去年生まれた赤ちゃん、100万人下回ったの?
2017年1月27日05時00分
■40年後には50万人割る推計。育てやすい環境(かんきょう)づくり急務
アウルさん 去年生まれた赤ちゃんが100万人を下回ったんだって?
A 厚生労働省の人口動態(どうたい)統計で2016年に国内で生まれた日本人は98万1千人と推計された。この統計を始めた1899(明治32)年以降で100万人を割るのは初めて。少子化(しょうしか)が改めて浮(う)き彫(ぼ)りになった。
ア これまでは何人ぐらいだったの?
A 別の統計によると1883(同16)年に100万人を超(こ)え、第2次大戦前まで増加傾向が続いた。1947~49年には戦時中に控(ひか)えられた結婚(けっこん)・出産が重なって第1次ベビーブームが起こり、過去最高の約270万人を記録。その子どもが親世代になった71~74年は第2次ベビーブームで200万人を超えていた。
ア 第3次ベビーブームはなかったの?
A 幻(まぼろし)に終わった。第2次ベビーブーム世代以降は就職氷河期(ひょうがき)が重なったこともあって、結婚しない人が増えたんだ。70~80年代の男女の生涯未婚率(しょうがいみこんりつ)は5%未満だったけど、90年代から上昇(じょうしょう)し、2010年には男性が20%、女性が11%になった。結婚した場合でも、10年以降は平均の子どもの数が2人を下回っている。
ア 将来はもっと減る?
A 10年の国勢(こくせい)調査をもとにした国立社会保障・人口問題研究所の推計では、出生数は2057年に50万人を下回る。1人の女性が生涯に産むと見込(みこ)まれる子どもの数を指す合計特殊出生(とくしゅしゅっしょう)率は2・07が人口維持の目安とされるけど、1・35前後で推移。親世代の人口が減少し続け、出生数も減り続ける見込みなんだ。
ア このままでいいの?
A 同研究所の15年の調査では、夫婦の理想の子どもの数は2・32人。でも、理想の子ども数を持たない理由として経済的理由を挙げた人が多かった。若者の所得を増やし、子育てしやすい環境(かんきょう)を整えることは急務なんだ。