おばさんには、問題も多いが、人間関係をスムーズにして行く上で、重要な役割も果たしている。
うちの近所の商店街の中に弁当屋があって、昼前に店の前に弁当を並べて売るのだが、店長の男性が売ると客は寄り付かないのに、おばさんに替わると不思議と売れて行く。
これは,おばさんパワーである。
おばさんのハイテンションと声のでかさが販売には良い影響を与えている。
見慣れないものがあると、まず寄っていくのも子供と、おばさんである。
私が30年以上前、アメリカのニュージャージー州に行った時、一番最初に擦り寄ってきたのも、おばさんだった。
日本のおばさんと同じように「ねぇねぇ」といった親しげな態度で近づいてきて、あれこれ氏素性を聞きだされ、翌日には全てが周囲の人達に知れ渡っていて自己紹介をする手間が省けた。
ついこの間は喧嘩でもしたのか、繁華街のブロック塀に鼻血を出してへたりこんでいる、見るからに世を拗ねた青年がいた。
皆、見て見ぬふりをしていたのだが、そこへずんずんと鼻息荒く登場した、おばさんが居た。
「あんたーーーどうしたのっ?」
ポケットティシュを差し出すと、彼は無言で頭を下げてそれを受け取った。
「若いのに昼間から情けないね、ちゃんと家に帰りなさいよ、ちょっと帰るお金持ってんの?おばさんが貸したげよっか?」
歩き始めた彼の後をくっついて、いつまでも大声を出し続けていた。
おせっかいかもしれないが、世の中には彼女のような人がいないと困る。
私は、とてもじゃないけれど彼女のように豪快にはなれない。
となったら、なるべく、どす黒くならず、ひっそりと生活し、気にくわないことに関しては、きっちり文句を言うという姿勢で、おばあちゃんと言われる年齢区分まで、大人しく過ごしていこうと考えているところである。
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