西国33番札所(奈良・京都・大阪・和歌山)を模して 藩主が「久保田33番札所巡り」を
数百年前に、地元に作ったそうだ。昔は遠くて、秋田から行けなかった。
歴史のある行事だが 亡くなった近親者の戒名を記した 木札または 紙札を
33枚用意して 1~33番札所に 貼り付ける(打ち付ける) そこでふだらく(御詠歌)を歌い
故人の成仏を祈る。3年間続けるのがきまりと言われている。
それが 「札打ち」と言われる行事です。(現在は ほとんど紙札を貼っている)
1月16日 午前0時に 1番札所~熊野神社(神仏分離以前は真言宗の寺院)から スタートする。
私も 連れ合いのために3年間続けた。吹雪だったり 大雪だったりの深夜を 33か所を詣でました。
その時の事を 書いた詩です。
「白い真夜まよ」
のんのんと 雪が降る
遠くへ逝った きみを偲び
雪の街を歩く
三十三の札所巡り
午前零時 壱番札所
急な参道を 上って行くと
檀家の 女たちのたたく
鉦の音が もの悲しく聞こえる
雪は止まずに 降っている
あたたかい甘酒で 迎えてくれる札所に ほっと一息
次なる札所へ向かう 赤い帽子と腹がけの
六体の お地蔵様が
「寒い夜を ごくろうさま」と 出迎えてくれた
境内に入ると すっぽりと雪に覆われた
墓石の モンスターたちが
のっし のっしと 襲いかかってきそうだ
三十三番 最後の札所
雪の中に きみが佇んでいる
「寒い夜を 俺のためにありがとう」と
かすかに ほほえんで
雪の中に 消えてゆく
雪はまだ 降りやまず
ひたすら歩いた 白い真夜
当時を振り返ると、ずいぶんと雪が多くて 寒かった。
現在の方が 雪も少なく気温も暖かい。
市の 東西南北を 何時間歩いたのか 定かでないが 思い出深い・・・
今夜も 午前零時にスタート 三十三ケ所詣でる 方たちがいることでしょう・・・
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