TOMO's Art Office Philosophy

作曲家・平山智の哲学 / Tomo Hirayama, a composer's philosophy

【楽譜】ヘラクレイトス断章~ピアノとトイピアノの為の

2022年11月25日 | 音楽
若干25才にして現代音楽音楽演奏コンクール「競楽X」、朝日現代音楽賞など数々の音楽賞を受賞し、世界的に活躍する新進気鋭のピアニスト・佐藤祐介。
「佐藤祐介 ピアノリサイタル2021~委嘱作品の夕べ~」の委嘱作品となった平山智の「ヘラクレイトス断章~ピアノとトイピアノの為の」のスコア。一人の奏者がピアノとトイピアノを交互に、時に同時に演奏する。

【楽譜】ヘラクレイトス断章~ピアノとトイピアノの為の

<楽章>
1・序奏
2・私は自分自身を探求した
3・第一間奏
4・万物は流転する
5・第二間奏
6・太陽は日々に新しい

<プログラムノート >
ヘラクレイトスは紀元前500年頃、ペルシア統治下のギリシャ人都市エフェソス(小アジア)出身の哲学者。本人による著作物は一切残っていない。我々は後世の哲学書に見られる引用からその断片を知るのみである。「同じ川に二度入ることはできない」、「万物から一が、一から万物が生ずる」など東洋的な思想との共通点も見られ、魅力的な謎に満ちた人物である。
作品は6つの楽章からなる小組曲。第1、3、5楽章はトイピアノで、第2、4、6楽章はピアノまたはピアノとトイピアノで演奏される。 
「反対するものが協調する、そして異なる(音)から最も美しいハルモニエ(音調)が生じ、万物は争いによって生まれる」(ヘラクレイトス)
この作品はパンデミックで失われたハルモニエを取り戻さんとする、ささやかな抵抗である。
written by Tomo Hirayama 平山智

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【楽譜】Faceless People No.2&No.3

2022年11月15日 | 音楽
若干25才にして現代音楽音楽演奏コンクール「競楽X」、朝日現代音楽賞など数々の音楽賞を受賞し、世界的に活躍する新進気鋭のピアニスト・佐藤祐介。
「佐藤祐介デビュー15周年記念ピアノリサイタル」の委嘱作品となった平山智の「Faceless People No.2」「Faceless People No.3 ~Before the Epilogue」のピアノスコアセット。「Faceless People(No.1)」の続編となる2曲は1番から連続して演奏することも、それぞれ独立して演奏することも可能。

【楽譜】Faceless People No.2&No.3 for Yusuke Satoh - Piano Socre

<プログラムノート >
均一で客観的な時間、匿名性に基づく関係と、純粋な個別性に対する無関心。哲学者G・ジンメルが洞察した「大都市の精神生活」が本作を貫く背骨である。
5年前、佐藤祐介の「Faceless People(No.1)」初演を聴いた時に、既に「No.2」の構想は出来ていた。このピアニストなら自分の表現したいものをぶつけられると直感した。「No.3」はコロナ禍中に書き上げた。音楽家がコロナ禍で奪われた豊かな「響き」。殺伐たる世界に、大切な何かが強く響くことを願う。
written by Tomo Hirayama 平山智

アナログメトロノームとピアノという身近な道具を武器に「現代」を鋭く切り取った同作品。多くのピアニストの方々の挑戦を期待しております。

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