ペットボトルなどの素材として使われるポリエチレンテレフタレート(PET〈ペット〉)の性能を高めた、新たな樹脂を東洋紡が近く生産し始める。気体を通しにくいためより長期間の保存ができ、軽量化もできそうだという。

 東洋紡の6日の発表によると、新しい樹脂は「ポリエチレンフラノエート(PEF〈ペフ〉)」。オランダのバイオベンチャー「アバンティウム」と技術提携し、量産化を実現した。

 ペットボトルはわずかに気体を通すため、内容物の酸化が避けられなかった。PEFならば酸素は10分の1しか通さないという。樹脂の厚みを薄くしても性能が保てるため、容器の軽量化にもつながる。

 ログイン前の続きさらに、原料を全て植物由来にすることにも成功した。製造時に二酸化炭素の排出量を減らせる。東洋紡によると、サトウキビなどを使った植物由来のPETは2010年ごろから国内で出回っているが、100%植物由来はこれまでなかったという。

 東洋紡は「将来的にはペットボトルを『ペフ』ボトルに置きかえていきたい」。三井物産と協力して17年から飲料会社などにサンプルを出し、採用を働きかける。(新田哲史)

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