大人の見識 (新潮新書 237)阿川 弘之新潮社このアイテムの詳細を見る |
ひさびさに本屋に顔をだすと、2ヶ月の留守の間に大量の本が出ている。
いきつけの本屋では配置も変わっている。
自然科学本が少々隅に追いやられ、ちょっと寂しい。
さて、どれを読もうか、どれを買おうか?
と、手にしたのがこれ。
著者はもちろん有名人。
娘も有名人で、私たちと同世代。
例によって、新潮文庫は読み易く、電車の中と、これも久々の喫茶店ぶらりで読んだ。
このリベラリズムは実に私にフィットする。
幼き頃、親達の世代が「陸軍は奴隷、海軍は自由」と話していたことの記憶がよみがえる。
私は、その時、一世代前の悲惨な戦争の時代にいいことなどあったなど、全く信用はしていなかったが、
そこに青春時代を過ごしたこの著者たちのリベラリズムと国家観や靖国観などは共感できる。
ただ、「あなた達高学歴の人たちはエリートではなかったのか?」との疑問はやはり拭えてはいない。
そして、このこの歳になると、次の世代を思う。
この著者は私たちより30年前、今の若者は30年後、
その間の私たちの青春の現実はすでに遠い過去なのだと。
しかし、この著書に見る、このさわやかなリベラリズムは時代を超えて変わらぬ真実なのだと思いたい。