穏やかに…シニアブログ

日常・民話など

民話・すずめときつつき

2019-06-16 23:02:25 | 昔っこ・民話

むかしむかし、きつつきの姉さんとすずめの妹がといて 仲良く暮らしておったそうだ。

姉さんのきつつきの方は、たいしたお洒落でな、毎日おしろいつけるの、口紅つけるのって、

時間ばりかかって大さわぎだったと。妹のすずめの方は、何もかまわない娘で、お歯黒を塗るのがせいぜいだった。

 

やがて二人そろって 遠くの町で働くことになったども、二人ともよく働くのでめんこがられて 幸せに暮らしておった。

ところが、ある朝早く田舎の母さんが倒れたから 早く帰ってこいという便りが届いたと。

二人ともすっかりたまげてしまった。すずめはお歯黒塗るつもりで口を開けたども、あわててほっぺたに

お歯黒つけてそれでもそのまま田舎に飛んで帰った。きつつきはというと、鏡の前に座り込んでいつもより丁寧にお化粧を始めた。


久しぶりに会う母さんに「おや、まんずきれいになったこと」っていわれたかったんだものな。

ほっぺたにお歯黒つけたまま大急ぎで帰ったすずめは、やっと母さんの死に目に間にあって

母さんも「よく来てくれた」って泣いて喜んだ。だども、お化粧に時間のかかったきつつきが


帰ってきたときには、もう母さんは死んでしまって お葬式も終わってしまっていたと。

この様子を天から見ていた神様は、「すずめは親思いの良い娘だから、楽に米っこを食べられるように

人間の近くで暮らせ。きつつきは、化粧にかまけて親の死に目に会えない 親不孝ものだから、自分でエサさがせ」って言ったと。

それからこっち、ほっぺたの黑いすずめは 人の里の近くに巣を作り、きれいな羽したきつつきは、

自分の口ばしで木をたたいて えさを探すようになったんだと。(仙北地方に伝わる民話 )    とっぴんぱらりのぷう


*長い文を読んで頂き ありがとうございます。<(_ _)>