はぎやまのりへいの日常

読書、映画、美術展、そしてキャリア教育。
好奇心と愛で書き綴ります。

Vol.272 子供ばんどニューアルバム

2013-08-06 22:18:34 | 音楽



時々ブログに書いているけれど、
僕の音楽のルーツは子供ばんどにある。

高校生時代に組んだはじめてのバンドが
子供ばんどのコピーバンドだった。

その時に一緒に演っていた親友と、
昨年の12月には原宿クロコダイルに
一緒に子供ばんどのライブを観に行って、
すげえ楽しかった。
ライブでは新曲は演らずに
昔の曲ばかり演奏して、
それはめちゃめちゃ盛り上がった。

そんな子供ばんどが
今年の5月にニューアルバムを出していた。
これがまたすごい好いアルバム。

子供ばんど独特のコブシの効いたノリと
ギターのリフとギターソロのフレーズが昔のまま、
お馴染みのフレーズがバンバン飛び出してくる。

ニューアルバムなので新曲ばかりなのに、
なぜか懐かしい。

子供ばんどが子供ばんどっぽさを意識して
セルフパロディしてるみたいな、

新曲なのに代表曲を集めたベスト盤みたいな
ニューアルバム。

ああ、これは「アル中ロックンローラー」、
これは「キャプテンキッド」、
これは「たどり着いたらいつも雨降り」の時の路線だな、とか
「ドリーミン」もどき、とか、
「だからそばにいておくれ」から「さよならBOY」の流れのバラード?
いや天国への階段が根本にある?
そういえばツェッペリンもどきの曲が多いな。

なんて、iPhoneで聴きながら、
ひとり言ぶつぶつ外に漏らしながら、
ギターソロのところでエアギターしながら、
子供ばんどのおかげでバカポジティブな日々を過ごしてます。

いや、でもホントいいよ。


Vol.262 ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2013

2013-05-04 20:30:15 | 音楽



クラシックを気軽に楽しもう!というコンセプトでフランスで始まった音楽祭、「ラ・フォル・ジュルネ」。
のだめちゃんがテレビ放映されたクラシックの当たり年もあったし、日本でもすっかり定着した感じだ。

わが家もすっかりはまっている。

0歳から入れるコンサートがある、と聞いて、
はじめて行ったのが2010年だった。
その年は、生誕200年でショパンがテーマ。

帰りの電車の中で、当時1歳の次男坊に、
「楽しかったね」
と言ったら、
わかっているのかどうなのか、
「うん」
と答える。

「来年も来ようね」
と言ったら
「うんう」
と否定するので、
「何だろうねこいつ」
なんてその時はみんなで笑ったんだけど、
翌年、結構早くにチケットを取って準備していたのに、
東日本大震災があって、ほとんどの公演が中止になってしまった。

予感があったのかな?まさかね。

昨年2012年は「サクル・リュス」というタイトルで、
チィコフスキーやラフマニノフなどロシアの音楽家がテーマだった。

そして今年2013年はパリがテーマ。

僕たちが聴いたコンサートは
ピアニストがアンヌ・ケフェレック、
カスタネットがルセロ・テナ、
フェイサル・カルイが指揮をするラムルー管弦楽団の演奏。

有名なサティの「ジムノペディ」、
ドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」、
サン・サーンスの「ピアノ協奏曲第2番ト単調」、
ヒメネスの「ルイス・アロンソの結婚式」
を聴いて、好い気持ちで夢心地だったのでした。

有料コンサートは1公演だけしか聴かなかったけど、展示ホールや屋外のステージでも無料のコンサートをずっと演っていて、気軽に音楽を楽しむことができて、そしてなんとなく高尚で、自慢できる日になった。

写真は今年のラ・フォル・ジュルネのオフィシャルCD。
毎年販売されているんだけど、値段は1,000円と手頃で、クラシックの入門としてもバッチリ。
アートディレクターを佐藤可士和氏がやっていて、イラストも個性的で好みだ。

