むかしむかし、きつつきの姉さんとすずめの妹がといて 仲良く暮らしておったそうだ。
姉さんのきつつきの方は、たいしたお洒落でな、毎日おしろいつけるの、口紅つけるのって、
時間ばりかかって大さわぎだったと。妹のすずめの方は、何もかまわない娘で、お歯黒を塗るのがせいぜいだった。
やがて二人そろって 遠くの町で働くことになったども、二人ともよく働くのでめんこがられて 幸せに暮らしておった。
ところが、ある朝早く田舎の母さんが倒れたから 早く帰ってこいという便りが届いたと。
二人ともすっかりたまげてしまった。すずめはお歯黒塗るつもりで口を開けたども、あわててほっぺたに
お歯黒つけてそれでもそのまま田舎に飛んで帰った。きつつきはというと、鏡の前に座り込んでいつもより丁寧にお化粧を始めた。
久しぶりに会う母さんに「おや、まんずきれいになったこと」っていわれたかったんだものな。
ほっぺたにお歯黒つけたまま大急ぎで帰ったすずめは、やっと母さんの死に目に間にあって
母さんも「よく来てくれた」って泣いて喜んだ。だども、お化粧に時間のかかったきつつきが
帰ってきたときには、もう母さんは死んでしまって お葬式も終わってしまっていたと。
この様子を天から見ていた神様は、「すずめは親思いの良い娘だから、楽に米っこを食べられるように
人間の近くで暮らせ。きつつきは、化粧にかまけて親の死に目に会えない 親不孝ものだから、自分でエサさがせ」って言ったと。
それからこっち、ほっぺたの黑いすずめは 人の里の近くに巣を作り、きれいな羽したきつつきは、
自分の口ばしで木をたたいて えさを探すようになったんだと。(仙北地方に伝わる民話 ) とっぴんぱらりのぷう
*長い文を読んで頂き ありがとうございます。<(_ _)>