昔っこ「地蔵様とだんご」を お孫さんと楽しんで下さいね。
昔々 あるところに たいしたうめぇダンゴを作る婆さんがいたっけど。
ある日 いつものようにダンゴを作っていると 出来立てのダンゴがころころと
外へ転がっていくものな。不思議な事もあるもんだと 婆さんはあとをつけて行ったわけだ。
するとダンゴは 地蔵様の前で ピタッと止まったもんだ。婆さんがたまげていると
「婆さん、婆さん こったにうめえダンゴ すまねぇなす」と 地蔵様がいったもんだから
「へば、これから毎日作って持ってきてける」と 答えたんだと。
大内の千体地蔵より
ちょうどその時 遠くから赤いものが近づいて 近づいて来るのが見えたっけ。なんだべと思って
よくよく見ると鬼が近づいてくるところだった。 これを見ると地蔵様は
「まず、俺の背中さ隠れれ。あと何があっても声を立てるなや」と言って 婆さんどこ隠してくれたど。
鬼は地蔵様の前まで来ると 「人臭い、人臭い」といって そごらあたりを見まわしてだども
すぐ ダンゴを見つけて ムシャムシャと食い始めた。したば、あまりうめぇもんだから、
あっという間に全部食べてしまい「なんとうめぇダンゴだった。よし、何か欲しい物けでやる(あげる)」
と、地蔵様にいったわけだ。「へば(じゃ)明日までに考えておくす」って 地蔵様がいうと
鬼はすぐに帰って行った。「何か願い事ねぇか?」と 地蔵様に聞かれた婆さん
「なんもねぇす。たんだ生きている間、うめぇダンゴっこ作っていられれば、それでいいんす」って答えたど。
さて、この話を聞いた となりの欲張り婆さん、自分も試してみたくなった。
急いでダンゴを作ると地蔵様の前にどんと置いて
「鬼が来てこれを食ったら、おらの願い事を鬼さ伝えてたんへ。 おらに宝物 山ほどけてけれってな」
そういうと さっさと地蔵様の影に隠れたもんだ。 そうするうちに鬼が来て、ダンゴを見つけて
喜んで食べ始めた。だども、そのダンゴだば、まんずうまくない。鬼 怒ってしまったものな。
だども、欲張り婆さんは、もうすぐ宝物がたくさん手に入ると思って、嬉しくて 嬉しくて仕方ない。
思わず声を出して笑ってしまった。 その声で、鬼は婆さんに気づいたもの。
欲張り婆さんは とうとう鬼に食われてしまったど。
優しい婆さんだば、死ぬまでうまいダンゴを作って 幸せに暮らしたど。
とっぴんぱらりのぷう・・・ 大館に伝わる民話
由利本荘市大内の千体地蔵
北海道や北陸地方・新潟・その他の日本海側の地方の方々へ 豪雪のお見舞い申し上げます。
どうぞ お身体を大事に 無理されませんように。
当地も雪寄せで、体が痛いですが、上の地区ほどでは無いので、楽しているのかも・・・
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