「僕と彼と週末に」という曲が好きでよくカラオケで歌った。
この歌は間奏にセリフが入るのだけれど、そのセリフが長い。
なので、あえてカラオケで歌うと結構受けた。
でも受け狙いだけの理由かと言えば、
そうではなくて本当にこの歌が好きなのである。
その長いセリフを僕は暗記している。
昨夜の浜田省吾のコンサートは東日本大震災復興チャリティである。
たぶん、昨日のコンサートのキーになる曲は「PAIN」と、この「僕と彼女と週末に」なんだろうと僕は思った。
バイオリン、ビオラ、チェロの豪華なストリングスを加えて、美しくそしてダイナミックに「僕と彼女と週末に」は演奏された。
そして大きなスクリーンに映し出される映像。
暗記しているはずのセリフを、映像を眺めながら聞いていて30年かかってようやく気がついたことがある。
彼女と僕は旅行先のホテルで、朝、気分が悪くて目覚めるのだけれど、
それは「誰もいない夜の海を泳いだ」からだったんだ。
波打ち際にたくさんの魚が打ち上げられている光景は目に浮かんでいたのだけれど、それがなぜなのかを深く理解していなかった。
そして、
「いつか子どもたちにこの時代を伝えたい。どんな風に人が夢を繋いできたか。」の歌詞につながる。
セリフ中、「サリンジャーの短編小説」が出てくる。
だから僕も大学生の頃に少しだけサリンジャーを読んだりした。
でも村上春樹は読まなかった。
確か「ノルウェーの森」が出版されたのは大学4年生の時だった。
最近、事情があって村上春樹の短編を読んだ。
なぜか学生時代の夢を見た。
僕らはみんな思い通りにはいかないままに年をとっていく。
コンサートには40代のお客さんが一番多かった。
僕が学生だったとしたら、そのお客さんたちもまたほとんどが青春のまっただ中にいて、思い通りにいかないもどかしさに、浜田省吾のバラードの歌詞を重ねているんだと思う。
でも僕は何も後悔していないし、すべてを肯定して受け入れて前に進むしかないと思っている。
とても辛いかもしれないけれど、親しい人の死もそうだし、3.11のことも。
二度と立てぬ 痛手なのに
受け入れてく 不思議だ人は
追いつけない この悲しみあとに残して
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