけである。特攻が決まった隊員たちは「さらば、靖国で会おう」を合言葉に別れの水盃を交わした。日本軍は3,500機の虎の子の航空機を特攻に投入し、敵レーダー網に事前に察知されながらも彼らの迎撃をかいくぐって、米国第五艦隊1,500艦艇のうち空母・戦艦を含む350隻に損害を与えた。「我々はこんなにやられたんだ!」と国内向けに強調するためか、特攻機が稀に体当たりに成功し、米軍が消火活動や重度の損傷を負った他の艦艇乗組員らを救出する場面には多くの時間が割かれていた。・・とまあそんな感じのエピソード1である。2は原爆実験、焼け野原となった広島、ミズーリ艦上での降伏文書調印儀式などの映像であるが、詳論する余白はない。美しい国とは何か。それは時の権力が上から網を被せて規定するものなのか。美しい国の対極には醜い国の存在が前提的に措定されるのか。自分の政治団体が法に触れる行為をしていたことを「聞いていない」などと言って逃げ回っている某大臣は美しい国の閣僚に相応しいのか。 . . . 本文を読む