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学校での香料自粛を 過敏症の生徒増え

2013年10月25日 | 化学物質と電子機器社会への警鐘
化学物質過敏症は、ほんの10年ほど前は、ほとんど一般的に知られていない病気で、どこにいても突然襲ってくる頭痛やめまいなど、理由がわからず、本人の気のせいとか、怠け病だとか言われていたんですね。
それが、ここ数年でようやく少しずつ世間に浸透してきました。

香りつきを強調した柔軟剤などの広告が目に余るような昨今ですが、化学物質化過敏症当事者の団体が、「学校等における香料自粛に関する要望」を文科省に提出したということです。

下記のニュース記事で、子どもたちにも、化学物質過敏症が増加していると知り、少なからず私もショックを受けましたが、今後もこのまま手をこまねいていたら、更に増えてしまう可能性もあるでしょう。

もし自分が良かれと思って使っている製品が、知らないうちに同級生を苦しめていたとしたら、自分が意図したわけではないにしても、寝覚めが悪いものです。
愛用しているものをいきなり自粛と言われれば、人間ですから、反発もあるかもしれませんし、何より子どもではなく、保護者の同意と理解がなければ始まりません。
学校での化学物質過敏症の子どもたちへの配慮は当然としても、説明が不十分であると、差別やいじめにつながり、二次被害にあってしまう可能性もあります。

ですから、学校だけでなくて、社会全体のコンセンサスを十分に浸透させなければならないと思います。

まずは、

● 市販されている多くの製品の香料で、体の具合が悪くなってしまう人達がいること。
● 化学物質過敏症は、花粉症のように、いつなんどき、誰にでも発症しうることであること。

という、より具体的で丁寧な説明と認識を持って、一人ひとり納得した上での自粛が必要だと思います。


化学物質過敏症は、重症になってしまえば、どこに逃げても、存在しているあらゆる化学物質に体が反応してしまい、地獄の苦しみだといいます。その苦しみから逃れるために、自ら死を選ぶ方たちもいるという痛ましい現状もあります。

人間の体は昔と変わらないのに、環境だけが激変してしまいました。
ですから、自粛と同時並行的に、一人ひとりがもっと普通に安心して生きられる社会は、どんな社会なのか、「便利さ」「快適さ」という視点だけでなく、「体」という視点からも、もっと深く議論されるべきではないでしょうか。


以下、中日新聞(10月14日)より記事全文


化学物質過敏症の当事者の団体や彼らを支援する市民団体が今月四日、文部科学省に「学校等における香料自粛に関する要望」を提出した。香料を使用した柔軟剤や制汗剤などで健康状態が悪化する学生や生徒が多いことを理由に挙げている。今後、他省庁にも香料を使った製品による健康被害の対策づくりを求めていく。


 要望したのは、香料自粛を求める会、化学物質問題市民研究会、日本消費者連盟関西グループ、反農薬東京グループの四団体。


 要望書は幼稚園や学校などに児童、生徒、学生らが持ち込む香料の強いにおいによって、頭痛、息苦しさ、不眠といった健康障害が起きていることを指摘。においのもととして洗剤、シャンプー、整髪料なども挙げた。


 要望に関わった関東地方の女性A子さんは、本人と高校生の子どもが化学物質過敏症。特に、子どもの学校内の対応が難しいという。学生らの衣類に付いた柔軟剤の香りのほか、更衣室で使われる制汗剤などでも体調が悪化。別室で自習することもある。




 このような事態が既にあるため、一番強く求めたのは強い香りが漂う製品の使用自粛。そのための校内への啓発ポスターの掲示や、香料による健康被害問題の啓発、教室内の換気の徹底なども要望した。ポスターは生徒向けや保護者向けなどの具体案も示している。


 実際に化学物質過敏症やアレルギー症状が出ている生徒、学生がいる場合には、いじめなどの二次的被害が生じないようにすることも求めた。文科省が自治体の教育委員会を指導し、教育現場に伝わるよう望んでいる。


 香料自粛を求める会の小沢祐子代表は「香料製品が氾濫している現状には歯止めをかけるべきだ。ただ、国が規制を導入するまでには因果関係の究明などに相当な時間がかかる。その間に問題が広がってはいけないとも思うので、われわれは関係省庁の取りうる対策を要望していきたい」と説明する。


 化学物質過敏症の原因物質として国が対策を打ち出しているものには、農薬や建材などがある。香料はそれ以前の段階。ただ、転機が訪れているようだ。


 国民生活センターは九月十九日、「柔軟剤の香りで体調が悪くなったと訴える相談が急増している」と発表した。各地の消費生活センターに寄せられた柔軟剤のにおいに関する相談のうち、体調悪化を訴える危害情報は、二〇〇九年度は四件にすぎなかったが、一二年度は四十一件に急増。本年度はさらに伸び、九月以降だけでも五十件を超えている。


