TOMO's Art Office Philosophy

作曲家・平山智の哲学 / Tomo Hirayama, a composer's philosophy

マラ4の奇跡(悪夢!?)

2005年04月18日 | 音楽
 昨日の夜、芸術劇場でチョン・ミョンフン/東フィルのマラ4をやっていましたね。実はあの曲、1年ほど前にトップを吹いているんですが、これが結構壮絶な思い出でして・・・。

 あれは大学卒業間近の冬でした。マーラー命の私は某室内管弦楽団でマラ4のトップを吹くことになり、学生最後の暇をすべてつぎ込んで練習に励んでおりました。ところが、本番の2、3日前突然風邪にかかり、49度の高熱を出してしまったのです。当然、ドクターストップ。食べ物も入らず、点滴でしのいでおりました。

 しかし、マラ9を聞きながら死にたいとまで思っている私はマラ4をあきらめられず、ぶっつけ本番で演奏会に出てしまったのです・・・。その結果、演奏会直後に起き上がれなくなり、病院に搬送。重度の肺炎で半月ほどの入院となってしまったのでありました(泣)危うくマラ4の歌詞通り、天国へ行くところでした・・・。

 それにしても、よくあの状態で吹いたものです。実は演奏中の記憶はまったくなく、怖くて演奏の録音も聞いてないのです。果たしてあの演奏はどんなんだったんでしょうか?今度勇気を出して聞いてみようと思います。

 

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サバリッシュ

2005年04月03日 | 音楽
 先日N響アワーで昨年度の定期演奏会ベストテンをやってましたね。第一位はサバリッシュのベト7でしたが、実は私が昨年唯一聞きに行ったN響の演奏会なんです。サバリッシュの演奏を生で見るのは初めてでしたが、とにかく素晴らしかった!テンポや表現に一切迷いがなく、「ベートーベンかくあるべし!」というサバリッシュの自信と情熱が非常に良く伝わってきました。演奏後も鳴り止まないスタンディングオベーションは決して大げさではない名演。ほんとに幸運でした。

 しかし、サバリッシュの指揮はうまいですね。81歳という高齢ということもあるでしょうが、余計な動きが一切ない。要所要所でひょいっと支持を出すだけですが、それがものすごく的確なのでしょう。確実にサバリッシュの意思がオケに伝わっているのがわかりました。あれは指揮法のひとつの理想形なのではないかと個人的には感じています。

 一気にサバリッシュのファンになってしまった私ですが(笑)彼の指揮はあと何年見られるのでしょうか…。最後の巨匠の健康を願うばかりです。

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