明日朝、さっそく聴きながら勉強しよう。

Vol.250 デヴィッド・ボウイ The Next Day

2013-03-13 21:40:29 | 音楽



引退していたはずのデヴィッド・ボウイのニューアルバムが出た。

前のアルバム「リアリティ」からは実に10年振り。
あれから10年も経つのか。

10年前、僕は大阪に住んでいた。
リアリティを発表したデヴィッド・ボウイは「リアリティ・ツアー」で、たぶんティン・マシーン以来の来日をした。
そのリアリティ・ツアー、大阪城ホール公演を僕は一人で見にいった。

10年振りのアルバム。
しかも「老後に入る」と変な引退宣言をしていた後のアルバム。
そんなブランクにも関わらず、デヴィッド・ボウイのデヴィッド・ボウイ振りは健在だ。
どこか狂気を感じ、終末感が漂う全体のトーン、
未来的でヒステリックなギターのリフと音色、
ストイックでありながらも突き抜けるボーカル。

ヘヴィメタからロックの世界に行った僕は、ビートルズもストーンズもWhoも、後から遡って聴いた口。
有名なデヴィッド・ボウイさまも実は名前くらいしか知らなかった。
僕が大学1年生の頃、レッツダンスが収録されたヒットアルバムを出していたが、それ以前の曲を当時の僕は知らなかった。
グラムロックならばデヴィッド・ボウイよりもマークボランかな、とかわけもわからず言っちゃっていた。

大学3年生以降の親友、ブルースなギタリスト、コーノちゃんがデヴィッド・ボウイが大好きだったので、いろいろ教えてもらって聴くようになった。
そして、よもや自分の結婚式の2次会でジギースターダストを演奏するとは夢にも思っていなかった。

リアリティ・ツアーに行って思ったのは、
デヴィッド・ボウイは歌がめちゃめちゃ上手いってこと。
しっかりと発声した声量のあるボーカルで圧倒され全身がしびれた。
プロの仕事とはこういうのを言うのだろう。

今回のアルバムもどことなく未来的で終末的なデヴィッド・ボウイワールドだが、そんな中で、一番明るい感じの曲は、アルバムのタイトルになっていて1曲目に収録されているThe Next Day。
未来は明るいってことだ。

芸術的で文学的で耽美で狂気じみた音楽や文学が好きだった大学生の僕は、あるいはかっこつけていただけでもあるけれど、戸川純のゲルニカやZELDA、スターリンといったインディーズの香りがするバンドが好きだった。
なんとなくそのZELDAを思い出すサウンドだなと思う曲がある。
逆にかっこつけて昔は好きだと言えなかった浜田省吾の曲(マネーですね^_^)のギターの音に似ているギターの音だなと思う曲もある。
それから名曲、ファイブイヤーズをイメージさせる曲もある。

Little Wonder のプロモビデオのインパクトが強くて全体的にテクノな感じで好きだった「アースリング」。
映画「セブン」の強烈なシーンで使われて印象深い「ハーツ・フィルシー・レッスン」が収録された「アウトサイド」。
そして、アートなイラストのジャケットがファッショナブルでサウンドも洗練されている「リアリティ」。
デヴィッド・ボウイフリークではないデヴィッド・ボウイファンの僕の中では、そうしたアルバムたちが特に印象深いのであるが、果たして今回はそれらを超えるものとなるか。
もっとじっくりたっぷり聴きこんでみないと、おそらく答えは出ないだろう。

Vol.231 We Love 子供ばんど

2012-12-03 05:38:04 | 音楽

※↑30年前の子供ばんど


30年振りに子供ばんどのライブへ行ってきた。

栃木県の山奥に住んでいた当時は、ロック雑誌では知っていながらも、自分の住む世界とは別の世界だと思っていた東京のライブハウス、「原宿クロコダイル」で。



高校生ではじめて組んだロックバンド。
演奏したのは子供ばんどの曲。

これは高校の学祭の時の写真で、中央がオレ。↓
そして右側のギターが祐司。
その祐司と昨夜は一緒にライブに行った。



オレも祐司ももちろんおっさんで、子供ばんどのメンバーもおっさんで、観客のほとんどがおっさん、おばはん。
でも、ノリノリで大いに盛り上がって、ふと、目を細めて客席をみた時に、そこにライブに夢中の若者たちの幻が見えた。
まだまだオレたちいけるね。