 同センターは、体調不良になる原因を不明としている。A子さんは「物足りないが、国の取り組みの最初の一歩だとは思う」と感想を述べる。


◆「重症患者の現実知って」


 関西地方で十九年前に自宅を新築した男性は、いわゆるシックハウスで一家五人が化学物質過敏症になった。長男と次男の学校の教師は過敏症への理解が浅く、教師に薬品のにおいをかがされるといった騒動があって、二人は重症化した。過敏症の生徒の学校生活が困難であることの典型的な事例だ。


 この二人が出てくるドキュメンタリー映画「いのちの林檎(りんご)」が、東京都渋谷区の「渋谷アップリンク」や静岡県藤枝市の「藤枝シネ・プレーゴ」などで上映されている。主人公の三十代の女性は過敏症の重症患者。化学物質の影響をあまり受けずに生活できる場所を探し、標高千メートル地点で母とテント生活を始めた。


 監督の藤沢勇夫さんやプロデューサーの馬場民子さんは「化学物質過敏症の現実を多くの人に知ってもらいたい」と話している。


 (白井康彦)


それにしても、今の学校は、体罰やいじめ問題や、給食のアレルギー問題、加えてモンスターペアレントとか。。
ひとりひとりの子どもたちの対応に、担任一人、教師だけでは、とても対応できないものがあると感じます。
子どもたちを取り巻く環境が、あらゆる面で昔とは変わり、命を守るために、勉強だけを教えればいいという場所ではなくなってしまいましたね。
安倍政権は教育改革に熱心なようですが、見ている方向が相変わらず偏っています。
子どもたちの心と体の健康を守るという、子どもたちの側に立った、現実的な対策がほしいものです。


★関連サイト
 エコチル調査(環境省)
 2011年から始まった、環境省の「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」
 今後は、文科省との連動が望まれます。

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2 コメント

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Unknown (メイプル)
2013-10-29 15:15:26
化学物質に対するアレルギー反応は本当に悲惨ですね。

化学物質過敏症の原因は心身症、つまり日常生活のストレスや重圧が原因である特定の化学物質に異常に体が反応してしまうという説明や、あるいはある特定の化学物質が極度の身体的な反応を引き起こしてしまうという説もありますが、全容は未だに謎のままです。

不思議なのが全員が全員、特定の化学物質に反応するわけではないという事です。香料や柔軟剤といった化学物質がある方には無害で、ある方には有害となる・・・だからこそ厄介なのでしょうね。

金木犀さんの仰る通り、今の学校組織は問題山積みです。そしてその問題は学校の先生方個人個人ではとても全て対処しきれないからこそ、政治が事を動かす必要があるのですが・・・今の政府に細やかな対処が出来るのか、疑問です。

どこぞのブラック企業の会長が与党に招かれ、日本を動かす勢力の一人に加わっているという事からして既に現与党の意識がどのようなものなのかが伺いしれてしまいます・・。

暗い出来事やニュースが多いですが、お互いめげずに頑張っていきましょう。

それでは
返信する
メイプルさんへ (金木犀)
2013-10-30 11:57:29
コメントありがとうございます。

化学物質過敏症は、ほかの食物や花粉のアレルギー同様、人によって反応するアレルゲンが違うということですね。
しかも、子どもたちに増えてきているのですから・・今後のことを考えると・・・

先日亡くなられた「賢治シュタイナー学校」主宰鳥山敏子さん。
以前彼女の本を読んだ時、「賢治の学校」では、子どもたちに整体をしている、と書かれていて興味をもちました。
うちでも、息子のアトピーが整体で改善したので、体の歪みをとると免疫機能の改善されるのかなと思ったものです。
体験的に、情緒面でも、機嫌が良い状態になるので、切れやすいとかウツとかに改善にも、いいように思いました。
http://blog.goo.ne.jp/hanamiduki87/e/c675de7f56b045d967488d0178cbfbfa

ですから、保健室に一人、整体師の方がいると、いいんじゃなかって妄想中です(笑)

>暗い出来事やニュースが多いですが、お互いめげずに頑張っていきましょう

そうですね、ありがとうございます。
今の政権はあまりに意識レベルが低いので、反対に国民が、おまかせにしてはならないという危機感で、政治に関心を持つようになったきた。
そういう意味での、役割は担ってくれているのでしょうね。
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