愛ーエステ

長年のエステティシャンとしての経験を生かし正しいスキンケアをお伝えします。

便利な世の中の弊害

2019年01月25日 | 美容

サロンの顧客で中国漢方薬の店を出している50代の女性がいる。

 

 

その方が先日、とても興味深い話をされていた。

 

 

 

ある時、専業主婦の40代の女性二人が、2週間ほど前後してやってきた。

 

 

 

何の関係もない他人同士である。

 

 

 

しかし、その二人は同じ症状を訴えた。

 

 

手の指の関節が腫れてきたというのだ。

 

 

 

指の関節が腫れる理由は色々あるので、この先生も様々な病気を探ってみたが、その可能性はとても低い。

 

 

 

 

たて続けにどうしたものか?そんな病気でも流行り始めているのかと、心配になって様々な方向から見てみたのだけれど、やはり病気が原因とは考えられなかった。

 

 

 

 

そこで、ふと目についたのが、彼女達の10本の指に施された豪華なネイルアートだった。

 

 

小花や星がついたり、様々な色に塗り分けられている。

 

 

 

そこで先生は「家事はなさっていますか」とたずねた。

 

 

すると二人とも、やっていると答えた。

 

 

 

子供はいないとはいえ、専業主婦なのだから当然なのだけれど、話をもっと突っ込んで聞くと、食器洗いは食洗器にまかせ、掃除は、お掃除ロボットやフロアモップを使う。

 

 

 

洗濯物は全自動洗濯機で全て乾燥させるため、物干しに洗濯物を干した経験もない。

 

 

手洗いもしないのだ。

 

 

 

「雑巾がけは?」とたずねたら「あんな汚い物、触るのは嫌」と嫌な顔をする。

 

 

 

趣味も特になく、日中は、ずっとテレビを観ていて、スーパーからの宅配の食材、レトルト、冷凍食品が届くのを待っている。

 

 

 

手を汚すのが嫌なので、カット野菜を注文してそのまま使う。

 

 

 

電子レンジをフル稼働して調理し、包丁、まな板も使わないのである。

 

 

 

「あまりにも手を使わな過ぎて、循環が悪くなって腫れたんじゃないかしら?手足の指を動かすのは、とても大切な事なんですよ」そう言われた彼女達は「えっ??」と驚きながらも、手を使えと言われたことに戸惑っている様子。

 

 

 

「全てを変えろとは言わないし、ネイルも止めろとは言わないから、ゴム手袋をして、まず皿洗いから始めてみてください。人間、使わない部分から退化しますから」

 

 

 

彼女達は先生に言われた通り、皿洗いを始めたら、徐々に腫れもひいてきて、元に戻りつつあるという。

 

 

 

使い過ぎで腫れるケースはあるが、その逆で具合が悪くなる場合があるとはビックリしてしまった。

 

 

 

日々、手を使うのは当たり前だと思い、誰も注意を向けなかった。

 

 

 

調理は手でするのが当たり前、食後に皿を洗うのは当たり前、でも様々な家電製品が出てきたことによって、その当たり前だった事項が当たり前ではなくなり、その結果、楽にはなったけれど、楽になりすぎた弊害が出てきている。

 

 

 

しかし、関節が腫れるほど、手を使わない生活って、一体どういうものなのか?

 

 

一日中、手を動かしている私には想像も出来ない。

 

 

認知症の予防には指を動かすといいと聞いたがあるが、これだけ手を使わずに家事をこなそうとする女性が増えれば、日本の未来は認知症のオンパレードになるかもね??

 

 

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