穏やかに…シニアブログ

日常・民話など

詩 まわり燈籠

2019-05-07 21:06:05 | 

    

   ひゅうひゅうと 風の序曲 

   やがて 雨音が単調な メロディーを奏でる
    眠れない…
   記憶の 扉が開き
   さまざまなことが 次々と
   頭の中を くるくるまわる
 
   沖縄へ 初めての母子旅 楽しかったね 
   迷子になり ツアーバスを待たせたっけ
   意識の無い母の横で 夜通し話しかけた
   あと一日で89歳だよ 誕生日をめざそうと 
   前祝の ハッピーバースディを歌った
 
   眉間の皺を ぎゅっと寄せてにらみ
   痰吸引のチューブを ガチッと噛む 苦痛のかお
   手足が紫色になった いまわの様子…
   さまざまなことが
   まわり燈籠のように くるくるまわる 
 
   いくつものシーンの 扉があいて
   青い灯の燈籠 くるくるまわる 
   遺影の母が にっこりほほ笑む
   ミルク ありがとうと言うように
   まだまだ 
   足りないことが あったけれど…
   許してくれるよね 
 
   さあ 今宵は
   楽しかった 思い出たちと 一緒に
   ぐっすり眠りましょうか 
 
 ひ孫が(妹の孫)1年生になった日に ランドセルを見せに来てくれました。翌月の5月に逝きました
 ほとんど反応しない母でしたが、ひ孫の姿を見て このように笑顔になりました♪
 
 もうすぐ母の4回目の命日です。
 自宅で介護しましたが、寝たきりになってから たまに介護休暇を取りながらでした。
 腰痛になり 髪を洗うのも大変になり ばっさりとショートヘアーに。
「わりぃなぁ。はやぐお迎えこねべが」って、よく言ってました。
89歳の誕生日の前日に亡くなったので、翌日、孫、ひ孫、子供たちと 母の棺の前に
ケーキを供えて みんなで「ハッピーバスディ・ツーユー」と歌いました。
心なしか母が微笑んだような気がしました。
 

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