むかしむかし、ある村に東五郎と言う人がいたと。
ある日、用があって隣村に出かけると、田んぼの近くに大勢の人が集まっている。
「なんとしたべぇ。」と見に行ってみたば、みんなで一匹の狐を
捕まえていて、これから火あぶりにしようというところだったと。
わけをきいてみると、この狐がたいしたいたずら者で、畑の物を盗んでばかりいるからだと。
東五郎は狐どこ かわいそうに思ったものな。
そこでいろいろ話をして、なんぼかのお金を払って、その狐を譲ってもらった。
そして、家さ帰る途中で「これからは、悪さするんでねぇど」と
言い聞かせて放してやったど。それからしばらくして、田植えの季節がやってきた。
東五郎の田んぼでも 明日から田植えだという夜の事。
東五郎が夜中にふと目を覚ますと、どこかでガヤガヤと音がする。
どうもそれが、自分の家の田んぼの方から 聞こえてくるようなんだと。
それでよくよく、耳を澄まして聞いていると
{突っつき縛られで 火付けで殺されるどこ
{助けだは 東五郎どん 東五郎どんの お田植えお田植え
{しっちゃがっちゃ どんがやれ
と 誰かが歌っている様だった。 さて、翌朝・東五郎は
「さぁ・田植えだ」といって田んぼに出かけて行った。
そしてビックリ仰天。なんと東五郎の田んぼは植え付けが終わってたど。
昨日の夜の歌っこは、きっと助けて狐の田植え歌だったんだな。
とっぴんぱらりのぷう。(角館地方に伝わる民話)
カシワの実 先日の入道崎にたくさん落ちていました。
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