鬱の患者さんの間でよく聞かれるのが「寝ても寝ても寝足りない」、「ずーっと、寝てる/寝られる」といった『過眠型』の睡眠障害(こんな用語があるのかわかりませんが)。鬱の症状で「起き上がれない」というの睡眠障害とは言わないだろうが、鬱当事者はそれも睡眠障害とは考えている方も多い。逆に「寝られない」、「うたた寝する程度しかできない」の『過覚醒状態』というのも困ったもの。真偽の程はわからないが、アメリカで10〜20年も寝ないで過ごした女性の話を本で読んだことがある。夜になっても眠くならずに編み物をして朝まで居るとのことだった。それは精神障害に起因するものではないそうだが、ストレスなりそれ以外の原因で睡眠を司るところに異常が起こり、過眠になったり、覚醒状態が続いたりするのだろう。また、不眠になることによってか、ストレスが問題なのか、身体症状として「寝られない」こともある。「ベッドに横になっても、布団に接している肌が痛くなるので横になれない」、「足の先が誰かに触られているような感じがして寝れない」など、これも睡眠を司るところが刺激されているのか、誤作動を起こしているのかもしれない。精神疾患は人間の三大欲求に支障をきたすことはよく知られている。過剰になったり、減退したり、当の本人にしてみればたまったものではないが「これが決め手!」という治療法や薬後あるとは聞いたこととがない。一部に高圧の電気を流すような「荒療治」も有名な国立大学で今も行われてあるといいます。
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上記の様々な『睡眠障害』は長く続くことが多く、睡眠薬や気分を高める薬の調整は非常に繊細でこのことでドクターショッピングせざるを得ない患者は多く、数年かかってもまだ見つからないことはざらだ。また、短期間で薬を変えるのも「何が効いて、何が効いていないのか?」処方する医師が混乱してしまう場面は多い。薬が落ち着いて効いてくるまで中期的な観察が必要で患者の言われるままに処方を来院のたびに変えてしまうのは非常に危険だ。また、医師も「薬万能主義」を捨ててじっくり腰を据えた治療をお願いしたいものだ。
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