穏やかに…シニアブログ

日常・民話など

狐の恩返し

2020-01-18 15:26:57 | 昔っこ・民話

むかしむかし、ある村に東五郎と言う人がいたと。

ある日、用があって隣村に出かけると、田んぼの近くに大勢の人が集まっている。

「なんとしたべぇ。」と見に行ってみたば、みんなで一匹の狐を

捕まえていて、これから火あぶりにしようというところだったと。

わけをきいてみると、この狐がたいしたいたずら者で、畑の物を盗んでばかりいるからだと。

東五郎は狐どこ かわいそうに思ったものな。

そこでいろいろ話をして、なんぼかのお金を払って、その狐を譲ってもらった。

そして、家さ帰る途中で「これからは、悪さするんでねぇど」と

言い聞かせて放してやったど。それからしばらくして、田植えの季節がやってきた。

東五郎の田んぼでも 明日から田植えだという夜の事。

東五郎が夜中にふと目を覚ますと、どこかでガヤガヤと音がする。

どうもそれが、自分の家の田んぼの方から 聞こえてくるようなんだと。

それでよくよく、耳を澄まして聞いていると

 {突っつき縛られで 火付けで殺されるどこ

 {助けだは 東五郎どん 東五郎どんの お田植えお田植え

 {しっちゃがっちゃ どんがやれ

と 誰かが歌っている様だった。 さて、翌朝・東五郎は

「さぁ・田植えだ」といって田んぼに出かけて行った。

そしてビックリ仰天。なんと東五郎の田んぼは植え付けが終わってたど。

昨日の夜の歌っこは、きっと助けて狐の田植え歌だったんだな。   

  とっぴんぱらりのぷう。(角館地方に伝わる民話)                             

 

 カシワの実 先日の入道崎にたくさん落ちていました。                                  

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