演奏された曲は、オレも学祭で演奏するために一所懸命聴いて、レコードがすり減るくらい、カセットテープが伸び切るくらい聴いて、歌はもちろん、ギターリフからギターソロの細部まで歌えるくらいまで憶えた曲ばかりなので、超うれしくて、超感動で、超楽しくて、超ハッピーな夜だった。

オレは案外恥ずかしがりやで、あまりライブで盛り上がったりすることができないんだけど、昨夜は違った。

だってロックンロールトゥナイト!だからね。

やなこと忘れて踊ろじゃないか♪


12月2日(日):原宿クロコダイル
セットリスト(不完全版)

1.曲名知らない
2.曲名知らない
3.Rock'n Roll Singer
4.ロックンロールフーチーク
5.かわいそうなエンジェル
6.ツイスト・アンド・シャウト
7.ロックンロール・トゥナイト
8.さよならBOY
休憩
9.曲名知らない
10.お前のことばかり
11.ジャイアントマンのテーマ
12.おまえはトラヴルメーカー
13.のら猫
14.だからそばにいておくれ
15.アル中ロックンローラー~あの時君は若かった
16.サマータイムブルース
17.TAKE ME TO YOUR PARTY NIGHT
E1.踊ろじゃないか
E2.WALKIN' AWAY
E3.たどりついたらいつも雨ふり
E4.NIGHT AWAY

Vol.208 SHOGO HAMADA ON THE ROAD 2011

2012-06-03 15:04:55 | 音楽



「僕と彼と週末に」という曲が好きでよくカラオケで歌った。

この歌は間奏にセリフが入るのだけれど、そのセリフが長い。
なので、あえてカラオケで歌うと結構受けた。
でも受け狙いだけの理由かと言えば、
そうではなくて本当にこの歌が好きなのである。

その長いセリフを僕は暗記している。

昨夜の浜田省吾のコンサートは東日本大震災復興チャリティである。
たぶん、昨日のコンサートのキーになる曲は「PAIN」と、この「僕と彼女と週末に」なんだろうと僕は思った。

バイオリン、ビオラ、チェロの豪華なストリングスを加えて、美しくそしてダイナミックに「僕と彼女と週末に」は演奏された。
そして大きなスクリーンに映し出される映像。

暗記しているはずのセリフを、映像を眺めながら聞いていて30年かかってようやく気がついたことがある。

彼女と僕は旅行先のホテルで、朝、気分が悪くて目覚めるのだけれど、
それは「誰もいない夜の海を泳いだ」からだったんだ。

波打ち際にたくさんの魚が打ち上げられている光景は目に浮かんでいたのだけれど、それがなぜなのかを深く理解していなかった。

そして、
「いつか子どもたちにこの時代を伝えたい。どんな風に人が夢を繋いできたか。」の歌詞につながる。

セリフ中、「サリンジャーの短編小説」が出てくる。
だから僕も大学生の頃に少しだけサリンジャーを読んだりした。

でも村上春樹は読まなかった。
確か「ノルウェーの森」が出版されたのは大学4年生の時だった。

最近、事情があって村上春樹の短編を読んだ。
なぜか学生時代の夢を見た。

僕らはみんな思い通りにはいかないままに年をとっていく。
コンサートには40代のお客さんが一番多かった。
僕が学生だったとしたら、そのお客さんたちもまたほとんどが青春のまっただ中にいて、思い通りにいかないもどかしさに、浜田省吾のバラードの歌詞を重ねているんだと思う。

でも僕は何も後悔していないし、すべてを肯定して受け入れて前に進むしかないと思っている。
とても辛いかもしれないけれど、親しい人の死もそうだし、3.11のことも。

二度と立てぬ 痛手なのに
受け入れてく 不思議だ人は
追いつけない この悲しみあとに残して