もっと自由に働きたい-とことん自分に正直に生きろ。
U25と記載された若い人向けに書かれた本。僕はもちろんU25でも若者でもないのだけれど著者の家入一真氏にはずっと興味があった。
はじめて僕が読んだドラッカーの著書は「プロフェッショナルの条件」で、その本が名言集的な本であったということもあるけれど、共感するところが多くて読み終わった時には付箋だらけになっていた。
「とことん自分に正直に生きろ。」はU25向けなので、文字のボリュームも適度でタッチが軽くすごく読みやすいのだけれど、内容が軽いかというとそうではない。辛ければ逃げちゃえばいい、もっと悪ふざけしよう、と実は大真面目に言っている。
家入氏は元ひきこもりで中卒で「ずっと、逃げてきた」。そしてその逃げてきたことこそが原点であると書いている。コンプレックスが原動力なのだ。
僕は栃木県の田舎町に生まれそこで高校時代までを過ごした。僕の家はめちゃめちゃ貧乏ではなかったけれど、裕福でもなかった。
それでも、両親が「うちは貧乏だから」を口癖にしていたので、僕は本当に貧乏なのだと思っていた。本当はそれほど貧乏ではなかったのだけど文化は本当に高くなかった。無知な両親だったので僕も無知だった。
母親は天真爛漫でみんなから好かれていたけれど、常識知らずなところが多々あった。
その血筋を引いているのか、自分では気が付かないのだが、僕も無邪気に非常識なことをするらしい。それで誰かが傷ついたりした。
優等生にもなれず、不良にもなれず、中途半端な立場でぽっかりと空に浮いていた。結構めんどくさい子どもだったんだと思う。
半生を振り返ると後悔することがたくさんあって、やっぱり僕もコンプレックスを原動力にしているのだと思う。
家入氏みたいに潔くひきこもったり逃げたりすることさえできない臆病な僕は、社会からじゃなくて自分の気持ちから逃げ続けてきたのだと思う。そして今、ようやく少し「正直に生きる」ことができてはいるけれど、相変わらず時々は空に浮かんでしまう。
読み終わったら、本が付箋だらけになった。
共感したし、気持ちが楽になった。
いろいろと話題の著者ではあるが、評判とか綺麗ごととかを捨てて自分の本音で読んでみたら良いと思う。
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