秋田のむかしっこ
鉱山資源に恵まれた秋田の中でも 鹿角(かづの)地方は昔から 金山・銅山などの鉱山の町として
栄えていました。徳川家康が江戸に幕府を開いたころの お話としてこんな昔っこが伝わっています。
(だいぶ 昔っこをさぼっていました(;^_^A
その昔 みちのくの津軽と南部の境を定めるために 南部の代官・十左右衛門という人が
鹿角の里にやってきました。十左右衛門は錦木村や 尾去沢村の山々を調べ、ひとまずこのあたりに
境を定め、しばらくこの地にとどまることにしました。
田舎に代官様がこられたというので、多くの村人たちは見物に訪れ 十左右衛門の家は
たいへんなさわぎとなりました。十左右衛門はよく村人の相手をしたので「南部一のいい男だ」と
村人たちの評判になりました。
ある日、十左右衛門の家に百姓の女が二人の息子を連れてやってきました。
その日、十左右衛門は忙しく後で話を聞くのを約束したところ、女は土産として藁包みを置いて行きました。
その夜、十左右衛門が包みをあけると、見事な長芋がでてきました。
良く見ると長芋は,キラキラと金色の光を放ってました。十左右衛門は、驚いて女を呼んだところ
女は、「夫が亡くなってから欲張りの叔父に取り上げられ、子ども二人とどう生きたらいいかわからない」
と言います。次の日十左右衛門は、村の長老を集めて意見を聞き、欲張りと言われる叔父も呼んで
調べたところ、女の言った通りでした。そこで、叔父が取り上げた土地を女に返すように
とりはからい事件を解決してやりました。それから村には、「お代官様は長芋が好きだ」という
噂が立ち十左右衛門の家には、長芋をもって来る人が後をたちませんでした。
ところが、どの長芋にも金の砂がついてます。十左右衛門は、家来を連れ女に聞いた芋畑を
よく調べてみると、あたり一帯は砂金の畑でした。十左右衛門は、この地に境界を定め
番所を置きました。そして女の息子たちとも力を合わせ、驚くばかりの砂金を取ることが出来ました。
こうして白根金山が発見されたということです。
参考 「日本の民話10 秋田の民話」
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